TOP > リフォーム事例 > ワンフロアのリフォーム > 築30年の鉄骨住宅を、暮らしを楽しめる家に



ハウスデータ
■築年数30年
■住宅仕様3階建て重量鉄骨造住宅
■広さ1階+2階+3階
約34坪(112㎡)
■リフォーム内容
  • 1階・3階のスケルトンリフォーム
  • 2階の内装リフォーム
■地域新宿区
お客様との出会い ~ホームページよりお問い合わせいただきました~
数年前に、中古で購入された、築32年(昭和55年建築)の鉄骨住宅にお住まいのK様。 ホームページをご覧くださって、お問い合わせいただきました。

ご夫妻がこの度のリフォームをお考えになったきっかけは、水周り設備の老朽化と、断熱についてのお悩みでした。

特に、夏になると最上階の三階が猛烈に暑く、活用できていない!ということに困っていらっしゃいました。

そこから、お二人でお考えになり、今後も長く快適に住むために、断熱を含めた大掛かりなリフォームを行なってしまおう! という事で、私どもにお声がけくださったとのことです。ありがとうございます。

新築ではないお住まいを後からご購入されて入居される場合のデメリットとして、 最初に建築した時のオーナーさんではない為、後から入られる方にとっては、 住まい方のスタイルに合わない、という事があります。

今回のリフォームで、このお住まいをK様ご家族が最も暮らしやすいスタイルにリニューアルすることとなります!
お客様とご一緒に「最善」の形に近づけていった、リフォーム計画の過程をご紹介します

今回のように、大掛かりな改善をご希望のリフォームになりますと、 まだ形の無いものを計画しなければなりませんので、実際に工事が始まる前のプランニングには、 かなりの時間をかけます。

K様の現在の暮らしのスタイル、詳細なご希望、将来的にはどのような風にしたいとお考えになっているのか・・等々、 沢山のヒアリングをさせていただきながら、何度も図面をお出しして話し合いを重ね、少しづつ、 K様ご家族にとって最善の計画に近づけてゆきました。

その経過と、実際のリフォームの内容をご紹介いたします。
STEP1/お客様のご要望を細かくヒヤリング!

お問い合わせをいただいてから数日後、実際にお伺いし、 建物を確認させていただきながら、お客様のご要望をヒアリングいたしました。

とにかく暑さに困っている3階の断熱環境を改善し、有効に使えるようにしたい!

まずはこちらが最も大きなご要望でした。
この時点では、リフォームで断熱の状況が改善できたら、3階はお子さんのお部屋したらどうか・・・とお考えでした。

建築当時の水周りの設備を見直し、便利で安心なものに

水周りに関してもお悩みでした。
お風呂は入居の際にリフォームされていて新しいのですが キッチンや洗面は建築時のままであり、トイレはリフォームされていたのに 水漏れなどがありお困りだったそうです。

この機に、老朽化した設備を取替え、今後水漏れなどが無いように、 配管も新しくしておきたい、とお考えでした。

間取りなどはまだ漠然としていながらも、これを機に大掛かりにリフォームしてしまいたいと考えている

ご相談いただいた時点では、まだK様もイメージが漠然としていたようですが、初回のヒアリングの中で、こんなお話をお伺いすることができました。

★キッチンとリビングの間にある間仕切りが無ければ、 奥様がお子様のご様子を確認できるのになぁと思っている。

★収納スペースを使いやすくしたい。

★洗面室は狭いと感じている。特に、ご家族が出かける朝の時間が混雑してしまうのは改善したい。

★和室は気に入っているので残したい。

★ご主人様がコレクションしている野球やゴルフのグッズ、ビールグラスを飾れるような場所を設けてあげたい。(奥様より)

やはり、30年前に建築されたお住まいをご購入という形で入居されているということで、 現在のK様ご家族のライフスタイルに合わない所も多々おありのようです。

そこで、まずは、今後のご提案の材料にするために、現在の住まわれ方や 収納の使用状況などをよく拝見させていただき、その上で最初のご提案を提出させていただくこととなりました。

お客様が不便に思われている箇所、こうなればいいなと思われている箇所を細かくヒアリング!

K様は、初回の相談のタイミングでプラン契約をいただくことになりました。
弊社では、リフォームの本契約を結ばせていただく前段階の契約として、 詳細なプランを作成する為の「プランニング契約(予想されるリフォーム総工費の3%)」 をいただいております。
>>プランニング契約について詳しくはこちらで

私どもが得意としている、今回のK様邸のような大規模なリフォームとなりますと、 現在のお客様のお暮らしぶり、そしてご予算をうかがって、そのご家族にぴったりの お住まいをプランニングするためには、かなりの時間をかけることとなり、人も動きます。

そのお客様のために、100%のご提案をする為にも、プランニング契約は必要な過程と考えております。

プランニング契約の前にも、おおまかな概算は出させていただいており、 それを経ての契約となるお客様もいらっしゃいますが、 K様は、初回のご相談の後、かなり早い段階でプランニング契約をお願いします、 とのお話をいただきました。

プランニング契約も、決して少額とは言えない料金が発生することなので、 お客様としても決断がいるところであったかと思いますが、ご信頼をいただき、ありがとうございます。
STEP2/まずは「叩き台」となる図面をご覧いただきました

初回にお伺いしたご要望を元に、まずはたたき台となるリフォーム図面を作成。
お客様に見ていただき、ここから更にイメージを膨らませます。
1階のキッチンとリビングの仕切りを無くしたいとのご希望に合わせ、 キッチンのスタイルを変えた二種類のものをお持ちしました。
一つ目は対面キッチン、二つ目は、今までと同じ位置で壁付けになるキッチンです。

近年、人気なのはやはり対面スタイルのキッチンですが、費用は少し高くなります。

そこで、実際に図面を見ていただきながら費用の違いもご説明し、どちらで進めるか相談いたしました。 奥様は「やはり対面で!」とのことで、そちらで進めさせていただくことになりました♪

また、直に座って寛げる和室も気に入られており、残したいとのご希望でしたので、 オープンな空間の中でも、和のスペースを設ける計画としました。

狭いとお考えだった洗面室は、隣の洗濯機置き場との間仕切りを撤去し、 ゆったり使える設備に交換いたします。

2階は、気に入っているという現在の和室の雰囲気はそのまま残し、現在は使われていないミニキッチンを撤去。

また、収納ペースをもっと有効活用できるように、ウォークインクローゼットにいたします。


3階は、今回のリフォームで断熱環境を改善しますので、今後は有効活用できるようになります。

その上で改めて、ご家族の将来を考えた間取りに変更します。

K様の2人のお子さんは、現在はまだ小さくていらっしゃるので二階の南側の和室を2人でお使いですが、将来、個室が必要になった際は、3階を2つのとして使用できるスペースにする計画です。

STEP3/リフォーム完成間近のお宅を見学&自然素材の提案

自然素材の良さを実感いただき、K様邸でも採用が決定♪
弊社で行うリフォームでは、いつも自然の素材をご提案いたします。 小さなお子さんがいらっしゃるK様ご家族であれば尚更、自然素材はおすすめしたいものでした。

ご相談の初期の段階では、使用する素材については、まだ決定していませんでしたが、 K様とのプラン作成中に、ちょうど弊社が行っていた完成間近のリフォームで、自然素材を全体に採用された お宅がありましたので、そのお客様からのご厚意をいただき、完成直前の状態をK様ご家族にご見学いただきました。

リフォームを考え始めた当初は、自然素材を使うという事はお考えではなかったK様ですが、 実際に、自然素材の空間をご覧になって、無垢の床や、暖かみのある木の建具の良さを実感!

無垢のフローリングやコルクタイルを我が家のリフォームでも是非!と自然素材の採用を決定されました♪
K様ご夫妻も、図面や自然素材をご覧いただいたことで更にイメージが広がり、
詳細な変更やご希望を出してくださいました!

1階はやはり、せっかくスケルトンにするので、和室にこだわらず全て洋室として、 広い空間にした方が良い。
当初は畳が捨てがたいと考えていたが、実際に無垢フローリングの床を見て、 これなら、直接座ってくつろげると思ったので。 無垢フローリングはカバ桜が気に入った。

キッチンカウンターの下にはゴミ箱を置く場所があると便利。
また、電話の親機を、キッチンカウンターの端っこに置こうと思うので、LANジャックが必要。

広くなる洗面室に、室内干しができるような設備が欲しい。また、収納を有効に使えるようにしたい。
3階を将来、お子さんの部屋にしたいと考えていたが、ご夫妻でよく話あった結果、 3階だとご両親の目が届かなくなってしまうように思う。そこで・・・

【現在】2階の和室を、それぞれお子さんお二人のお部屋、 ご夫妻のお部屋として使用
【将来】お子さんが成長して個室が必要になって来たら、 2階の和室2部屋をお子さんがそれぞれ個室にするようにして、ご両親は3階に移る


という計画に変更したい。なので、3階はずっとワンフロアで使用する。

3階は、しばらくは家族みんなのホビールームにするので、出来るだけ広々した空間にしたい。 仕切りが全く無くても良いくらい。

2階のウォークインクローゼットには、お子さんがお布団、他にもいろいろな物を、 自分できちんと仕舞えるようにしたいので、小さなお子さんでも出し入れがしやすいような形にしたい。

2階の踊り場に本棚があると良いと思う。
より詳細にするため、家具のサイズも細かく採寸!
ご要望について相談させていただきながら、よりK様のご生活に合わせたものに近づけるために、 今まで使用している家具、リフォーム後に新しい収納スペースに収めたい物の サイズを計測させていただきました。

※実際にこんなものを測りました
冷蔵庫/電子レンジ/テーブル/お子さんの学習机/食器棚/炊飯器/トースター/ ご両親の衣装ケース/現在お持ちの飾り棚/電子ピアノ
具体的になってきたところで、正式なリフォームプランの作成に入ります!
叩き台の図面提出や素材をご覧になることで、お客様のイメージや希望も固まってきました。
※実際には、更にもう一段階進めた図面も提出しておりますが、 こちらでは省略しています

ここでやっと、正式に詳細なリフォームのプランニングを作成することとなります。
図面だけでなく、完成のイメージや使用する設備を具体的にご提案し、 ご予算と照らし合わせて、詳細を練ってゆきます。
そしてK様邸のリフォームプランが完成しました!

1F自然素材を使った明るいLDKとなり、ご家族団欒が楽しめる空間に!水周り設備も改善され、使いやすさもアップです。

1階は、リフォーム前、キッチンと居間が仕切られていましたが、 新しい空間は、対面キッチンを備えた広くて明るいLDK!

リフォーム後も、床に座ってくつろぎたいとお考えだったK様は、 新しいLDKにも和スペースを造るかどうか迷われていました。

そんな中、無垢のフローリングを実際に見ていただいたところ、これなら床に座ってくつろげそう、 とのことで、せっかくだから全面を無垢で、とお決めになりました。

全面が無垢の明るい、広がりのある空間となることでしょう。
床だけではなく、壁は自然素材の壁紙オガファーザー、建具も天然木の桐を使います。
2FK様が気に入られている和室の良さを活かしながら自然素材で更に良い雰囲気に&収納力アップ
2階は将来、二人のお子さんがそれぞれ個室として使用する予定となりました。
そうなった時には、どちらのお部屋も十分な収納スペースが取れるように、 従来の収納スペースのアレンジ、床の間を収納にする、廊下にも収納を設けます。

フローリングには自然素材の無垢、壁紙にも自然素材のオガファーザー、新しい畳には国産のエコ畳と、 暮らす人に優しい素材を多く使います。
3F特に外気の影響を受ける三階なので、断熱材の見直しを行い、家族で暮らしを楽しめる空間に!
「洗濯物を干す以外は、ほとんど行きませんでした」と、 奥様が仰るほどに、夏は暑く、冬は寒いお部屋だった為、 今まで有効に使用されていなかった三階です。

特に外気の影響を受ける三階なので、断熱材の見直しを行い、 快適に過ごせる空間にいたします。

新しくなる空間は、大きな収納を備えた広いホビールーム!
音楽を聴かれたり、ご主人のコレクションを飾ったり、ご家族でジグソーパズルをされたり、 様々な用途で楽しく使用できます。

将来、お子様が個室を持たれることになった際には、 こちらはご夫妻のお部屋となるご予定です。
Point!性能の高い断熱材を使い、過ごしやすい家に!
■3階(最上階)の断熱環境を大きく改善

リフォーム前、K様は「暑い時期は三階にはいられない程です」とおっしゃっており、 そのために、3階は有効活用がされていない、勿体無いスペースでした。

最上階の3階は、上からの日光の熱の影響を最も大きく受けてしまう上、 そこまで暑いという事は、断熱材が入っていないことが考えられました。

そこで、3階には天井に断熱材「セルローズファイバー」、そして壁の下地ボードに「バウビオ」、 窓も、既存の窓の内側にインプラス(内窓)を設置し、断熱性を大きく改善、 年間を通して快適にお過ごしいただけるお部屋にいたします。

■1階も床を改善!

1階は、地下から上がってくる冷気の影響を大きく受けてしまいます。
今回、1階はスケルトンにしますので、内部も改善することができます。 そこで、1階の床にも「セルローズファイバー」を施工することになりました。

セルローズファイバーとは...
断熱性能、特に3階の暑さにお悩みだったK様。
そのお悩みを改善するために使用する断熱材として「セルローズファイバー」をご提案!

綿のようにフワフワした天然の木質繊維の断熱材で、天然素材のため、 人体に害が無く、フワフワした綿を、みっしりと隙間無く「吹き込む」形で施工しますので、 断熱性と防音性も、従来の断熱材を上回る性能を発揮します。
バウビオとは...
Baubio(バウビオ)は、壁の下地として使用する断熱ボードです。 このバウビオ、「ゾノライト」を主成分とした建材で、このゾノライトには「熱を伝えにくくする」 「湿度を調整してくれる」 という性質を持っています。

優れた調湿作用によって室内の温度変化を制御する効果があります。 湿気を外に放出してくれるので、壁の中に湿気がたまりません。
Point!自然素材を多く使った住む人に優しい家

天然木の優しさ・無垢のカバ桜フローリング
天然木の板で作られた無垢のフローリング。 木のある風合いとほんのり暖かい優しい手触りに癒されるのは勿論、 蓄熱性や調湿性といった優れた機能も併せ持つ、人気の床材です。

K様は、明るい色合いが魅力の樺桜フローリングをお選びになりました。 1階のリビングと3階全体の床、2階のホール、和室のアクセントに採用します。
水周りの床や廊下にはコルクタイル
コルク樫を砕き、焼き固めて生成されるコルク。
ワインの栓でお馴染みな通り、水気に大変強いという特性を持つ自然素材。 タイル状に焼き固められたものが住宅の床材として人気です。

コルクは空気を含んでいるので、適度な柔らかさとほんのりとした暖かさ、 夏にはサラリとした気持ちの良い感触を楽しむことが出来ます。

水濡れに強い特性を活かし、K様邸では、キッチンや洗面室、トイレに採用。 また、汚れやすい1階の廊下に採用いたします。
調湿性能を持つ自然素材クロス・オガファーザー
再生紙に木のチップを混ぜて漉き生成した自然素材のクロス。 木を混ぜ合わせていることから、調湿性能に優れます。

K様は、壁の下地ボードで先にご紹介した「バウビオ」を使用します。 バウビオは調湿性が高いということが大きな特徴のひとつなので、 その上に使用する仕上げの内装材も調湿性のあるものでなければなりません。 そこで、こちらのオガファーザーを採用いたしました。
建具や収納の内装材に「桐」を使用
天然木である桐で作られた建具は、重さが軽いため、開閉に力がいりません。

また桐は、優れた調湿性と防虫性能を持つことから、昔からタンスに使用されています。 その特性を活かして、K様邸では「クローゼット」の内部材にも桐を使用いたします。
更にこの機に外部もリフォーム!

建物にとって水は大敵。雨漏りが発生すると、 鉄骨のお住まいでも構造がサビてしまうことがあり、ひいては建物の劣化に繋がります。

K様邸を拝見させていただいたところ、屋上と3階ベランダの防水コーティングに 経年による劣化が見られました。 今回のリフォーム工事で、再びコーティングを行い、水漏れを防ぎます。



1階の窓には、防犯の為の面格子を設置いたします。

プランを元に細部を調整を行い、正式なご契約となりました
施主支給された物について、ご相談いただきました。

施主支給とは、リフォームなどので使用する資材を お客様ご自身で手配していただくことを言います。

弊社では、工期の調整の都合、そして、その後のメンテナンスのことを考え、 キッチンやお風呂といった大きなエレメンツの施主支給はお断りしておりますが、 工期にあまり大きく影響しない小さなパーツであれば、お受けしております。

K様も、奥様がインターネットでお探しになったものをいくつか施主支給 されたいとのことで、ご相談をいただき、以下のものを施主支給されるこことなりました。

○キッチンのビルトインのガスコンロ
○ドアホン
○火災報知機
○照明器具
キッチンの詳細なスタイルを最終決定!
対面キッチンにすることはプランの時点で決まりましたが、 対面キッチンでも、上に吊り戸を付けるスタイルと付けないスタイルがあり、 セットで付ける背面収納も、お客様のお好みでカスタマイズが可能です。
また、換気のためのレンジフードもいくつかの種類があります。

ショールームにて実際に見ていただき、キッチンは吊り戸を付けない、 よりオープンなスタイルに決定、収納やレンジフードのスタイルも決まりました。

そして、お問い合わせから約3日月後、正式にご契約となりました。ありがとうございます!

着工の準備
いよいよ計画が現実的に動き出します!
スケジュールに沿って各方面への手配を行い、 必要な場合は、各職人に事前の現場確認を依頼します。
また、工事を行うということで、道路を各職人の車両が出入りしたり、 音が出たりいたします。
ご迷惑をおかけしてしまうことは避けられませんので、 K様邸のご近隣の皆様へ、お知らせの紙と粗品を持って1軒1軒ご挨拶に伺います。

皆様「お互い様です」と快くご対応いただき感謝いたします。


全体をリフォームすることになるので、工事期間の2ヶ月の間、 K様ご一家はお近くのマンションへの仮住まいをされることになりました。


K様邸・実際のリフォーム工事の様子を詳しくご紹介!

K様邸は3階建て鉄骨造の建物です。
今回のリフォーム工事では、間取りの変更、断熱環境の改善、 内装に自然素材を採用し、今までよりもずっと暮らしやすいお住まいを実現します。

1階と3階は、一旦、内装や内壁を撤去し、ほぼスケルトンとして、内装を一新します。 2階は、もとの状態を残しながら、改善を行います。

K様邸は鉄骨のお住まいであることから、今回、弊社で耐震の工事は行いませんが、 内部をお客様とよく確認しながら工事を進めます。

※鉄骨で耐震補強までお考えの場合は、 木造の住宅とは構造計算の方法が違ってきますので、 鉄骨の構造を扱う専門の業者にご相談ください。その際には図面が必ず必要になります。
工事が始まるにあたり、お客様と最終確認&養生を行います
今回のリフォームの間、ご家族はお近くの賃貸マンションへ仮住まいをされますが、 家具を全て持ってお引越しする訳にはいかないので、 多くはこちらの工事中となるご自宅の方へ残して行かれます。

残していく家具の中には、リフォームを機に処分しようとお考えのもの、 今後も使おうとお考えのものがありますので、処分してはいけないものを 間違って処分してしまうことが無いように、お客様とご一緒にチェックしながら、 目印を張ります。

そして、今後もご使用される予定のものについてはキズや汚れが付いてはいけないので、 あらかじめシートを被せる、安全な場所に移動させるといった準備を行いました。
お客様と丁寧に一つ一つ確認。
建具や照明、埋め込みの収納、お子様のデスクなど、 今後も使用されたいとお考えのものが沢山ありますので、全て目印を付けさせていただきます。
このようにかなり目立つものを貼ります。
リフォームの工事現場は、様々な専門職の職人さん達が出入りしますので、 誰が見てもわかるようにしておかなければならないのです。
そして、再利用するものは、工事中にキズや汚れが付かないように、ビニールで覆ってガードをします。 準備が整ったら、いよいよ着工です!
リフォーム着工!解体が始まりました
大きく間取りや内装を変える、水周り設備も交換しますので、 内装や仕切りの壁など、一旦撤去いたします。

K様邸は、重量鉄骨造で、柱と梁、スラブ(床)が剛接合していることで建物を支えている「ラーメン構造」の建物です。

木造軸組工法の住宅の場合、柱、梁だけでなく、耐力壁の配置も重要になるため、 壁を解体するのに細心の注意が必要ですが、鉄骨ラーメン構造の場合は、 仕切り壁などはマンションのように比較的自由に撤去することが出来ます。

※今回K様邸では耐震工事は行っていませんが、もし鉄骨のラーメン構造で耐震をお考えの場合は、 木造住宅とは構造計算の方法が全く異なる為、鉄骨造の専門業者さんに依頼する必要があります。
解体が始まりました
天井を撤去すると、鉄骨の構造が出てきました。 赤い部分がラーメン構造の骨組みである鉄骨の柱と梁、スラブ(天井)です。

解体前は、木造のお宅とあまり変わらない感じがしますが、解体してみると やはり構造は全く違いますね。(構造が赤いのはサビ止め塗料の色です)
お部屋や収納の壁も、このような「仕切り壁」です。 建物を支えているものではないので、比較的自由に撤去が可能です。
交換予定の水周りの設備も撤去されました。
床も撤去。床下に隠蔽された給配水管も確認できる状態になりました。
水周りの悩み解消!給排水管工事
リフォーム前、漏水のトラブルなどがあったとのことで、 K様は今回の工事で給排水管のメンテナンスを含めてお考えです。
やはり30年が経過していると、給排水管の内部もある程度劣化してきてしまっておりますので、 今回、新しいものにいたします。
水道屋さんが配管を整えています
こちらはキッチンの下になる箇所ですが、 配管の設置位置の間違いなどが無い様に 施工責任者がこのように目印を付けています。 これを「墨出し」と言います。

施工責任者が「墨出し」を行った後、水道業者が施工します。
このような目印で認識のズレを防ぐというのは、結構大事なポイントです。
新しい給水、給湯配管は、さや管ヘッダー方式を用いました。

配管をこのようにユニットで繋ぐという方法で、漏水が起こりづらく、 また、メンテナンスもやりやすいので、近年の住宅で多く採用されています。
新しい住まいに合わせて電気配線もリニューアル
こちら、リフォーム後の図面ですが、青い部分が新規に配線する箇所です。

間取りが変わるというだけではなく、30年前に比べて、現在は様々なところで電気を使う時代になってきていますので、 今回のリフォームで、現在の暮らしに合わせて電気設備も大きく改善いたします。
こちらは電気屋さん。 今回、間取りの変更に伴い電気配線の構成も大きく変わります。

電気屋さんもやはり、お客様と直接お話ができることはほとんどありません。 その為、お客様と多く接する担当のコーディネーターと、念入りな打ち合わせを行い、 位置のズレが無いようにする必要があります。

家具を置いたらコンセントが隠れてしまったりするのでは困りますからね。
昔からお世話になっている館田電気さん!超ベテラン技師さんです。計画に合わせて、配線設備を整えてくれています。
外からの作業が必要な所もあります。都心の密集地なので、お隣との境があまり無い中での作業です。
最上階である3階の暑さを改善!断熱工事の様子
リフォーム前のK様の大きなお悩みは、3階の用途でした。
暑くなる季節になると、太陽熱の影響を最も大きく受ける3階が、 「とてもいられない程」の状態、有効活用ができていなかったとの事でした。

そこで、三階は温熱環境を大きく改善することとなります。
今まで断熱材の無かった天井には、断熱材 「セルローズファイバー」を施工。

また、暑さの改善には、湿度の調節も重要なポイント。
夏は、湿度が高ければ高いほど、実際の温度よりも暑さを感じ、 逆に湿度が適度に保たれていれば、暑くてもサラリとした過ごしやすい環境となります。

湿度をコントロールするために、調湿性の高い壁下地ボード 「バウビオ」 、更に最終仕上げに使用する内装材も調湿性能のある 「無垢フローリング」 「オガファーザー」を使用し、快適な空間にいたします。

古新聞のリサイクルで作られた天然木質繊維に、防燃処理を施した断熱材です。 優れた性能を持ち、夏の直射日光から来る強烈な暑さモシャットアウトしてくれます。
壁の下地には石膏ボードが使われることが多いですが、K様邸ではこちらの「バウビオ」というボードを使用します。 熱を伝え難くする、湿度を調整しするという性質をもった、「ゾノライト」で出来ており、 近年の省エネ住宅において注目されている建材です。
壁の下地には石膏ボードが使われることが多いですが、K様邸ではこちらの「バウビオ」というボードを使用します。 熱を伝え難くする、湿度を調整しするという性質をもった、「ゾノライト」で出来ており、 近年の省エネ住宅において注目されている建材です。
解体されたところです。
やはり、三階の天井には断熱材が入っていませんでした。 これでは屋根で受けた太陽熱の暑さが建物の中に入ってしまい、 室内はかなりの高温になってしまいます。
早速、天井に断熱材を入れるための下地が組まれました
更に、ボードを張ります。今回採用するのは、 自然繊維を吹き込むタイプのセルローズファイバーなので、吹き込みのための開口部を空けておきます。
こちらがセルローズファイバー。専用の機械を使い、チューブ勢い良く吹き込むのです。
吹込みが済みました。
隙間から少しだけセルローズが見えます。中にみっしりと詰まっているのがわかりますね。
壁もこの白いボード「バウビオ」で性能がアップします!
バウビオは、熱を伝え難くする性質や、湿度を調整してくれる性質をもった、 「ゾノライト」という成分で出来た壁下地ボードです。
湿気が溜まりやすい収納の内部の壁にもバウビオを張ります。
床には、調湿性のある無垢のフローリングを張っています。
無垢は、湿気の多い暑い時期は湿気を吸い、 冬の乾燥している時期は溜めた湿気を吐きます。その為、微妙に収縮するという特性があります。 その為、膨張した時に、板と板が圧迫しあって割れてしまうことがあります。 それを防ぐ為に、このように紙を挟んで微妙に隙間を開けながら施工する必要があります。
バウビオを張った壁の仕上げは、お部屋が「オガファーザー」、 収納内部が「桐」です。双方とも調湿性に優れ、下地に用いたバウビオとの相乗効果が期待できます。
クローゼットでありながら、桐のパネルと扉の効果で桐タンスのようになりますよ。
1Fの断熱&バリアフリー工事の様子
1階も全体的に大きくリフォームするため、既存の床や壁を撤去しましたので、 それに合わせて床の断熱環境を大きく改善いたしました。

1階は床下からの冷気を最も多く受けます。
K様邸は1階の下に地下の収納がありますが、やはり地下ということでかなり冷える空間となっており、。 1階はその地下の寒さの影響を大きく受けてしまいます。

床に断熱材を入れることで、この環境が大きく改善します。
断熱材は内部に入れるものなので、このような機会に一緒にやってしまえば効率的です。

同時に、部屋と廊下の間にあった段差を解消するために、 高さを調節できる「置き床」工法を用いました。
以前あった床は、一旦、下地まで撤去してしまいました。
まずは給配水管の設備を整えます。先にやってしまわないと塞がれてしまいますからね。
そして、このような「置き床」の床下地を設置します。
3階と同じくセルローズファイバーを施工します。 ポンプで勢い良く吹き込みます!
コンクリの床と、その上にあらかじめ施工していた置き床の下地との間に、セルローズファイバーが隙間無く入りました。
床下からの冷気はこれでシャットアウトです!
そして、フローリングの下地になるベニヤを張り・・・・
一番上に無垢のフローリングが張られるのです。 やはりこちらも、微妙な隙間を空ける為に紙を挟みながらの施工です。
建物の外側も安心の状態にリフォーム!
K様邸は、屋根がコンクリ-トを打った屋上になっています。

勾配があって屋根材が乗っている、よくある屋根に対して、 このような平面になったものを陸屋根と言いますが、 勾配が無い為、水がたまりやすく、防水処理が必須となります。

3階のべランダも、屋上と同じことが言えます。

建築時にしっかり対策はされていたかと思いますが、 やはりどうしても経年で劣化したり、地震のような力がかかることで ひび割れが起こることがあるのです。

そこから漏水を招くと、鉄骨の建物であっても、建物を支える構造部にサビなどを招き、当然、 ダメージとなってしまいますので、今回のリフォームでは防水の点検、対策も行う事となりました。
施工前の様子です。
まずは水洗いをし、雨漏りがないかチェックします。
ウレタン防水を施しました。これで建物の外も安心です。
排水のための穴も、 長年使っているうちにゴミが詰まってきてしまっていたようです。これでは屋上に水が溜まり易くなってしまいます。
3階のベランダも、屋上と同じく防水コーティング、ゴミの詰まりを解消いたしました。
屋上手摺上部に設置されている「笠木」の継ぎ目の部分が経年で剥がれてきてしまっておりました。

笠木は、塀やバルコニーの頂部に設置する仕上げ材です。
見た目だけではなく、少し出っ張って施工することで、外壁が雨だれで汚れるのを防いでくれるという働きもあります。

ただ、継ぎ目の部分がやはり傷みやすく、時折メンテナンスをしないと、かえって雨漏りを招くことがあります。

こちらの笠木も30年の年月の間に継ぎ目が痛んできてしまっていた為、補修を施し、防水処理をしました。
リフォーム工事中のお客様とのお打ち合わせも大切です!

K様邸のリフォーム工事は1ヵ月半ほどの工期となりましたが、その間5回、 現場でのお打ち合わせの機会を設けさせていただきました。

工事の進行状況をご確認いただくのは勿論ですが、事前のリフォームプランの上では決め切れない事柄も多くあります。
例えば、収納の中棚やパイプの位置、コンセントの位置、照明の設置位置、壁紙の微妙な色の選択等々・・・
実際に現場に立ってご覧いただくことで、K様ご家族にとって最も最適な住まいの形に近づけることが出来ます。

寒い時期のリフォーム工事であり、ご多忙でもある中、多くのお時間を割いていただきましたことに感謝いたします。
実際に現場で図面をご覧いただきながら現在状況の報告や、仕様決めを行います。
こちら、収納になる箇所なので、お客様と高さの確認を行っているところです。
実際に高さを見ていただき、その方に合った収納をお造りします。
壁紙はどれにしましょう!使用する箇所に実際にサンプルを張ってご覧頂き、決定しました。
内部造作が進み、どんどん完成に近づきます!
水道や電気、断熱といった、完成したら見えなくなってしまうけれど 大切な設備の工事が終わりました。
更に、内部もどんどん出来てきます。大工さんが丁寧に材料をカットしながら新しい間取りや収納を造ってゆきます!
広々リビングになる予定の1階。新しく対面になるキッチンのカウンターが出来てきました。
こちらはウオークインクローゼット収納になる箇所です。 詳細な計画図に合わせて大工さんが丁寧にに造作していますね。
クロス(壁紙)の下地まで出来てきたところです。 白い色が付いているのは、下地ボードの継ぎ目が、クロスを張ったときにボコボコして しまわないように平らに慣らした跡です。
自然素材のクロス「オガファーザー」施工後!いよいよ完成という感じになってきました。
新しい「桐」の建具です! 寸法に合わせてある程度出来上がったものが搬入されてきますが、 実際の設置の前に最終の微調整を行い、ピッタリ設置いたします!
そしてついに!K様邸のリフォームが完成しました!

1階の様子からご紹介させていただきます!

1F 自然素材を使った明るいLDKとなり、ご家族団欒が楽しめる空間に!水周り設備も改善され、使いやすさもアップです。



リフォーム前は、お食事をされるキッチンダイニングと居間が仕切られていましたが、新しい空間では広々した対面キッチンのLDKに。

K様邸は、鉄骨のお住まいであり、構造上、壁を抜くことができる環境であったために実現した大空間です。
更に洗面脱衣室、トイレの水周り周辺も使い勝手が良くなりました。

内装は自然素材のものを使っていて、空気もとっても爽やかです!
広々13畳!ゆったりと家族団らんができるリビングダイニング&対面キッチン

リフォーム前は、ダイニングキッチンと、居間が分かれていました。
一昔前であれば、家事をする場と、家族団らんの場所は分けるという、 このような間取りが一般的でしたが、近年のライフスタイルでは、 キッチンも団欒の場の一部になったオープンなLDKが主流になってきています。

K様も、奥様が以前から、キッチンで作業をていると、居間のお子様の様子がわからないので、 仕切りが無くなれば良いなとお考えになっていました。
今回のリフォームで、思い描いていたオープンな空間が実現です!

ご家族の会話が弾む対面キッチン&多目的なキッチンカウンター
そして、スペース有効活用のオリジナル収納!

間仕切りを無くすのに合わせて、壁向きだったキッチンも対面スタイルになりました。

K様は当初、対面キッチンは計画されていませんでしたが、 小さなお子様がお二人いらっしゃるご家庭であることから、 是非にと対面スタイルをご提案させていただきました。

ただ、キッチンの位置を変える場合、水道の配管も大きな変更をする必要があります。

キッチン本体の価格も対面の方が少し高く、工事の手間も、 対面の方がかかってきますので、図面と費用の比較もよくご覧いただいた上で、 対面キッチンに決定されました。
上から吊って使用する形の「吊戸収納」の無い対面キッチンとしました。 よりオープンにスッキリ使用できます。
その分、背面の窓の上下に十分な収納スペースを設けています。

おしゃれなペンダントライトがキッチンを照らし、 とっても明るくオープンで、使いやすいキッチンとなっています。
新しいキッチンは、弊社のリフォームではお馴染み、タカラスタンダードさんのホーローキッチンです。

ホーローは、鉄の表面にガラス質の皮膜を800℃以上に加熱焼き付けて作られるもので、 耐久性はピカ一であり、しつこい汚れもサッとお掃除すればすぐに綺麗になります。

よくある、面材を表面に貼り付けるタイプのキッチンではないので、 経年で面材がはがれてしまうということもありません。

時代に左右されない、堅実なデザインというのも、タカラさんのキッチンの魅力です。

かなり広めに、壁に接する箇所までのゆったりした広さがあるキッチンカウンター。

天然木の集成材で造作されており、自然素材オイル「リボス」で、深めのブラウンに塗装を行って仕上げました。
カウンターの角は、服がひっかかったりしないように丸みを造っています。

こちら、お急ぎの朝の時間は、こちらでご主人、お子さんがササッと朝食を取ることができる他、 パソコンデスクも兼ねています。

パソコンは、向かって右側に置かれるため、コンセントやモジュラージャック、コード通すための穴も完備しています

リフォームで旧キッチンと和室の間の間仕切りをなくしましたが そのことで、和室の収納が1箇所無くなることになりました。

それを補いつつ、スペースを有効活用できるように、 キッチンカウンターに合わせる形で天井いっぱいの高さまでの収納を造りつけしました。
幅が90cm、奥行きが35cmと大容量です。

カウンター下の部分にも棚を設けました。
こちら、お子様の本や、学校から配られる資料をファイルにまとめて出し入れがしやすいようにしたい、 とのご要望に合わせて収まるようにお造りしたものです。

隅々まで、デッドスペース無しです!

カウンターの奥まった箇所に設置したこちらのガラス棚は ご主人様がコレクションしている、ベルギービールグラスを飾る為のものです。

実はこちら、リフォーム工事中に、この窪みを上手く利用できないかと、ご提案させていただいたものなんです。
奥様のご希望の一つに、 「主人がいろいろ集めているものを飾るところを設けてあげたい」 というものがあり、それが実現しました♪

こちら、カウンターの高さと同じ高さの棚の部分に、 電話を設置されるご予定です。

その為、コンセントとコードを通す為の穴を設けています。

電話の周りはコードでゴチャゴチャしがちですが、そのコード類もスッキリと収まります。

住んで快適、自然素材に囲まれたお住まい!

新しいLDKの床に採用したのは、無垢の樺桜フローリングです。

K様との商談中、無垢フローリングを採用したお部屋などをご覧いただき、 その良さに実際に触れていただいて、決定したものです。

こちらのリビング、当初の計画では、大きなLDKにしつつも、 リビング和室のような形で畳の部分を設けるというお話でしたが、無垢フローリングがとっても気に入ったK様。

無垢フローリングならば畳のように直に座っても快適なので、 せっかくだから全面フローリングにしちゃいましょう!ということになりました。 無垢フローリングは、湿度を調整してくれる機能があります。
室内の湿度が高いときには湿気を吸い、乾燥しているときには湿気を吐き、 快適な湿度を保ってくれるのです。
更に、蓄熱性能も持ち合わせていますので 特に冬の寒い時期は、暖房が効きやすくなりますよ。

無垢フローリングは1階だけでなく2階、3階でも採用しています。

キッチン、洗面室、トイレの床に採用したのはコルクタイル。
こちらも樫の木から造られた自然素材です。

触り心地は大変快適で、裸足でもヒヤッっとしません。

そして、無垢との大きな違いは、水濡れに強いということです。
コルクといえば、ワインの栓に使われているくらいですものね。

弊社が行うリフォームの水周りでは特によく使用する素材です。

床だけではなく、壁にも自然素材を使用しています。
K様邸ではこのリフォームを機に、3階建てのお住まいのほどんと全面を 自然素材のクロスであるオガファーザーにされました。

ドイツから来たオガファーザーは、再生紙に木のチップを混ぜたもので、 ヨーロッパでは広く使われているエコロジーな内装クロスです。
木のチップが混ぜ込んであることで、無垢と同じく天然木の調湿性を発揮してくれるという優れもの。

無垢やコルクといった自然素材と合わせて施工すると効果大です!
お部屋を仕切る建具や、造作した収納やカウンターに使用しているのも、天然の木材です。
とても使いやすくなった水周りです!

リフォーム前は、お風呂の脱衣場(兼、洗濯機置き場)のスペースとと、 洗面台のあるスペースが仕切られており、それぞれが狭いので、使い勝手の悪さを感じていらっしゃったそうです。

特に洗面台は、朝のご出勤&お子さんの登校の時間に皆さんがお使いになるので 混み混みになってしまって・・・とお悩みでした。

今回のリフォームで間仕切りの壁を撤去し、一つのスペースにすることで、使い勝手が良くなりました!

それぞれの設備も新しくなっています。 間仕切りをなくしたことで、洗面台も以前よりも随分と幅の広いものにすることができました!

出入り口を、LDK側と廊下側の二箇所に設け、廊下側からグルッと回らなくても出入りできるようになっています。
双方の入り口の建具は、引き戸タイプにいたしました。

ドアですと、扉の開閉スペースを取ってしまいますが、 引き戸はその点、省スペースです。開け閉めに力のいらない、桐の建具です。
リフォーム前、脱衣室と洗面室には写真のような大きな段差がありました。

下に配管を通していた為、段差が生じていたのですが、今回のリフォームでは、配管も見直しを行い、 段差が生じないようにひき直しをしましたので、フラットな床にすることができました。

こちらの洗面脱衣室と繋がるキッチンや廊下との間も、段差無しです。

床には、水濡れに強くソフトな足触りの自然素材、コルクタイルを。
洗面脱衣室には最適な床材です。
洗面室には 「ホスクリーン」を設置しました。ちょっとしたお洗濯物を干すのにとっても便利です。
写真のように、ホスクリーンはお手軽に取り外しが出来ます。

床には、階段下のスペースを有効活用することで、広くなったトイレです。

合わせて、リフォーム前にトラブルがあったという水道の配管も新しくしました。

こちらのトイレは、1年ほど前にリフォームされている為、トイレ本体はまだ新しいので、また再利用させていただき、床を水濡れに強いコルクに張替えをいたしました。

スペースが広がったことでタオル掛けも設置することが出来ました。

リフォーム前は開き戸だったトイレの出入り口ですが、廊下と干渉してしまっていましたので、今回、引き戸にいたしました。

明るい印象になった玄関&廊下
廊下をリビングと同じく無垢の床、オガファーザーの壁に張替え、 玄関ドアを交換しました。
床や壁を張り替えるだけで、随分明るい玄関に様変わりです!

玄関は、基本的に既存のものを再利用しながら、建築時のままだったため安全上の事で心配があった玄関ドアを交換しました。
まだ小さなお子さんの手が届くように鍵の位置が少し低めなものをお選びになりました。

また、今までの開き方向だとお子さんが手を挟んでしまうことが何度かあったとのことで、方向を逆側に変更しています。
廊下に入ってすぐの壁面に、折りたたみ可能なデザイン性のあるフックを設けました。
普段使いするようなコートなどはこちらにお手軽に引っ掛けておけます。
2階・完成の様子です!

2F K様が気に入られている和室の良さを活かしながら自然素材で更に良い雰囲気に&収納力アップ



2階は、和室が二つ+廊下という間取りは変更していませんが、 あちこちにアレンジを加えることで、暮らしやすさ、使いやすさを大幅アップしました。 不要な水周りの設備を撤去し、その分収納が増量していますね。

2階はお子さんがお使いになるフロアでもありますので、既存の収納スペースは、 お子様が使いやすいように改良したり、勉強机を置くスペースのみ畳ではなく 無垢のフローリングを張るといったアレンジを加えています。

2階も、使用している素材はもちろん自然素材です。
収納がいっぱい!の階段廊下

K様邸の2階廊下は、廊下と言ってもかなりゆったりした広さがあり、 リフォーム前はミニキッチンが置かれていました。 以前のオーナーさんが二世帯仕様にされていたのかもしれません。

しかしK様のライフスタイルだと、2階のミニキッチンは不要なものであり 全く使用されていませんでした。

今回、そのミニキッチンを撤去し、その代わり、窓の下の高さにあわせる形で、 ご主人様の蔵書を収納するための本棚を造り付けました。
かなりの大容量ですよ。

また、リフォーム前に奥に設置されていたセントラルヒーティングも、 K様がお使いになることが全くない為、撤去し、そのスペースにも天井いっぱいまでの収納を造り付けしています。

床は、1階と同じ樺桜のフローリングを張っています。

アレンジを効かせた和室 お子さんのお部屋

二つの和室はそのままですが、K様の暮らしに合わせたアレンジを行いました。

まずこちら、現在、二人のお子さんのお部屋としてお使いの6畳和室です。

こちらのお部屋はリフォーム前も収納スペースでした。 今回、内部の大幅なアレンジを行っています。

以前は収納に手前にワンクッション置くように空スペースが設けられていましたが、 その部分も収納の一部にし、奥行きのあるウォークインクローゼットにしてしまいます。

奥には、棚をお作りします。
普段あまり使わないものを、ダンボールに入れたまま収納頂くと便利です。

上部は、ハンガーパイプを取り付け、お洋服を掛けて収納頂けるようにしました。
お子さんがご自分で服をかけたりできるように、通常より低めに設置しています。

手前の仕切りを造らないスペースを広めに設けました。
こちらには、お子さんの普段使いのお洋服を仕舞う収納ケース、そして毎日使うお布団を収納されます。

スペースを100%有効に使うため、そしてお子さんが出入りしやすくするため、 収納の扉は設けず、ロールスクリーンで開閉するようにしました。

男の子のお部屋ということで、爽やかなグリーンをお選びになりました。

K様は和室の雰囲気を気に入っていらっしゃっていますので、 2階の二つの和室はそのまま活かすことになりました。

ただ、和室だとお子さんの学習机を置いていると、椅子を動かす度に畳を傷めてしまいますので、 机を置く位置に無垢のフローリングを張り、「板畳スペース」としました。
無垢材は、1階や2階廊下と同じく樺桜を採用しています。

実際に机&椅子を置いてみると、ピッタリです!

もう一方の和室も現状を活かしつつアレンジ!

もう一方の和室は、ご両親のお部屋です。

こちらも、和室のスタイルは活かしながら、 K様ご家族に合わせた形にアレンジしています。

こちらのお部屋、以前は床の間がありました。

床の間も和室特有のものなので勿体無くはありましたが、 収納スペースを広げることを優先いたしました。

右側には、バッグを沢山お持ちの奥様がお使いできるスペースとして、 中棚の付いた天井までの収納を設けました。

左側はクローゼットとして使えるように、上にハンガーパイプを設けた仕切りの無いスペースとしています。

こちらも空間を有効活用するために、扉は設けず、ロールスクリーンで開け閉めができるようになっています。

数年後、二人のお子さんに個室が必要になってきた場合には、 こちらもお子さんのお部屋になります。

その際に、こちらのお部屋にも机が置けるように、もう一方のお部屋と同じような 板畳スペースを設けました。

3階・完成の様子です!
3F特に外気の影響を受ける三階なので、断熱材の見直しを行い、家族で暮らしを楽しめる空間に!
3階は、最も大きく変わったと言って良いでしょう!

以前の3階は、6畳の和室と、3畳ほどの洋間がありましたが、夏の暑さが猛烈すぎて、 なかなか有効活用ができていなかったのです。
その為、K様の大きなご希望の一つが「3階の断熱環境を見直して有効活用できるようにしたい」 ということでした。

断熱を良くすることはもちろんのこと、その上で、どういった空間にしたいのか、 お打ち合わせを重ね、当面はご家族のホビースペースとして使用することになりました。

ご主人が趣味のゴルフのパター練習を楽しまれたり、奥様がピアノを楽しまれたり、 お子さんが工作をされたりと楽しくお使いいただけます♪

そして、二人のお子さんが成長され、それぞれの個室が必要になった際には、 現在2階にあるご両親の和室をお子さんに譲られ、 ご両親がこちらの3階に上がられる、という計画です。

尚、ワンフロアにはしていますが、階段と直結してしまうと、冬の時期に寒いので 階段の昇降口になる所には間仕切りのドアを設置しています。
オープンなワンフロアです!

ベランダがあるため、1階と2階に比べると狭い3階ですが、 リフォーム前にあった間仕切りを無くしたことで、開放感のある広い空間に。

色々とフリーにお使いいただけるようになり、完成後は3階で過ごす時間が増えたそうです!

夏の暑さ解消!断熱+調湿で1年通して過ごしやすいお部屋に

今回のリフォームで、3階は特に断熱環境にポイントを置いた対策を行いました。 性能の高い断熱材を使用するのはもちろん、湿度を調整できる空間にするということにも重点を置きました。

夏の暑い時期は、湿気も高くなりがちです。
人の体は、湿気が高いと、より暑さを感じ、湿度が適度に保たれていると 気温が高くても以外と涼しさを感じます。
逆に冬の寒い時期は、空気が乾燥しているとより寒さを強く感じてしまいます。

湿気をコントロールするという事は、断熱と深い関係があるということなんです。


天井には・・・セルローズファイバー

木質繊維を不燃処理して作られた、綿のようにフワフワな断熱材です。
高い断熱性がありますので、天井の太陽熱をシャットアウトしてくれます。

>>セルローズファイバーについて詳しくはこちら

壁の下地には・・・バウビオ

このユニークな名前のボードは、住宅内装材の下地ボードとして使用する素材です。
ゼオライトという天然の鉱物が含まれており、優れた断熱性と調湿性を発揮します。

>>バウビオについて詳しくはこちら

壁の仕上げには・・・オガファーザー

上記のバウビオを下地に使った場合、上から塩ビのような通気性の無いクロスを使うと バウビオ特有の性能を発揮してくれなくなってしまいます。
このオガファーザー、紙と木のチップで造られた自然素材クロスなので、通気性があり、 更にオガファーザー自体にも調湿性があるので一石二鳥です。

>>オガファーザーについて詳しくはこちら

床には・・・無垢フローリング

床に使用したのは1階2階と同じ、明るい色合いの樺桜フローリングです。
先にご紹介したとおり、天然木の板である無垢は、天然の素材ならではの調湿性に優れます。
つまり、夏の暑くて湿気の多い時期は、多すぎる湿気を吸収し、冬の乾燥している時期には、 吸収していた湿気を放出してくれるのです。

>>オガファーザーについて詳しくはこちら

窓には・・・インプラス(内窓)を

窓も、暑さ、寒さの影響を多く受けます。
そこで、今回のリフォームでは、内側にもう一つ窓を設置! これだけでも、断熱性は大きく上がりますよ。

K様は、他の自然素材に合わせて、ナチュラルなお色の枠を選ばれました。相性ピッタリです!

>>内窓について詳しくはこちら

桐で出来た壁一面の収納

こちら側の壁面は全て収納となっています。

使用している建具、収納内部に使用している木材は「桐」。
桐は木の中でも特に調湿性能、防虫性が高いため、昔からタンスによく使用されています。 収納に最も適した材と言えるでしょう。

桐は大変軽量なため、開け閉めがとってもラクであることも大きなメリットです。

向かって左側の部分は、リフォーム前には小さな流しとトイレがありましたが、 K様ご家族は3階の水周りは全く使用していませんでした。
今回のリフォームで撤去し、その部分に収納を追加されました。

こちらは、建具ではなくロールスクリーンで開け閉めできるようにしました。 頻繁に出し入れするものをこちらに収納されます。

ご主人のコレクションを飾れちゃいます!
ゴルフが大好きなご主人様は様々なデザインのゴルフボールを所有しておられ、 専用の陳列ケースに入れて保管されています。

そのコレクションをおしゃれに飾れるように、こちらの壁面には、ピクチャーレールを設置しました。 木製のゴルフボールケースなので、無垢の床を使ったこのお部屋の雰囲気ピッタリですね。
階段との境には間仕切りをし、ミニスペースを設けました。

3階はワンフロアですが、階段昇降口との境も無くしてしまうと 冬の時期に寒いので、間仕切りのドアを設置しています。

この小さな階段スペースもおしゃれに演出。 壁に、お部屋と同じピクチャーレールをご用意しました。

こちらには外国のゴルフスコア用エンピツをこんな風に可愛くディスプレイしたものを 飾られました。

これらは、リフォーム中の現地打ち合わせの際に「実はこれ、ずっと飾らずに保管してあったんです」 とご主人様が見せてくださり、それならば、と飾る場所をご提案させていただきました。

防水コーティングばっちりのベランダ

3階は、居室部分が他の階より少し狭く、その分広いベランダがあります。

経年のため、水はけが悪くなってきていたので、防水コーティングを行い 雨漏りなどが起こらないような対策をしています。

K様のライフスタイルに合わせて生まれ変わったお住まいとなりました。K様、この度は、ありがとうございました。

K様より最初のお問い合わせをいただいてから、完成まで半年以上、 長く時間をかけたリフォームとなりました。

3階建てのお住まいのほぼ全面に手を加えましたので、 仮住まいのためのお引越しがあったり、決定していただかなければならないことも多くあったりと、 K様ご家族も大変であったことと思います。

最終的に、ご満足いただけるお住まいが完成したのは、まさにK様ご夫妻との二人三脚の賜物です! まことに、ありがとうございました。

また、K様邸では工事中にテレビ取材が入るという機会があり、 ご夫妻より快く取材のご協力をいただいたことも、貴重な出来事となりました。深く感謝申し上げます。

完成後、何度かお邪魔させていただいておりますが、 以前は、なかなか有効活用できていなかった3階で、ご家族皆様が とっても快適に過ごしていらっしゃって、嬉しく思います。

これからも、お住まいのことで何かございましたら、いつでもお声がけいただければ幸いです。 まことにありがとうございました。

インタビューにご協力いただきました