TOP > リフォーム事例  > ワンフロアのリフォーム > リフォームにおける耐震工事の様子/構造の問題点、シロアリによる傷みも、耐震工事で全て改善!

慣れ親しんだ雰囲気を大事に残した
ご両親のためのあったか~い家

「安心」「安全」な住まいにするための耐震の計画と工事の様子。
実際の流れを追いながら、くわしくご紹介いたします。


I様邸の耐震リフォーム工事の様子をご紹介いたします。

上の図を見ていただけますと、初期の耐震計画と、改良を加えた計画では随分と変わってきているのが、おわかりいただけると思います。

耐震の工事に関しては、家の構造部に関わることなので、実際に解体してみないことには、完璧な計画が立てられないというのが正直なところです。

もちろん、事前にお住まいをよく拝見させていただき、その上である程度の計画は立てますが、解体して全てが明らかになった上で、最初の計画に更に改善を加えて、完璧な計画にするのです。

こちらのI様邸の耐震工事も、そのプロセスを踏むことになりました。

>耐震リフォームプランについて
■初期の耐震計画から、解体を経て大きく計画に改良を加えることになりました

初期の耐震図面はこのような形でした
初期の計画時では、まだ正式なご契約に至っていない段階ですので、建物を壊して中を見せていただく、ということはなかなか出来ることではありません。

まずは、外からよく拝見して図面と照らし合わせ、改善した方が良いと思われる点を洗い出し、初期の耐震工事計画を立てました。

1階の居間が柱の無い広い空間なので、2階とその上のロフトを支えるには耐震性に心配がある
外壁が斜めの形状になっている
2階のお風呂を支える部分が不安(実際に、2階のお風呂の下になる箇所には外壁にひび割れも見られました)。


上記のような不安点を改善できる計画を立てました。

この時点でご契約となりましたが、この耐震工事の計画図面はまだ解体を行っていない段階での計画です。

実際に工事が始まって、何かしらの追加工事が出る可能性は充分にありますので、お客様にもよくご説明し、ご理解いただいた上でのご契約となりました。


新しい建物だったことが、かえって悪く働いてしまった例です
I様ご自身でも気づかなかったところで雨漏りが進んでおり、その為、非常に深刻なシロアリ被害が発生してしまっていました。
被害があったのは、上の写真左の、赤く色が付いた箇所です。

この部分は、解体前は居間の壁でしたが、表面には特に何の変化もありませんでした。

20年お暮らしでしたので、壁紙に多少の経年変化はありましたが、中でこのようなことが起こっているとは、一切感じられませんでした。

I様邸は平成の建物ですから、断熱材がしっかり入っていました。
その為、断熱材の防湿層が、逆に悪く働いてしまい、表に被害が現れなかったのです。

大変危険な状態まで傷みが進んでいました
壁の内部が傷んでいたことで、建物を支える1階の壁の、長手方向の1辺が、ほとんど強度を持っていなかったということになります。

また、大空間を支えるために、お家を建てた大工さんが鉄骨の梁を、居間の天井に入れていたのですが、その梁の重さを受けてくれるはずの柱も、雨漏りの影響で腐ってしまっていました。

居間でくつろぐご家族の上に、この重い鉄骨の梁がいつ落ちてきてもおかしくない、大変な状況であったと言えます。
【一級建築士・塩谷敏雄より】

建物と言うのは本来、生命や財産を守ってくれる大事なものなのですが、 何かあれば、崩れてしまってもおかしくない様な、考えただけでもゾッとするような状態でした。
何とかしなければと思いました。

シロアリは、家の大切な構造部分の材を食い荒らし、被害を受けた部分は写真のようにスカスカの状態になり、建物の強度、耐震性は著しく低下してしまいます。

断熱材に阻まれてこういった被害に気が付かないという事は、どちらの家でもありうるケースなので、ご心配な方はチェックをされることをお勧めしたいと思います。

建築時の施工が不十分だった箇所が見つかりました。

柱が足りていない箇所が目立ちました
柱や筋交いが不十分な箇所がありました。

I様邸は、鉄骨の重い梁を使っておりますし、2階にはお風呂があります。お風呂は、お湯を入れると1トンほどの重さとなる、住宅の設備の中では特に重いものです。

更に、2階の上には、ロフトも設置されており、普段使いをしない家財道具が沢山入っています。

この、上からの荷重を充分に支える為に、大きな改善をする必要があります。

筋交いは入っているものの、土台と横架材(梁・桁)を正しく結んでいない箇所がありました
土台と横架材の間に斜めに材木を走らせる「筋交い」は、木造住宅が地震に対抗する上でとても重要なのですが、柱と柱の間に正しく施工されていなければ、耐震の効果を発揮してくれません。解体したところ、この筋交いの位置が不適切な箇所がありました。

写真でも、斜めに走っている「筋交い」が、正しくない位置に設置されているように見えます。これでは耐震の効果はありません。

このような箇所は、構造用剛板を施工して補う、もしくは新しい壁を立てる等、何らかの方法で改善をしなければなりません。

窓の両側には重さを支える柱が必要ですが、入っていない箇所がありました
窓は重さがありますので、通常、窓の左右には窓を支える為に柱を設置します。

しかし、こちらの窓はその施工が不十分なので、このままですと、壁が窓の重さに耐えられない恐れがあります。

特に重量のあるお風呂を支える構造部が、短い材を繋いで造られており、強度に不安がありました
お風呂は重量がありますので、本来は一本の太い材が使われているのが望ましいのですが、 短い材を繋いでいるというのは不安です。

実際、お風呂の下になる部分の外壁にクラックが入ってしまっていました。クラックが入る場所=弱い所ということなので、改善が必要です。


【一級建築士・塩谷敏雄より】

既存の構造部分に、予想していた以上の不足がありましたので、そういった部分は全て補強して、状態を良くしなければなりません。

I様邸は、重量のある鉄骨梁が3本入っていましたが、(1階図面の水色の部分が鉄骨梁です)解体してみると、その梁を支える為の構造が不十分であり、せっかくの梁がかえって危険を招く可能性すらありました。
改めて、鉄骨梁に対して正しく施工を行い、より強度を増す為の計画を立てました。

適切な部材を、適切な箇所に取り付けすることが肝要です。

今回、初の試みとして「第三者」の立場の方に建物を診断していただきました
今回の耐震工事では、建物について解体して分かったことを、お客様に対して私達だけから申し上げるだけはでなく、第3者の目でも判断をしてもらう為に、建物診断を依頼しました。
大切な建物ですから、お客様もご不安です。その不安を少しでも解消できるようにとの試みです。

建物診断を専門に行っている一級建築士事務所さんに依頼し、見ていただきました。

補強が必要な箇所や施工方法に関しては、住宅診断の結果と、私たちが考えていたものとが同じ方向性で一致しました。

※弊社側の判断で依頼したものなので、こちらの診断費用は弊社の方で負担いたしました。

追加の補強工事が発生してしまいましたが、お客様にご説明さし上げた結果、信頼しておまかせくださいました。ありがとうございました。
追加の耐震工事が発生することになり、お客様からその分の費用を頂戴することになってしまいましたが、ご納得頂き、お任せ下さいました。

お家を大切に思う気持ちは、どなたもお持ちです。
まして、ご自分たちで建てた家、ずっと住んできた家なら、なおさらです。
今回のことは、お伝えする私たちの方も、心苦しい現実ではありました。

ですが、将来的に考えますと、やはり事実をお伝えし、今回の工事できちんと良い状態にさせて頂くことが、私たちのすべきことだと考え、お伝えをさせて頂きました。

工事のご相談が済んでから、お客様が「エコリフォームさんを信頼してお任せしておりますので、よろしくお願いします」と仰って下さり、当時は、そのお言葉に救われる思いでした。
■実際の耐震補強工事の様子

▼シロアリ被害があった西側壁面の補強の様子


こちらは、雨漏りによるシロアリの被害があった壁面です。

外壁が斜めになっており、2階の外壁と位置のズレがある事が、初期の頃から懸念されていたため、この壁面は大幅に補強をかける予定を立てていました。

しかし、解体してから

・ シロアリの被害が確認された
・ 施工自体がが不十分だった箇所が多くあった

といった大きな問題が見つかり、1階の既存の壁を補強するだけでは不十分と判断し、新たに室内側にまっすぐな壁を新設する事にいたしました。


お部屋は少しだけ狭くなってしまいますが、このような形にすることで、2階の外壁とのズレがなくなり、建物の状態が改善します。

家を長く持たせるためには、このようにさせて頂くことが一番良いと考えて、お客様にご説明をし、納得いただいて進めさせていただきました。
このような状態になってしまっていましたが...
柱や土台、全て新しいものに取り替えました。
更に地震に強い外壁下地「ラスカットパネル」を。
ここは、雨漏りの原因になってしまった箇所です。防水シートを張って、上から剛板を張りました。もう大丈夫です!
更に、今回の耐震工事で内側にもう1枚壁を新しく造ります。強度が上がりますよ。
鉄骨の梁も、新しい柱でしっかり支えます。これで安心。
耐震金物を要所に取り付けて「抜け」を防ぎます。

▼東側壁面の補強の様子
東側の壁面も、シロアリの被害こそありませんでしたが、柱の施工状態が悪く、心配な状態でした。
柱を施工する予定で、接続用の穴だけ開けてあるが柱が無い、といったような箇所もあったのです。

I様邸は、立派な鉄骨の梁(図面、横に三本入っている水色の部分が鉄骨梁です)が入っていますから、それを支える為には、強度が不十分でした。

そこでこちら側も、既存の壁の手前に全く新しい信頼できる壁を作る、という方法を取りました。

鉄骨梁の重量をしっかりと支えられるように、筋交いや耐力壁を適切に正しい方法で取り付けしました。
柱や筋交いが不十分だった壁面の工事の様子です。
今回、旧壁面の手前に新しく、信頼できる壁を造るという方法を取ることになりました。
新しい柱や筋交いが施工され、見るからに丈夫そうになりました。
※下の方に色が付いているのは、シロアリ対策の防蟻剤を塗布した為です。
筋交いもしっかりと。
鉄骨の梁を支える部分です。立派な柱と桁で、しっかりと支えます。
適切な箇所に、適切な耐震金物が取り付けられます。
土台と柱、筋交いが抜けてしまわないように、取り付けられた耐震金物です。
I様邸は、2階の上にロフトがある造りです。今回、ロフト部分は工事をしないので、I様ご家族が仮住まいの間に使わない家財道具がたくさん入っていました。屋根には立派な瓦も載っています。

シロアリの被害があり、施工に不十分な箇所がある中で解体を行っているという、建物の耐震強度が極端に下がっている状況下で、万が一大きな地震が来たりしたら、大変です。
現場のスタッフが一丸となり、一刻を争うスピードで工事が進められました。

▼不安があった箇所はすべて改善!
I様邸の浴室は2階にあります(リフォーム後も2階です)。

ユニットバスは、住宅設備の中でも特に重量があり、お湯を張ると、1トンにもなるのです。

ですから、お風呂を2階に設置する場合は特に念入りに強度を確保しなければなりませんが、リフォーム前の状態は、重量があるお風呂を支える構造としては不安があるものでした。

今回、1階、2階とも、お風呂の周りをしっかりと強くいたします。
これで、新しいユニットバスが入っても、安心です。
材が繋がれて使われていた部分。このままだと不安なので、このように上から1本の材で補強いたしました。
アンカーボルトでしっかりと留められていますので、外れることはありません。
お風呂が入る位置には構造用剛板を張り、強度を上げます。
1階からも、お風呂の荷重を支えるため、新たな梁と柱を取り付けます。

▼2階部分の補強
リフォーム前は、柱の無い薄いパーテーションで区切っていた箇所は、その上にロフトがあり、様々な家財道具を収納されているため、重量があります。

I様邸には2階部分の上にロフトが設置されており、様々なものを収納されてお使いです。

その為、結構な重量があるのですが、リフォーム前は、ロフトを支えたい部分に壁が無いという状況でした。
仕切りはあったのですが、薄いパーテーションであり、建物を支える壁としては機能していませんでした。
そこで、パーテーションではなく信頼できる壁面を造り、重さを支えられるようにしました。

窓の支えが不十分だった箇所の補強も行いました。
他、1階の補強に準じて、適切な箇所に補強を行っております。
2階の上にはロフトがありますので、しっかり支えられるように梁を通し、壁を造った部分です。
窓の支えが不十分だった箇所です。しっかりと補強されました。これで安心です。
適切な箇所に、筋交いを設置いたします。

▼もうシロアリ被害を受けないように、防蟻処理を!
せっかく、シロアリの被害箇所を全て改善し、耐震工事を行ったのに、また被害を受けてしまうことがあっては大変です。
信頼の置ける専門業者さんに依頼して、しっかりと防蟻処理を行いました。

以前は、防蟻の薬品というと劇薬のようなイメージでしたが、最近はずっと改善され、人体に害のないものになってきています。
シロアリがまだどこかにいるかもしれません。しっかりと駆除します。
更に防蟻剤を。最近の防蟻剤は、健康被害の無い安心なものに改良されています。
こちらは玄関。今はタイルを壊さなくても、目地の部分に小さな穴を開けることで、床下に防蟻材の施工ができます。これで徹底的にシャットアウトです。
■構造の補強が終わり、内部をどんどん造っていきます
シロアリの被害箇所も全て改善でき、構造の耐震工事も一段落。
建物の中にいても、安心感があります。

ここからは内部の様々な箇所が、目に見えてどんどん出来上がっていきます!

▼断熱工事の様子
「夏涼しく、冬暖かい家」にするには、断熱工事は不可欠です。シロアリにやられた箇所の断熱材は痛みが激しく撤去しましたし、他の箇所も、20年前に施工された断熱材は、湿気を多く含んでしまっておりました。
今回の工事で、新しい断熱材に入れ替えをします。
フワフワの綿のようなこの断熱材「パーフェクトバリア」は、ペットボトルの再生で造られた環境に優しい断熱材です。しかも高性能!経年による「へたり」が無く、長く優秀な効果を発揮します。
断熱改修で住宅エコポイントの申請も行いました!
床には、「フクフォームeco」を。こちらは、水蒸気によって発泡するタイプの断熱材なので、発泡剤が抜けにくく、長く断熱性能を維持できますし、体にも優しい床断熱材です。

▼内装工事の様子
構造部分は石膏ボードで隠され、スッキリしてきました!
キッチンカウンターです。キッチン回りも全て新しくなります!
無垢のフローリングが張られます。無垢は自然物ですから、季節により微妙に収縮します。その為、写真のように紙を挟んで、わざと少しだけ隙間を開けて貼るのです。
クロスの施工準備です。石膏ボードの隙間や、微妙な凸凹がある箇所を綺麗にならします。この工程があるのと無いのでは、出来上がりが違ってきます。
白いクロスが張られます!一気に完成に近くなったような感じがします!
1階段に手すりが設置されます。手すりは体重をかけるものなので、柱がある箇所をポイントにして、しっかりと固定して設置します。

(♪)I様邸のリフォーム、完成しました!





工事開始から2ヶ月半を経て、I様邸のリフォームが完成しました!
I様のご希望通り、「前の雰囲気を残し、ご両親が暮らしやすい家」に生まれ変わりました。

予想よりも沢山の耐震工事が発生し、お客様もご心配があったかと思いますが、
いつも暖かいお心遣いをいただき、感謝いたします。ありがとうございました!




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