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築50年の木造長屋を
収納・耐震・快適がそろった住まいに
F様邸のリフォーム工事の様子を紹介します!

長屋のスケルトンリフォームが始まります!
長屋って隣とくっついているから、耐震補強なんて出来ないのでは? と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

隣のお家と全く隙間が無く立てられていて、外壁部分はくっついている長屋ですが、 建物自体が独立していれば、耐震補強を行って耐力を上げることは、充分可能です。

逆に言えば、あまりに劣化していると、長屋とはいえこの建物だけ傾いたり、破損したりする 可能性もあるということです。
今回の工事で大幅な耐震補強を行い、建物の状態を改善いたします。

>>その他の耐震補強事例はこちら

F様邸のリフォーム工事は、以下のような内容となります

●長屋ならではの制限の中で立てた計画です
F様邸では、長屋ならではの制限の中で耐震補強の計画を立てました。

解体を伴うような大きな改修工事をする場合、通常のお住まいですと、外壁にも耐震補強をかける場合が多いですが、 こちらは隣家と全く隙間がない長屋のため、外部からの補強ができません。

一部、外部からの補強が出来る部分はありましたが、ほとんどが内側からのみの耐震補強となります。
その中で出来る限りの工事を行います。


【ポイント】増築の影響による建物の傾きを食い止めます
こちらの長屋は、築50年が経過していました。

長い年月の中で、増築を行ったこともあるようで、その影響から2階に傾きが生じていました。
このまま放置しておくと傾きが増してしまうことは予測できますので、補強して防ぎます。
新たに支える為の強固な壁を建て、せり出した2階を支えます。

【ポイント】劣化、不測のあった構造部分の補強
築50年の歳月の間、柱や梁には痛みが進んでいました。
特に水周りには、深刻なシロアリの被害が見られました。
また、地震に備えた構造であるか、という面でも、50年前の建物は 今の住宅に比べると心もとない箇所が目立ちました。

今回の耐震補強で、大幅に改善いたします。
隣家と近接している長屋のため、外部からの施工が出来ませんので、 内部からで出来る限りの耐震補強をかけます。

【ポイント】間取り変更に伴う構造の見直し
今回のリフォームで、間取りが変わりますので、 新たな間取りに合わせた、最適な耐震構造にいたします。

☆F様邸リフォーム工事の注意点

【!】長い年月の間に何度か増改築を行っている建物なので、建物の癖や構造などが把握しにくい。
一人の大工さんで建てた建物であれば、1箇所をみれば、大体どのような材料をつかって、 どのように建てているのかは想像がつきますが、増改築を何回か行っている場合、 その都度、手を入れた大工さん、施工した業者さんが異なりますので、 現状を把握する事が難しいという欠点があります。

工事が始まって、解体してみてわかる問題点が出てくる可能性があります。


【!】2階に荷物が乗っている状態での工事です。
F様邸では、1階部分は全体的に解体しての改修を行いますが、 2階は一部設備の変更と内装の変更となりますので、 1階にあった荷物は2階へ上げさせていただき、工事を行うこととなります。

2階からの大きな荷重がある状態で、1階の内部を解体いたしますので、 建物の強度が一時的に落ちてしまいます。 しっかりと仮の補強を行いながらの、慎重な作業となります。


【!】長屋なので、いつも以上に近隣の方に配慮します。
両隣と近接している、長屋のお住まいです。
工事の音やせわしない雰囲気というのは、通常の戸建てのお住まい以上に お隣のお宅に伝わってしまいます。

事前の説明・工事中の対応など、長屋の場合は特に細心の注意を払いながら工事を行う必要があります。

いよいよ工事が始まりました!

▼解体が始まりました

●まずは、残しておく荷物に傷がつかないよう「養生」
今回、1階部分は大幅に解体して工事を行いますが 2階は一部内装と設備のみなので、荷物を残したままの工事となります。
1階にあった荷物も、いったん2階に上げていただきましたので、2階には荷物がいっぱいの状態になります。

住宅の工事は、かなりのホコリが出ますし、職人さんが機材を持ち運ぶ場面も多いです。
その際、大切な家財道具に汚れやキズがつかないように、写真のように丁寧な「養生」(シートで覆う)を行います。

●建築士と大工さんが丁寧に確認しながらの解体
築年数の経った建物は、特に慎重に解体する必要があります。
解体時は、一級建築士の塩谷がつきっきりで、建物の構造を理解したベテラン大工と相談しながら解体していきます。

1階は、ほぼ新しくしますので、いったん解体いたしますが、むやみやたらに壊してしまうと 建物の強度を著しく損ねてしまう事になりかねません。

しかも2階には1階の荷物が乗っているため、上から大きな荷重がかかった状態での解体となりますので、細心の注意が必要です。
特にある程度長い年月を経ているお住まいの場合は、表から見ただけではわからない問題点が必ず出てきます。
F様邸の場合は・・・

【!】水周りを中心にシロアリ被害
経年したお宅では、浴室やトイレ、キッチン周りといった水周りで特に、シロアリの被害が多く見られます。
F様邸でも、お風呂・トイレで、住んでいる方もわからない見えない箇所に水漏れがあり、シロアリが発生してしまっていました。特に浴室周りの土台は被害が大きく、ほとんどグズグズになってしまっているという状態でした。


【!】過去に増築をしていたのも、シロアリ被害の原因でした
浴室の被害が何故最も大きかったかという理由ですが、水周りであるということ、それから、増築を行っていたという理由も挙げられます。

このお風呂の部分は、F様がご購入されるずっと以前に増築でお風呂を設置した箇所でした。その為、増築の「接合部分」から雨漏りが起こってしまっており、結果、シロアリの発生を招いていたのです。
増築をした箇所から雨漏りが起こるというのは、よくあるケースなので、注意が必要です。

<シロアリはなぜやってくるのか?>
シロアリは木を食べにくるのではなく、湿った木に発生する「腐朽菌」を食べに来ます。
建物に水漏れがあったり、床下の湿気がこもるなどして木材が湿った状態になると、この「腐朽菌」が発生し、 シロアリが侵入してしまいます。

シロアリは乾燥した木材には寄って来ませんので、雨漏りや湿気などには充分気をつける必要があります。

長い年月が経過してしまっている建物には必ずシロアリがいる!という訳ではありませんが、 どうしてもシロアリが好む環境が出来やすいため、出来れば定期的な点検をおすすめいたします!

【!】基礎が不足していました
外周部の基礎は、解体しなくても外から見て状態が確認できますが、建物内部の基礎は、床下収納等が無ければ、床を解体しない限り確認することができません。F様邸も床下収納はありませんでした。

建てられた年代を考えると、今の住宅のような基礎でないことは予測されていましたが、解体するとやはりその通りで、昔ながらの「束石」の基礎が現れました。

この箇所は、建物の荷重が一番かかる場所ですから、このままにしていては心配です。

解体して明らかになった問題点をふまえ、初期の耐震計画を改良します
プランニングの段階で、ある程度の予測を元に耐震補強計画を立てますが 築50年を超えるようなお住まいの場合、 当初の計画よりも強固な計画が必要になる場合がほとんどです。
F様邸でも、解体して明らかになった問題を元に、計画を改良いたしました。


お客様にも実際の現場をご覧いただき、対策をご説明いたします。
耐震補強の追加が発生しますと、必然的に工事代金も追加が出てしまいます。

しかし、内部の構造がしっかりしていなければ、 いくら内装を綺麗にしたところで、安心して暮して頂けるお住まいにはなりません。
どのお客様にとっても、追加料金が出るというのは不安になってしまうものです。
それでも、お客様に納得いただいて安心してお任せいただけるように、 解体が完了した時点で必ず、現在の状況・問題点・解決方法などを、 現地にてご説明させていただいております。

また、詳しい耐震補強計画の資料も作成し、わかりやすくご提案し、 充分ご納得いただいた上で、工事を進めさせていただいております。

▼建物の「足元」の部分を改善する

●基礎を強固なものに改善
外建物の1階には、当然のことながら2階の荷重がかかります。 その荷重を受けている柱の下が、束石(写真)のみでした。

基礎の仕様が決定したのは最近の事です。
ですから、50年前に、こちらの長屋が建築された当時は、この基礎の方法が一般的でしたが、 今の耐震の基準と比べてしまうと軟弱です。

そこで、荷重を受けている部分の基礎を、 現在の基準に合った強固な物にすることになりました。

<基礎工事の様子です>

強固な立ち上がりの基礎を造ります。配筋をした型枠にコンクリを流し込みます。

立派な立ち上がりの基礎が出来上がり、土台としっかり結合されました。

最もダメージが大きかったお風呂の下部分もすっかり改善されました。


●防湿シートで湿気をシャットアウト
木造住宅は湿気が大敵です。湿気てしまうと木材が腐り、シロアリの発生を招きます。
そんな怖~い湿気を防ぐために、リビングやキッチンの下には、防湿シートを敷き詰めました。

▼構造補強

●柱の補強
外シロアリに食べられてしまったり、水漏れや雨漏りで柱が腐ってしまって、 耐力を持たなくなってしまった柱を新しい柱に取り替えます。

柱を交換する、と一口に言っても、簡単に取り外して交換、という訳にはいきません。

建物を支えている構造部をむやみに取り外せば、一歩間違えば、長屋とは言え一気に建物が崩れてしまう恐れもあります。
ジャッキアップを用いて仮柱で支えながらの、慎重な取替え作業を行いました。

<このような方法で柱を交換します>
図のように、仮柱を上手く利用し、ジャッキアップをしながら慎重に新旧の柱を取り替えます。
一時も気を抜けない作業です。

<実際の工事の様子>

ジャッキアップの装置を使って仮柱を設置しています。

支えが無いまま、むやみに柱を抜くのは大変危険ですが、写真のように仮の柱がしっかり支えてくれていますので、傷んだ柱を抜くことができます。

新しい柱が設置できました!仮柱も外されました。

●通し柱の補強
上記のように、まっさらに新しいものに交換できる柱に対し、交換できない柱もあります。
1階から2階までを1本の柱で建物を支えている「通し柱」です。

通し柱は、屋根や2階の重さを支えている重要な柱でもあるので、抜くことができません。
抜くことはできませんが、慎重に隣に柱を添えたり、力を分散できるようにして、的確な耐震補強を行いました。


●傾きが生じている2階を支える補強
こちらの長屋住宅は、2階の床に傾きが生じていました。

原因として考えられたのは、増築をしたことで図のように、2階にせり出してしまう部分が出来ていたことです。
せり出した部分には、1階部分の支えがありませんでした。

これ以上傾いてしまわないように、図の部分に新しい壁を立て、補強をいたします。

このように、2階の支えが無く、ちょっと心もとない状態でしたが...

強固な柱を立てた上から、丈夫で地震に強く、防火の効果もある外壁材「ラスカットパネル」で壁を造り、上からモルタルを塗って綺麗に仕上がりました!


●梁の補強
既存の梁も、2階を支えるには少し貧弱で不安がありましたので、 下から集成材の梁で補強を行いました。


●耐震金物
50年前の木造住宅と、今の木造住宅の大きな違いの一つが、耐震補強金物の有無かもしれません。

場所により様々な金物が開発され、適した箇所に適した金物を設置することで、地震の衝撃で、構造同士の接合部が「抜けて」しまうのを防ぎます。

耐震補強金物は間違った付け方をすると、構造を傷つけてしまいかえって逆効果になる場合もあります。
建築士の的確な判断の元、この建物に最適な金物の設置を行いました。

>>耐震補強金物について詳しくはこちら


▼長屋ならではのお悩み・防音対策

●お隣のお住まいとの境の壁は、遮音シートで生活音をシャットアウト
F様邸は、お隣と壁がくっついている長屋です。
一戸建てのお住まいではありますが、共同住宅のような側面もあるということです。

共同住宅にお住まいの方も、音が懸念事項の一つではないかと思います。
F様もやはり、音のことは気になっていらっしゃいました。

今回、壁を一度全て剥がしてしまいましたので、 合わせて遮音シートを入れることが出来ました。

遮音シートは特定の周波数において共振が出ないため、音の透過が見られません。 人の話し声や、テレビの音といった日常生活の音をシャットアウトしてくれます。

これで、長屋ならではのお隣との音の心配は改善されました!

●外の公道の音もシャットアウト
都心の密集地のため、窓の外はすぐに公道というお住まい。
道路を通る自転車の音や人の話し声も、少し気になってしまいますので、道路側の壁面にも遮音シートを入れました。

また、窓も防音には重要なポイントです。
公道側にある一番大きな窓は、断熱対策でペアガラスにいたしましたが、 ペアガラスは音を抑える効果もあります。

お隣との境の壁と公道側を遮音したので、今までに比べ、とっても静かになりました。

▼住まいの神経である「電気配線」、血管である「配管」の設備も新しくなります

●外の公道の音もシャットアウト
1階の給排水管・ガス管・電気配線も新しくなります。

電気配線は住まいの神経、配管は住まいの血管とも言える、とても大事な箇所です。経年しているお住まいの場合は見直しを行い、新しくする必要が出てきます。

ガス管は経年劣化で腐食が進んでしまうと、ガス漏れの原因となってしまいます。
電気配線も、現代の暮らしに合わせるとなると、昔のままでは貧弱です。まして最近では、配線の種類も細かくなってきておりLAN配線やCATVなども増えてきました。

F様のように、経年しているるお住まいを、大規模に改修される場合は、 この際に、配管や配線の設備も新しく交換されることをお勧めしています。

▼夏涼しく、冬暖かい住まいにするための断熱工事
今のお住まいでは当たり前の断熱材。

しかし、築年数のたったお宅だと、断熱材そのものが開発されていない時代の 建築である場合もありますので、全く入っていないことが多いです。

F様邸には、かつて改築を行った際に、壁には断熱材を入れられていたようですが、 天井や床には入っていませんでした。

今回、1階はスケルトンにしてしまいますので、 現在の新築の性能により近づくように、1階全体に断熱材を入れていきます。

●床の断熱
木造住宅の特に1階部分は、床下から上がってくる冷気の影響を受けやすいです。

実際、年数の経過した木造住宅にお住まいの方から 「とにかく1階が寒いんです」というお悩みをいただくことが、多くあります。

今回、床に断熱材を入れたことで、冬の寒さが全く違ってくると思います。

●壁・天井の断熱
床・壁・天井を断熱材で包みこみます。
私達が最も良く採用するのは、ペットボトルの再生で作った「パーフェクトバリア」という断熱材です。

安価の断熱材を使った場合、経年するとせっかくの断熱材が「へたって」きてしまい 下の部分にたまってしまう事がよくありますが、この断熱材「パーフェクトバリア」はとても優秀で、経年による「へたり」がありません。
長く、お住まいを快適に保ってくれます。

これで、冬の寒さ・夏の暑さを大幅に軽減する事ができました。 エアコンの効きもぐっと良くなり、省エネにも繋がります。

●窓の断熱
室内で一番、熱の損失が大きいのは「窓」です。
特に冬など、窓の近くは寒い!!と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

今回の改修で、1階のサッシは全てペアガラスのサッシに交換いたします。

ペアガラスとは、図のように、窓が二重になっている窓サッシです。
ペアガラスにすることにより、暑さ・寒さも改善されますし、結露の発生も軽減されます。

<窓の取り替えに伴う外壁工事>

窓は壁に取り付いているので、サッシの交換をする場合は、壁面も合わせて補修をしていく必要があります。


新しいサッシを設置しました。窓撤去の際に傷んだ外壁部分を綺麗にするため、地震に強く、耐火性能も高い外壁下地材「ラスカットパネル」を入れます。

ラスカットパネルの上から直接塗装をかけると、つなぎ目が目立って見た目が悪くなるため、左官屋さんが表面を平らにします。

最後に、耐久性の高い塗料セラミクリーンで仕上げました。

▼内装がどんどん出来上がります
耐震補強工事、配管工事、断熱工事といった、 安心に暮らすためのベースとなる工事がようやくひと段落しました。
あとは、お客様にとっても目に見える箇所となる内装の工事が急ピッチで進められていきます!

担当インテリアコーディネーター/千葉容子


△壁や天井に石膏ボードが貼られました。この上からクロスを施工します。

△お客様とクロスの仕様の最終確認!住まいのイメージが日に日に形になってきますので、お客様にとっても一番ワクワクする時期かもしれません!

△床の下地の上から、無垢のフローリングを張ります。無垢は湿度の変化でわずかに収縮しますので、慣れた大工さんがほんの少しだけ隙間を開けながら施工します。

△真新しいキッチンが取り付けられました。コーディネーターの私、千葉が設置の状態を細かくチェックいたします。

△こちらリビングです。天井まで届く大きな収納が造りつけられました。

△2階は和風の雰囲気を残しますが、経年した壁は汚れが目立ちましたので、丁寧に補修して、綺麗に!

△こちら、床の間だった場所が収納になります。収納用のポールを取り付けていますね。

△無垢などの天然木の建材は、最後に表面を仕上げ塗装する必要があります。身体に優しい自然のオイルの塗料で丁寧に仕上げています。オイルを塗ることで表面に膜が出来、汚れがつきにくくなります。また、味わい深い色合いに仕上がります。

△新しい玄関タイルを張っています。玄関は以前の2倍近い広さになりました!

【♪】F様邸のリフォームが完成しました!



 
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