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木造築60年の社屋を耐震補強リフォーム

木造築60年の社屋耐震補強リフォーム

青谷製作所 ハウスデータ

築年数60年
構造木造2階建て住宅(社屋)
内容耐震補強リフォーム
地域東京都新宿区

青谷製作所は、新宿区にある金属プレス加工製造の会社です。

社屋・工場となっている木造の建物は築60年が経過し、2011年3月に発生した東日本大震災の影響で傾きが生じていたそうです。 社員の皆さんが今後も安心してお仕事ができるようにと、社屋の耐震補強をご依頼いただきました。

お客様のご事情に合わせて、業務を止めずに耐震補強を行った事例となります。

施工責任者
一級建築士
塩谷 敏雄

青谷製作所は、ネームプレートやメダルといった金属のプレス加工を専門とされています。 繊細な技術を要する金属プレス加工ですが、素晴らしい技術をもった職人さんを抱え、青谷様もお祖父様の代から続けてきたお仕事に誇りを持っていらっしゃいます。

新宿にある社屋・工場としてお使いの木造の建物は、築60年が経過している上、東京でも震度5強を記録した東日本大震災によって、少し傾きが生じてしまいました。 青谷様は、耐震補強をして、社員さんが安心して働ける建物にしたいとずっとお考えだったそうです。

しかし、金属プレス加工製造業という業種柄、多くの機械が据え付けられていて、移動することができません。 また、納期があるため、リフォーム工事のために操業を停止することも難しい状況です。 こうしたご事情を踏まえた上で、木造の社屋を耐震補強することとなりました。

耐震補強計画と工事の様子

現地調査を行い、今回の耐震補強のポイントが判明しました。

建物の2面と内部に壁がほとんどなく、耐震性に不安がある

1階が店舗や工場、駐車場などになっている建物は、壁が少ない大きな空間になっているため、耐震性は低くなります。 青谷製作所の建物も、正面は出入り口、左側面はほぼ窓で、内部にも壁が少なく、耐震性に不安がありました。

内部に壁を増やすのは難しいため、周囲の壁を補強して、壁の少なさを補います。

大きな機械を移動できず、操業を停止することも難しい

建物内部には、金属プレス加工に使用する大きな機械がいくつも設置されていて、簡単に移動できません。 また、機械は常にフル稼働している状況で、機械を移動させたら作業を続けることができなくなってしまいます。

こうしたご事情を踏まえ、機械を移動しなくても可能な耐震補強計画を立てることになりました。


そこで、
「建物正面と側面の耐震補強」をご提案しました。

1.建物正面の耐震補強

建物の正面は出入り口と窓のみで、全面が開口部になっている脆弱な状態です。 大きな地震の際は大切な避難経路にもなる部分なので、しっかり補強します。

まず基礎を造り直し、室内側から新しい柱を立て、梁を架けます。 次に、両サイドの窓には、ステンレスブレース「コボット」を取り付けます。 さらに、出入り口の角2箇所に、耐震金物「仕口ダンパー」を設置します。

これで、出入り口と窓の開口はそのまま確保しながら、耐力壁があるのと同等の強さを持たせることができます。

Before

コボットとは

コボットはステンレス製の耐震補強システム金物で、地震で起こる縦揺れや横揺れ、ねじれなどの力を分散させて、受け止めます。 筋交いと同じように働きますが、窓などの開口部をそのまま維持できるのが特徴です。

※詳しくは、コボットをご覧ください。

仕口ダンパーとは

仕口ダンパーは、柱と梁の交点である仕口部分に取り付ける耐震補強金物です。 地震による建物の揺れを吸収して抑える「制震」の機能を持つ装置で、耐震金物と組み合わせることでさらに効果を発揮します。

※詳しくは、仕口ダンパーをご覧ください。

工事の様子

着工前の建物正面です。これからしっかり耐震補強していきます。

まず新しい基礎を造るために、鉄筋を設置します。

完成した基礎に、新しい柱を立てていきます。

柱の上に梁が施工されました。

窓の部分にコボットを設置し、耐力壁と同じ強度になりました。

出入り口の上部には仕口ダンパーを設置します。

建物正面の耐震補強工事が完了しました。

2.建物側面の耐震補強

建物側面も窓が並んでいて、壁がほとんどなく、耐震性に不安がありました。 重量のある機械が設置されているため、内部からの補強は難しく、主に外部から耐震補強を行うことになりました。

まず、5箇所の窓に耐震金物「GDブレース」を設置し、窓のままで壁と同じ強さを持たせます。

うち1箇所は、換気扇フードと干渉するため、GDブレースを正しい位置に設置することができませんでした。 そこで、室内側に仕口ダンパーを設置することで、強さを補うことにしました。

また、出入り口に近い壁は、室内側からの工事が可能でした。構造用合板を施工して壁の強度を上げます。

Before

GDブレースとは

GDブレースはコボット同様、筋交いと同じ働きをする耐震金物で、外部から取り付けることができます。

GDブレースを正しく設置すると、壁強さ倍率にして2.44KN(キロニュートン)/mの壁と同等の強さを持たせることができます。 これは、厚さ7.5mm以上の構造用合板を釘打ちした耐力壁と同じくらいの強さです。

※詳しくは、GDブレースをご覧ください。

構造用合板とは

構造用合板は、木造建築物の構造の主要な部分に使われる強固な合板です。 木造建築物を補強し、強い壁を造ることができる構造用合板は、耐震補強リフォームによく使われています。

構造用合板は基準が細かく定められていて、厚さやサイズ、品質などにより、1級と2級に分けられます。

※詳しくは、構造用合板をご覧ください。

工事の様子

着工前の建物側面です。外部からGDブレースを設置します。

GDブレースの下部を建物の構造部分に固定しています。

上部もしっかり壁面に固定されました。

GDブレースが設置されました。これで壁と同等の強度になります。

この部分は換気扇フードと干渉するため、GDブレースを正しい位置にできませんでした。

内側の壁を一部壊し、仕口ダンパーを設置して強度を補いました。

ここは内側から構造用合板で補強しました。

GDブレース設置時の注意点

GDブレースは外部から耐震補強ができる便利な金物ですが、設置する際は注意が必要です。

GDブレースを設置する際は、梁や柱などの構造部分の位置に合わせ、外壁に穴を開けて設置します。 きちんと丁寧に施工しないと、外壁の穴から雨漏りが発生する可能性があります。

木造の建物にとって雨漏りは大敵です。建物の強度が著しく低下して、耐震補強をした意味がなくなってしまうかもしれません。 GDブレースを設置する場合は、信頼できる専門業者に依頼することをおすすめします。

業務を止めずに工事を行いました

金属プレス加工製造を行う会社の社屋・工場の耐震補強リフォームのため、青谷様をはじめとしたスタッフの皆様が業務を進める中での工事となりました。 極力、皆様の手を妨げることがないよう、室内工事は定休日の土日に、外部工事は平日に行う計画を立てました。

工事のスケジュール
  • 最初の土日:建物正面の基礎工事、梁と柱の設置など
  • 平日2日間:外部GDブレース設置、補修など
  • 次の土日:仕口ダンパー設置、補修など

工事中は、必要以上に作業スペースを広げないように注意しましたが、ご迷惑をおかけることもあったかと思います。 青谷製作所の皆様にはたくさんのご協力をいただき、ありがとうございました。

リフォーム後のご感想

青谷様より

今回の耐震補強の一番のポイントは、「業務を止めないでの施工」でした。 弊社は機械設備と仕事の性質上、業務を止められません。今までも、何度か他の業者さんに耐震の相談をしたことはありましたが、難しいと断られていました。

今回の施工は正直、難しかったと思いますが、エコリフォームさんはそんな無理難題を見事に解決してくださいました。 実際に施工する際も、しっかりした説明があり、何の不安もなく安心していられました。

何よりもありがたかったのは、業務への影響が一切無かったことです。 工場が休みの土日に建物内部の施工をしてくださり、月曜に社員が出社した際は、作業の進捗に驚いていたほどです。

今回はエコリフォームさんにお願いして本当に良かったと思います。 弊社の悩みだった社屋の問題を解決してくださり、ありがとうございました。

お客様インタビューはこちら

インテリアコーディネーター
薄井 歩

無事、お引渡しとなりました! エコリフォームをご信頼くださり、お祖父様の代から続く大切な木造社屋の耐震補強をお任せいただいて、ありがとうございました。

私たちの母体も50年前から続く工務店なので、青谷様のお仕事に対する誇りや熱意には、心を動かされるものがありました。 この先もずっと、青谷様と職人の皆さんの高い技術が受け継がれるように願っています。

大切な建物の寿命を延ばすお手伝いができて、とてもうれしく思います。 青谷様、この度は誠にありがとうございました。


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