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昭和22年から、日本橋の一角に佇むお住まい。
貴重な昭和の雰囲気を残しながらの、再生リフォーム!
A様ご家族が一番暮らしやすいカタチに生まれ変わります

A様邸は、昭和20年代前半、 戦後まもないころに建築された、時代を感じるお住まいです。
お住まいになっているのは、この建物が建築されたころにお嫁に来られ、 共に歴史を歩んでこられたお母様、そして息子さんご夫妻。

昔の様式であり、更に長い年月を経ていますので、 平成に建てられたお住まいに比べればやはり使い勝手の点では 不便を感じるところもおありだったかと思いますがご家族は、 このお住まいの、昔ながらの雰囲気をとても愛されており、 大切に暮らしていらっしゃいました。

しかしながら、2011年3月の大震災で、東京にも震度5強の大きな揺れが起こった日、 長年ご家族と共に頑張ってきた建物はついに傾き始めてしまいました。

そこで、息子さんご夫妻の奥様より、弊社へお声がけをいただきました。


家の状態に不安がありましたが、あの3月11日の地震で待ったなしとなり、 知識が無いままに、リフォームか新築かを決めなくてはならなくなりました。

エコリフォーム様には今まで住居の環境・ライフスタイル等、細かくお話し、 ご意見も頂いたリフォームとなりました。

女性ならではの目線とアドバイス、何よりも私どもの求めていることへのご理解があり、 風通し、採光、収納など思った以上に良く出来ました。

諸々決めなくてはならないことがあって大変なこともありましたが、楽しかったです。
後は住むものがいかに上手く使いこなすか・・・かなと考えています。 ありがとうございました。

ハウスデータ
 ■地域東京都中央区
 ■築年数65年以上
 ■住宅仕様2階建て木造住宅
 ■広さ1階:13.5坪/2階:10.5坪
延べ床24坪(約80㎡)
 ■ リフォーム
  内容
  • 1階・2階全体のフルスケルトンリフォーム
  • 外部全面改修
 ■地域東京都中央区

★ ムービー紹介 ★

事例紹介のダイジェスト版フォトムービーも公開させていただいております。 よろしければ是非ご覧ください!

東京新聞に掲載された弊社の記事をご覧くださってお問合せくださいました。



他にも相談していた会社さんはいたのですが、 自分達の要望が伝わっていないと感じていました。 そこへ、新聞の記事を読んで、いいな、と思ったんです。
切り抜きをしばらく取っておいたんですが、ここなら自分の要望を聞いてくれるかもしれないと、 思い切ってお電話をしたんです。



全部変えてしまうのではなく残せるところは残したい。
バリアフリーにしたい。
典型的な日本住宅なので、その事をわかってくれる人に工事をしてもらいたい。
早速、建築士とアドバイザーで、拝見に上がりました。
リフォームアドバイザーの塩谷理枝です。
中央区にあるA様邸は、弊社からもとても近いため、すぐに 建築士とアドバイザーが拝見に上がりました。

建物は、外から見ても右側に傾いており、 中に入ると、玄関の部分には、応急処置で既に補強が行われていました。

お話では、3月11日後に区役所が派遣した工務店が飛んできて、 倒壊しないように、早急に補強をかけたとのことでした。

【建築士より】

拝見したA様邸は今までに見たこと無いようなくらい傾いている状態でした。

A様邸の建物は、以前、呉服問屋さんを営んでおられたこともあり、 正面はお商売ができる広いスペースとなっています。
つまり、壁が無く、強度が低いと言うことです。

その弱い部分に大きな揺れが加わり、結果的に建物が支えきれなくなり、傾いたと考えられました。

お客様がご要望されている「再生」するという工事は、 かなり難しいものになることが予想されました。

まずは、建て替え(新築)リフォーム、両方のプランの叩き台を提案しました

A様邸は築65年、そして傷みもありましたので、再生できたとしても、 新築並み、もしくはそれ以上の大きな費用がかかると思われました。

そこで、今後の事も考え、まずは、建て直し(新築)とリフォームの 両方のプランでお持ちし、お客様の判断を仰ぐことになりました。

ただ新築の場合、現在の基準に合わせようとすると、セットバックの必要が生じる為 今の広さよりも小さくなってしまいます。

そして、現在新築を立てると、今の木造のよさが失われてしまう、とのことで、新築と同じ、もしくはそれ以上の費用がかかったとしても リフォームで進めたい、と、お客様はご決断をなさり、是非お任せしたいとおっしゃってくださいました。

リフォームに決定!そこで、A様の詳しいご要望は...
お客様のご要望は...
やはり耐震が一番

またいつ大きな地震が起こるかわかりません。
ご家族が住みなれた土地でこれからも安心して住まえるように、 安心の建物にするということが、まずは一番大切で、当たり前のことです。


味わいのある雰囲気を壊さずリフォーム

ご夫妻、お母様も、ずっとこのお家で長く暮らされてきました。 そのため、リフォームするとは言え、がらっと雰囲気を変えることはしたくはないとお考えでした。

思い出が沢山詰まっているお家なので、残せるところは残す、 エコリフォームはそういうリフォームをしている実績があるので、 わかってくれるのでは、と思われて、お声をおかけくださったとのことです。


明るい住まいにしたい

立地の都合上、左右に壁に窓をもうける事ができず、採光が見込めません。

今まで、玄関側と、反対側のお勝手側からの光でお暮らしでしたので、 どうしても真ん中のお部屋が暗くなってしまっており、そこを何とか改善されたいとお考えでした。


お風呂を設置したい

65年前のお住まいのため、お風呂は無く、ご家族は銭湯に通われていました。
ご近所の方とのコミュニケーションの場でもあるため楽しく通っておられたとのことですが、 今後の事を考えると、必ず家の中のお風呂が必要になる筈なので、 使いやすいお風呂を設けて欲しい。


家族みんながゆったり集まれる場所が欲しい

お正月やお祭りと言った行事の際は、お子さんご夫婦がお孫さんを連れていらっしゃるというA様邸。 四世代で総勢20人以上も集まるとの事で、以前は「床が抜けるかも!」と心配だったそうです。

今後も、家族皆が楽しく集える場所が欲しいとお考えです。

耐震を第一に考え、構造評点をアップさせ住宅を再生するプランの作成
リフォーム前のA様邸の構造評点は...0.09
ご商売をされていらっしゃった為、お家の1階前面は全て開口部(玄関)となっており、 1階の大部分が壁の少ない大きな空間、2階も壁は少なめという造りになっているA様邸。 (押入れといった建具は壁とは見なされません)

更に、築65年という年月も経過しています。

その状態で、中央区が行った耐震診断で出た構造評点は「0.09」だったそうです。

構造評点は、0.7で、「倒壊の恐れがある」ということですから、 0.1にも満たない数字というのは、これはかなり深刻な数値と言えます。

この数値から、倒壊しないとされる数値の「1.0」まで構造の状態を改善させながらも A様のご要望を叶えるための設計を考える事になりました。
0.09の構造評点を1.0に上げつつ、A様ご家族が一番暮らしやすい住まいに! 昭和の雰囲気を残す、リフォームならではの住まいとなります





壁が少ないのが大きな弱点でしたが、建物を支える耐力壁がバランスよく配され、 更に、65年前のお住まいであることから、今の建物に比べて不十分であった基礎や金物もしっかりと施工されます。最終的に構造評点は安心の1.5まで上昇する計画です。

もちろん、耐震性能が上がっても住みづらい建物になっては困り物ですから、A様ご家族が最も住まい易い間取りであることも大事です。

新しい住まいは、「耐震」「A様のご希望の家作り」が両方とも揃いますよ。



生まれ変わるA様邸のポイントを一つ一つ解説いたします!
今までの生活をガラリと変えなくても良い間取り
キッチンの位置は変更しましたが、 お母様のお部屋、ご夫婦のお部屋階段の位置は大きく変えず、 ずっと暮らされてきた生活を変えず、なおかつ今よりも快適に暮らせる間取りになっています。
オールバリアフリー
以前の階段はかなり急で、 初めて伺った際に、上がるのが怖いくらいでした。

今回のリフォームで緩やかにかけなおします。 必要な箇所に手すりが取り付けられ、床の段差は全てクリアです。
立地の事情により左右に窓が造れない中での採光の工夫
A様邸は立地の都合上、 建物の両サイドに窓を設置する事ができません。
奥行きのある建物だったので、どうしても真ん中のお部屋が暗くなって しまいます。

しかし、今回のリフォームでは耐震性をあげる為、瓦屋根をおろして軽い屋根に葺き替えを行いますので、 その工事にあわせて、「天窓」を設置する計画をしました。

2階の床の一部を透過効果のあるグレーチング仕上にし、天窓から降り注ぐ光を1階まで届かせる計画です。
家全体を風が流れるような工夫
リフォーム前、A様はエアコンを使っていませんでした。 玄関から勝手口に流れる風が涼しくて、必要なかったそうです。

ですから、今回、耐震性をあげる為に壁を増やすとしても、 前から後ろへ抜ける風の流れはさえぎらないように計画しました。

A様邸は東京の中央区ですので、あまり広くは無い前の道も、 昼は沢山の人通りがあります。やはり人目は気になってしまいます そこで、窓を開けていても視線をさえぎってくれて、更に、 防犯面の安全も確保しつつより沢山開口できる「ジャロジー窓」を採用します。

引き違いだと、開く部分が半分になってしまいますが、 ジャロジー窓は、全部が風を取り入れることができます。

更に、熱い空気は上に行きますので、 2階の光とりの天窓を開閉型にし、そこから暖かい空気が抜けるようになります。

玄関から勝手口へと抜ける前後ろの風の通りと、 下から上へ抜ける風の通りで、家の中でも爽やかに過ごすことが出来ます。
今となっては貴重になった、昭和22年当時の雰囲気を出来るだけ残す

担当インテリアコーディネーター、千葉です。

昭和22年に建築されたA様邸には、今の住宅にはもう無い、貴重な和風の意匠が多く残っていました。
どれも、当時の職人さんが丁寧に造られたものたちです。

A様ご自身も、長年大切に暮らしてきたこの住まいの雰囲気をとても大切にされており、 できるだけ残したい、とのご希望を当初からいただいておりました。
中には残すのが難しいものもありますが、再利用できる ものは新しい形で再利用させていただきます。

ご家族みなさんで集える居間
お正月やお盆、お祭りといった折々の節目に、四世代のご家族が大集合されるというA様邸。

新しくリフォームしたお家でも、今までと変わらずに、ご家族が楽しく集える空間にさせて頂きたいと考え、 襖を取るとひと続きの部屋になるような リビングと和室を計画しました。

欲しい箇所に最適な収納を
あまり有効利用されていなかった押入れをなくして、収納するものに合った収納計画です。

例えば、今までお使いだった昔ながらのスタイルの押入れは、お布団などを仕舞うにはぴったりの奥行きですが、 細々したものを仕舞うには奥行きがありすぎて、使い勝手があまりよくありませんでした。

リフォーム後は、使いやすい奥行きの浅い棚を設けたり、仕舞うもののサイズに合わせたピッタリ収納を計画しました。
今回のリフォームでは自治体の助成金を利用するので、その準備も大切な事柄です
A様邸では、今回のリフォームにおいて、お住まいの自治体である中央区の助成金を利用されることを お考えでした。
中央区では、A様邸のようなリフォーム工事を行う場合、300万円の助成を受けることが可能なんです。 これは大きいですね。

でも当然、行政からの助成金ですからそう簡単に受けることはできません。
担当のコーディネーターの千葉が書類などを用意し、何度も区役所に通い、 無事申請を受けられることが決まりました。
そしてリフォーム目前!
お客様は仮住まいへ
今回のリフォームは、およそ3ヶ月ほどの工期をいただくことになります。 全体を大きく変える工事ですから、その間はお住まいになることはできません。

A様には、弊社の方で管理しているマンションの一室を、仮住まいとしてお使いいただくことになりました。

お引越しを前に、お住まいをすっかり片付けてくださり、お引越しとなりました。 ご不便をおかけすることになり恐縮ですが、よろしくお願いいたします!

リフォームが終わると、建築当時のままのこの建物の姿は、大きく変わります。
解体を前にお清めを行います
お清めは、必ずしなければならないという訳ではありませんが、 大きく間取りを変えるリフォームでは、神棚は仏壇の位置も変わりますので、 必ずお清めを行っております。

今までありがとうございました。
これからの工事も、よろしくお願いいたします、との想いをこめて 建物の四隅、水場に、お塩を置き、お酒をかけました。
A様邸のリフォーム工事の様子を紹介します!
ご家族が長年大事にされてきた住宅の再生工事の様子をお伝えいたします。

65年前の建物なので、今の家のような基礎が無いのは仕方がありませんが、 使われている材木は、今見ても見事なもので、当時の大工さんが腕をかけて造ったことが 見て取れるお住まいです。

しかしながら、建物は3.11の被害と経年で見事に傾いてしまっていました。 建物の高さは6メートルほどで、25センチの傾きが生じてしまっていました。

スケルトンリフォームの場合、まずは構造部を残して解体を行い、 そこから補強や間取りの変更を行うのですが、 A様邸の場合、既に大きな傾きが生じているため、いつものようなやり方では 倒壊を引き起こしてしまいます。

まずは傾いた部分を慎重に建て起こしながら補強を行わなくてはなりませんでした。

傾きを矯正するために使用したのは、4tジャッキが2台、2tジャッキ、 2台、爪付き2tジャッキと9尺のパイプサポートそして蝦蛄万が4台。 一瞬たりとも気が抜けない、かなり緊迫した現場となりました。

それでは詳しい工事の様子を、流れに沿ってご紹介いたします。
構造的な弱点も改善いたします
それでは詳しい工事の様子を、流れに沿ってご紹介いたします。
解体する前に・・・まずは屋根を下ろします
スケルトンリフォームをする際は、ある程度の解体が必要になりますが、 解体を行うとやはり建物自体の強度は下がってしまいます。

通常の耐震リフォームでも、強度を補うための仮補強などは よく行っていますが、A様邸の場合は、既に傾きが生じていたため、 仮補強程度では追いつかず、倒壊してしまう恐れがありました。

重い瓦の屋根を下ろすことで建物の頭が軽くなり、 建物全体にかかる負担も軽減されます。

屋根を解体したところ、外側からではわからなかった事が明らかになりました。

今回のA様邸のリフォームでは、屋根に天窓を設置する計画でした。 そこで、瓦屋根を下ろした後、天窓を設置する予定の部分に穴を開けたところ、 何と、屋根の下にもう一つ屋根があったことがわかりました。

実はこちらのお宅、建物のお勝手口側にある台所の部分が、 後から増築した箇所だったそうなのですが、その増築工事の際、 もともとあった屋根は瓦だけ撤去したもののそのまま残し、その上から増築部分と繋がるような新しい屋根をかけたようでした。

増築した際の屋根の繋ぎ目は雨漏りが最も起こりやすい箇所ですから、 工事をした大工さんは、雨漏りの危険性が生じないようにこのような処理をしたのかもしれません。

しかし、今回のリフォームの場合、このままでは天窓になりませんので、 下の屋根は可能な限り解体し、補強をかけ、天窓を設置いたしました。

リフォーム工事は、ここが難しいところです。

今までも、築60年70年のお宅をリフォームしていますが、 建てた大工さんも、後から増築を行った大工さんも皆違いますし、 建物の歩んできた環境やご事情も違います。

ですから、このように解体してみて、発覚する事も少なくありません。

こういった不測の事態の場合、追加料金が発生してしまうことも多々ありますが、 必ずご契約の前に、その可能性についてはよくお話し、ご了承をいただいた上で、 ご契約を結ばせていただいております。

屋根が軽くなったところで・・・いよいよ解体が始まります!
ある程度築年数のたったお宅をリフォームの為に解体する際は、 支えが少なくなるために強度も落ちてきますので、木造の構造を熟知した建築士が付きっきりで、 かなり慎重に作業を行わなければなりません。

写真のように、筋交いの代わりの仮補強をいつもに増して多く取り付けながら 壁や床を撤去します。

仮補強を行っているとはいえ、既に傾きが生じている建物です。 一刻も早く構造の補強を行うべく、素早く丁寧な作業が行われました。
傾き矯正のために
傾きの大きさを常に確認できる「振り子」設置
この際、建物の傾きを確認するための振り子が取り付けられました。
この振り子で角度をチェックしながら、少しづつ傾きを調整するのです。

A様邸は、1階だけでも5センチの傾きが生じていました。
この振り子は、壁から5センチの箇所に吊り下げられていますので、 メモリ10センチの箇所を指していますが、これで5センチの傾きということです。

※建物全体では10センチの傾きがあり、1階を矯正した後、2階も矯正するという手順です。

やはりシロアリ被害が見受けられました。

A様邸は65年前の建物ではありますが、建築当初に、良い施工を行い、そして良い材料が使われていた為、年数のわりには、比較的綺麗な状態でした。 ただ、65年前当時には、今のお住まいのようなベタ基礎というのは無く、 土の上に直接土台が乗った状態でした。

そのせいもあって、やはり、白蟻被害を受け、材木がスカスカになってしまっていた 箇所も、いくつかありました。 私どもが当初、建物を拝見した際に予想していた範囲内の劣化でした。

これから行う補強で、白蟻被害がある箇所は全て交換となります。

建物を引っ張りあげながらの補強工事
いよいよ、建物を引っ張り上げながらの補強が始まります。

スケルトンリフォームにする際は、既に行われている仮補強で支えながら 既存の構造を補強したり、新しい間取り組みを行うのですが、 A様邸の場合、傾きの矯正も行わなくてはなりませんので、 仮補強だけでは不十分です。

更に特殊な機械で家を「ひっぱり上げ」、更に パイプサポートを用いて「支え」ながらの作業となりました。
引っ張る
荷締め機を使って建物を引っ張ります
通常の建築機材ではない「荷締め機」を使って建物を引っ張ります。

荷締め機とは、大型の荷物を安全に運ぶため、荷物を固定する際に ワイヤーなどを軽い力で締めることができる機械です。

A様邸は、弊社にリフォームのご相談を頂いたときには既に、 区が危険と判断して手配してくれた施工業者さんの手によって、玄関に 応急措置の耐震リフォームがされていました。

その際、補強と共に、傾きをストップさせる為の荷締め機も設置してくれていました。

その案をそのまま採用し、同じ荷締め機を合計3台用意し、各箇所に増やして、 チェーンを締めることになりました。

建築士の塩谷と、熟練した大工2人、合計3人かかりで、建物の状態を見ながら 声をかけて少しずつチェーンを締めていきました。

荷締め機を使って締めるたびに、建物がギシギシと音を立てます。 これは、木造の構造と、建物の特徴を熟知していなければ、到底できない技です。
支える
引っ張り上げた状態をパイプサポートで支えながら、補強を行います
支えるための応急措置として、鉄骨ビルなどで、スラブ、 梁などの型枠を支える支柱として使われる「パイプサポート」を使用しました。

このパイプサポート、長さを調節できるのがポイントなんです。

引っ張り上げながら少しづつ補強をして傾きを矯正することで 傾きの角度が小さくなるごとに、パイプの長さも少しづつ調節できるという訳です。
引っ張る支える補強更に引っ張る支える補強...を繰り返します
引っ張り、支えながら補強...という工程を繰り返し、少しづつ傾きを矯正します。
階段荷締め機でギリギリと引っ張っているところです。
引っ張り上げた状態をパイプサポートで支え、このように補強をかけます。

そして、1階の傾きは完全に解消されました!

傾きを引っ張り上げながら、ここまでの補強工事を経て、 A様邸の構造体、1階はついに傾きがゼロとなりました。
写真では「5センチ」の箇所に振り子の先がありますが、これは、振り子自体を、 壁から5センチの箇所に設置しているからです。5センチ-5センチ=ゼロ!という訳です。

ここから更に、基礎を新設し、地震に強い建物になるように設計した新しい間取り組を造ってゆき、 ビクともしない建物に近づけてゆきます。

そして更に、2階も同じように引っ張り上げながら真っ直ぐにし、最終的に全体的な傾きをゼロとするのです。

基礎を形成するための新しい土台を作る
A様邸は65年前の建物であることから、今のお住まいのような基礎が無く、 土の上に直接土台が乗った状態でした。

その影響もあって、土台と、土台に接した柱にシロアリの被害も生じてしまっていました。

今回の工事では、今の建築基準に乗っ取った強固な基礎を形成しますが そのためには、一度、土台全体をやり直さなければなりません。
床束ジャッキで土台を上げる
基礎がまだ無い状態で、土台を設置しますので、 「床束ジャッキ」という器具を要所要所に使い、土台を支えています。

この床束ジャッキは、基礎のコンクリを流し込む際、一緒に埋めてしまうものです。

また、新しい土台には「アンカーボルト」が法律で定められている数、取り付けられています。 このアンカーボルトが、後ほど施工される基礎と土台を強固に連結するために 重要な役割を果たします。

何故、足元の基礎から補強しないの?

一見、構造が浮いているようなこの状態、なんだか不思議ですね。

A様邸のように、構造がのったままの状態で、基礎を補強していくことは、 これまでに何度も経験のある工事です。

新築の住宅工事であれば、まずは基礎から造るのですが、 スケルトンリフォームの場合、上に建物がある状態での工事となりますので、 梁や柱、土台がある程度出来てきてから、基礎の工事を行います。

ましてA様邸の場合は傾きがあったので、上が真っ直ぐにならなければ 基礎のコンクリを流し込むことはできませんでした。

この状態で、どうやってバランスを取っているの?と思われるかもしれませんが、 基礎用の背筋とアンカーボルトが連結され、しっかり支えているんです。 この状態で、下にベタ基礎のコンクリを流し込み、強固な足元を造るのです。

新しい柱や梁の設置
A様邸は、築年数は65年が経過しているにもかかわらず 構造部は比較的良い状態でしたが、やはりシロアリの被害があった部分もあり、 それらは交換を行う必要がありました。
柱の交換方法です。

柱は建物を支える重要な構造の一部ですから、むやみに抜いてしまうと、 建物が一気にバランスを崩し、倒壊してしまう恐れがあります。
その為、柱の交換は慎重に行われます。

まずは、交換する柱がまだある状態で仮の柱を入れ、仮柱で支えながら、痛んだ柱を抜きます。

そして、新たな柱を設置し、しっかりと固定された時点で仮の柱を抜くのです。
床束ジャッキで土台を上げる
柱の足元がジャッキアップ装置で支えられています。
柱の交換の際にジャッキアップを使いますが、A様邸の場合、それだけではなく、 全ての柱をこのように持ち上げる必要がありました。

A様邸では、以前は基礎が無く、構造が直接地面に接してしまっていたのですが、 今回のリフォームで、足元には強固な基礎を新しく形成するため、 構造全体を少し上に上げる必要があるのです。

ジャッキアップ装置が大活躍の現場となりました。
柱が下から支えられています。新しい柱だけでなく、 既存で残す柱も全てこのように持ち上げられました。
これらの柱と、新しい土台がしっかりと連結されました。
上では、新しい梁と柱が連結され、建物を支えます。

新しい基礎の形成
今までは基礎が無い状態だったA様邸。
今後は強固な足元で建物を支えるために、 最新の新築住宅に匹敵する、丈夫な基礎を形成いたします。

上に建物が乗った状態のまま基礎を打つという、リフォームならではの施工を詳しく紹介いたします。
まずは砂利を敷きます
砂利は、地面の振動を吸収してくれる効果があります。 電車の線路が砂利になっているのも、振動を吸収するためなんですよ。
必ず敷かなければならないという訳ではありませんが、 弊社で基礎の打ち直しをする場合は、必ず砂利は敷くようにしております。

更に、防湿シート
木造住宅の場合、床下からの湿気は、建物の劣化を早めます。 その為に、湿気が上に上がってこないように防湿シートを敷きます。
コンクリート自体には防湿の効果は無いため、コンクリートを流し込む前に 敷きます。

パイプサポートが埋まらないように...
傾きを矯正する上で、大事な役割を果たしてくれた パイプサポートですが、コンクリートと一緒に埋まったら大変です。 このように枠で囲ってガード。無事パイプサポートを外した後、こちらにもコンクリを流すのです。

鉄筋をしっかりと配筋
格子状に配され、1本1本しっかりと結束された鉄筋です。
このように、内部に鉄筋がしっかりと配されたコンクリートでなければ、 強度の無いただの塊になってしまい、基礎の意味が無いのです。

13mmの鉄筋です
建築基準法で定められたもの(11mm)より太さのある、13mmの鉄筋を全体にしっかりと配筋します。

鉄筋とアンカーボルトの連結
鉄筋は、土台に設置された全てのアンカーボルトとも、強固に連結されます。

コンクリートを丁寧に流し込みます
ポンプでコンクリを流し込んみながら、丁寧に平らに慣らし、 出来上がったらあとは乾くのを待ちます。

立ち上がり基礎
更に立ち上がりの基礎も形成します、 ベタ基礎が乾いたら、型枠を組みます。 型枠の内部はもちろん、 先日すでに設置済の鉄筋がしっかりと配置されています。

基礎が完成しました!
こうして、先に出来上がっていた土台としっかりアンカーボルトで連結された、 新築に負けない、強固な基礎が出来上がりました。

さらに補強が進みます!
基礎もしっかり出来上がり、更に補強が進みます。

A様邸は、以前、呉服問屋さんを営まれていたため、 1階には建物前面いっぱいの大きな玄関、そして、大広間がありました。 開放的と言えば響きは良いですが、建物の強度を考えると、不安です。

今回の耐震リフォームで、間取りの変更を行い、耐力壁を大幅に増やし、 壁になる部分にはしっかりと筋交いを入れ、結合金物を取り付けます。
工事が進むごとに、建物はどんどん強くなります。
新たな間取り組に合わせ、立派な柱や梁がどんどん施工されていきます。

補強がある程度進んだ時点で、傾きを引っ張る為に使用した「荷締め機」も外されましたが、 もう、引っ張りが無くなっても建物はビクともしません。
木材同士の結合部分は、決められた金物でしっかりと固定されています。そう簡単に抜けることはありません。
耐力壁になる部分には筋交いを。ここは、リフォーム前、 大きな弱点となっていた建物の前面部分です。この耐力壁が建物を支える要素のひとつとなります。
筋交いと梁の接合部分に設置された耐震金物。
今回のリフォームは、自治体の助成金を利用しますので、箇所ごとに写真も丁寧に撮影いたします。
お客様にも、実際に確認いただきながら工事の経過をご報告いたします。

シロアリ対策
白蟻の対策もこの時点でしっかりしておきます。

木材の下半分が少し湿っているのがおわかりになるでしょうか。 身体に害のない「ホウ酸防蟻材」を木材にしみこませているのです。

配線・配管を整える
水道屋さんや電気屋さん、それぞれの分野のプロの職人さんが丁寧に古いものから 新しいものに設置しなおしています。
真新しい管です。
お住まいの血管や神経とも言える配線や配管。老朽化してしまうと、 電気の場合はショート、水道の場合は漏水という危険性が出てきます。

今回のリフォームで、全て新しくし、今後も長く安心してお使いいただけるようにいたしました。

屋根の仕上げ
防水シートの上から、新しい屋根を葺きます。
新しいアスファルトシングルの屋根です。 軽量な上に耐久性のある、今の住宅では最もよく使われている屋根材です。
傾きの生じていた構造の補強が終わるまでは、 少しでも建物の頭は軽い状態のままで工事を行いたかったために、 屋根工事は防水シートを被せたところで小休止していました。

すっかり補強がされ、建物の傾きは直り、更に基礎も打ち終わりましたので、 もう、屋根職人さんも、安心して屋根に上がることが出来ますので、 仕上げ工事を行いました。

2階傾きを強制しつつ、 補強を行います
建物を支える上で最も重要な1階が真っ直ぐになりましたので 今度は2階の傾きも矯正します。

1階と同じく、張力をかけて、段々に傾きを起こしていき、 ほぼ垂直な状態にまで戻すことが出来ました。

ここで引っ張りの力を解いてしまうと、また傾きはじめますので、このまま 時間を掛けて、2階の構造を補強しながら真っ直ぐな状態が保てるよう 施工してまいります。
1階と同じく、荷締め機で引っ張り、建物を起こしながら補強を行います
ギリギリ引っ張ります!1階が既に真っ直ぐになっていますので、 2階は1階よりは起こしやすくなっています。
引っ張った状態で、補強を行っていきます。写真では、筋交いが設置されていますね。
こちら、1階の梁が接している部分ですが、ここはシロアリの被害が上まで上がってきており、 左の写真のように木が脆くなっていました。新しいものに交換し、2階の床組みと結合させました。
耐力壁に構造用合板を張ったところです。この頃になると、既に2階の傾きも解消されており、荷締め機も外されています。

自治体(中央区)による検査
今回の工事では中央区の助成金を利用いたしますので、区の方にも工事の状況を 確認いただく必要があります。

構造の補強がある程度終了したこの時点で、中央区方が検査にみえました。 「ここまで出来ているならもう大丈夫」とのお墨付きをいただきました。

断熱材の施工
最近の住宅では入っていて当たり前の断熱材ですが、 断熱材がまだ無かった頃、50年、60年前のお住まいになりますと、 全く入っていないというお宅も珍しくありません。

夏は涼しく、冬は暖かいお住まいを実現するためにも、 家を守るように、壁、天井、床に断熱材を入れました。

パーフェクトバリア

ペットボトルの再生で作られた、エコで高性能な断熱材です。壁と天井に使用しました。
>>詳しくはこちらで
フクフォームeco
紙とコーンスターチの再生で作られた、こちらもエコで住む人に優しい素材です。床の断熱に使用しました。
>>詳しくはこちらで

防音シートの施工
お隣と建物が近接しているA様邸。

お隣の気配を感じるというのは下町ならではあるのですが、 今回のリフォーム工事では、防音もしっかりと施しました。

お隣に接している部分の壁に防音シートを貼られ、更に断熱材も入りましたので、 以前より格段に外の音を遮断する事ができるようになりました。

外壁も新しく!
お住まい全体のスケルトンリフォームとなったA様邸では、 外壁も古いものは一度撤去させていただき、強さと防火性を兼ね備えた新しい外壁になります。
まず下地材である「ラスカットパネル」を張ります。 耐震性、防火性に優れた素材で、弊社ではいつも採用しているものです。
更に、モルタルの下地を塗ります。左官職人さんが写真のように、 とても綺麗に塗り上げてくれました。 下地が綺麗にできているのといないとでは、最終的な仕上がりに差が出るのです。
最後は、外壁用の塗り壁「ジョリパッド」で仕上げです。 薄いグリーンがかった、とても上品な色合いに仕上がりました。

内装細部の造作
一番大切な、建物の構造が完成し、断熱も入りました。 あとは内部をどんどん造ってゆきます。

大工さんのほか、内装職人さん、左官職人さんと それぞれのプロが丁寧に仕上げます。

ここまで来るとあとは早いですよ!
1階のキッチンとキッチンカウンターが出来上がってきています。
新しい階段が架けられました。 リフォーム前に比べてはるかに緩やかで、バリアフリーなものになりました。
内装職人さん登場!下地ボードの上から、仕上げの壁紙が張られます。
A様邸では、昔ながらの意匠をところどころで残したり、和風の雰囲気を生かす為の内装素材を採用しています。
通常のリフォームとはまったく違った手間をかけた内装工事となりました。
インテリアコーディネーター:千葉容子
枠組みの中に、建築当初からの「欄間」が あるのがおわかりいただけるでしょうか。 解体時に大切に保管し、内装が出来上がる中でこのように改めて設置させていただきました。
こちらの、風情のある飾り窓も、大切に残します。 枠を新しく作り直し、ピッタリに設置できました。
左右は塗り壁なのですが、ここは昔のまま残すことが難しかったので、 左官職人が、新たに塗りなおしています。
こちらは建築当事の建具。 こちらも、微調整をした上で再利用しますので、まずは、アク洗いを行って綺麗にいたします。
和室天井の「竿ぶち」も残します。 一旦取り外した上で、構造補強が終わった後、新しい天井板と共に再び設置されました。
開口部の枠の木部の色が少し濃くなっているのがおわかりいただけるでしょうか。 この色の濃い部分は、建築当事のものです。新しい枠組みと上手く合わせて再利用です。 かなり細かい微調整の必要がありますので、なかなか手間のかかる作業です。
棚の横にある竹の枠飾りも建築当事のもの。 こちらも一旦取り外して保管し、改めて新しいものと組み合わせて設置しました。

和紙壁紙の施工

A様邸では、1階、2階ともに、内装の壁には和紙壁紙を採用しました。

和紙はビニールクロスと違い、突きつけて貼るのではなく、 数ミリ重ねて貼る必要があります。

何故かと言いますと、和紙は自然素材でできているため、夏は湿気を吸って伸び、 冬は乾燥して縮むという特性があり、その為、突きつけて張ると、 つなぎ目部分に隙が生じてしまうことがあるのです。
それを避ける為に数ミリ重ねて貼るのです。

その為、和紙を壁紙貼る作業はかなり難しく、職人さんの腕の見せ所です。。
そしてついに、A様邸の再生リフォーム、完成です!!
リフォーム前の味わいのある雰囲気を活かしながらも性能は新築以上!のお住まいが完成いたしました。A様、ありがとうございました!
図面Before → After
耐震診断による構造評点は...0.09でした

A様はこのお住まいをとても大切にされており、長く大事に、綺麗にお住まいでした。
しかし、65年の家であるため、やはり何より耐震性に問題があり、2011年の震災後は、横方向に傾きが生じ、そのままで住むこと自体に危険が生じていました。

また、立地の都合上、左右に窓を造ることができず、真ん中のスペースが暗いということもお悩みだったそうです。

評点を1.0以上に上げつつご家族が一番暮らしやすい設計!昭和の雰囲気を残した、リフォームならではの住まい!




今までのスタイルを変えないために

現在では、家に入って玄関を抜けたら、リビングがある...というスタイルが人気ですが、 A様邸ではあえてその形は取りませんでした。

もともとA様邸は、家の奥側のお部屋をリビングとして使われており、その形で長く暮らされてきています。

A様のご希望は、「今までの生活スタイルを大きく変えない」という事ですから、 今までとあまり変わらず、奥まっているからこそ、皆様が落ち着ける場所をリビングにしたのです。

そして2階の部屋の配置も、極力リフォーム前と変えず、 今までと同じように暮らしていただけるようにいたしました。

通気性と採光性に注力した住まい

A様ご家族は、今までも極力エアコンを使用することなく、自然の風を屋内に通すことで快適にご生活されていました。

リフォーム後も、そのスタイルでご生活いただけるように、家の中の空気の通りを遮らないように注力しました。

また、建物の立地の都合上、左右に窓を設けることができません。
その為、窓は少なくとも、できるだけ自然光を取り入れることできるように天窓を設置し、さらにそこからの光が1階まで届くように工夫をしています。

耐震性も大幅UP!

A様邸では「建物の手前側に壁が無い」というの大きな弱点でした。

そこを改善するためにも、手前に水周りを配して壁を増やすというのは、有効な手段でもあるのです。

もちろん、建物全体にバランスよく壁を配しますが、特に前面に図のように壁を配することで、避難経路である前面が特に強くなり、何かあったときでも「家の中で避難経路が塞がれることなくすんなりと避難できる」状態にすることができます。

この形でしたら、2階から降りてきて、玄関から素早く出ることもできます。
これは、地震が大変多い昨今の状態を考えますと、とても大切なポイントと言えるでしょう。

貴重な昭和20年代のお住まいの雰囲気を残すために・・・
お住まいのあちこちに、リフォーム前のパーツを再利用

こちらのお宅が建築されたのは、まだ戦後間もない昭和20年代前半のこと。

現在でも当時の面影が色濃く残っており、 お客様は、長年住まわれたこの建物の雰囲気を、とても大切にされていました。

今回のリフォームで、老朽化してしまったところは新しくせざるを得ませんが 可能な箇所は再利用し、貴重な雰囲気を残すことにしました。
新しくなる箇所には、年月を経た味わいのある建物の中でも浮いてしまうことのない、天然の良材を使用

日本家屋の雰囲気にピッタリの和紙の壁紙をお住まい全体に使用します。
木で造られた伝統的な日本家屋です。 リフォーム後も、板の間には天然木の無垢フローリングを使用します。その中でも、国産の質の良い物を選びました。
間仕切りや収納扉の建具も天然の木を使います。写真は桐を使ったクローゼット扉です。
落ち着いた印象のコルク床は、和風の雰囲気にもよく合います。 サラリと爽やかな肌触りで保温性もあるコルクは、裸足で歩く場面が多い日本家屋に向いている素材と言えるでしょう。。
国産のい草を使った安心品質の畳。 最近は安価の輸入物も増えましたが、品質を考えると、私どもではあまりおすすめはできません。
昔は国産畳が当たり前だったのです。
それでは、A様邸完成の様子を拝見させていただきます!
懐かしいけど新しい、和モダンな雰囲気の外観
人の多い賑やかな地域でありながら、どことなく昔の雰囲気も感じられる地域の、 少し奥まった道を歩いていくと、A様邸が見えてきます。

現代風の、ハッとするような華やかな外観ではありませんが、街の雰囲気に溶け込んだ、 上品な印象が目を引きます。
和モダン
リフォーム前とは大きく変わりましたが、 その中でも以前の和の趣を大切にした、和モダンな外観に仕上がりました。 木の格子と、木目調の玄関扉がアクセントです。

外壁は塗り壁仕上げ。淡い抹茶色はとても落ち着いた印象で、 窓や玄関の格子とよく合います。
2階手すりも、お住まいの雰囲気に合わせたオーダーメイド
2階窓のところには、リフォーム前と同じく手すりが取り付けられていますが、さすがに外で長くお使いいただいていたものは再利用はかなわず、 似た形のものを大工さんが丁寧に造作いたしました。

和風の雰囲気にピッタリですね。

手すりの支えに使用した、優美な鉄製の金具は、リフォーム前に、1階の収納棚の棚受に使用されていたものです。

とても状態がよく、今後も十分使えるため、写真のように設置させていただきました。 とても上品な装飾的デザイン、新しくなった外観にもぴったりです。
耐震性も上がりました
リフォーム前は、建物の1階前面が全て玄関となっていました。

かつて。呉服問屋さんを営まれていた時代の名残で、立派な玄関ではありましたが、 地震等で建物に負荷がかかった際には、1階前面に壁が全く無いの大きな弱点になってしまいます。

今回、その1階前面の状態を大きく変えたことで、耐震性のアップに繋がります。

もちろん、玄関だけではなく建物全体の構造を大きく見直していますので 耐震診断で0.09だったA様邸の構造評点は1.5まで上昇しています。


落ち着いた印象の玄関

それでは玄関からお邪魔させていただきます。

木目格子風の玄関引き戸を開けると、中もとても落ち着いた印象の空間となっています。

リフォーム前は、1階の前面が全面、大きな広い玄関となっていました。

呉服の問屋さんを営んでおられた時代の名残なのですが、 玄関が広い=壁が無い、ということなので、耐震性はとても心配な状態であり、 危険であると判断した自治体の建築指導課が、仮補強を入っていたほどでした。

リフォーム後は、横向きの玄関にすることで、建物前面に壁を多く作りながらも、 ゆったりと使える玄関となりました。

バリアフリー

上り下りがしやすいように、低めに作った玄関上がり口

玄関と屋内の段差が少し大きいため、玄関の上がり口は低めに作り、 一気に高いところへ上がらずとも良いようになっています。

再利用

玄関框は、リフォーム前からあったものを再利用

呉服問屋さんの顔である玄関の框として、建築当事から使われていた桧材を再利用しています。

さすが、大変立派な材でしたので、リフォーム後の玄関にも使用することになりました。 木は、表面を磨くとこのように、美しい状態が蘇ります。 それでいて、真新しいものとは違う味わいは、経年した木材ならでは。

上がり口の床に採用した、松の無垢材との相性もぴったりで、高級感のある玄関になりました。

玄関を飾ってくれる「飾り棚」を兼ねた下足入れ
最近は、天井いっぱいまである下足入れ収納が人気ですが、 A様邸では、「玄関には飾りを置きたい」という奥様のご希望があったこと、 A様ご家族も、あまり長さのある靴を履かれない事もあり、 上に余裕を持たせる形の収納棚を造作いたしました。

(※A様邸では構造の都合上、 弊社のリフォームでよく玄関に設置させていただいている 「ニッチ」を採用することができませんでした。)



早速、解体の際に大切に保管していた、 A様邸建築当初からの「鬼瓦」を飾られました。
玄関は家の顔ですから、このように思い思いのものを飾ることで、住む方のカラーが出て素敵ですね。

下足入れの下には、靴が1足入る程度のスペースを空けました。 普段履いている靴をさっと仕舞えるようにわざと浮かしたものです。
玄関を入ってすぐの箇所には天井までいっぱいの鏡付き収納を
下足入れは天井までの高さでお造りしていませんが 玄関を入って正面するの箇所に、大きな収納を作りつけました。

玄関周りのものや、季節によって履かない靴などをこちらに便利にしまえます。

鏡も付いていますので、お出かけの前に身支度のチェックもできますよ。
傘がしまえる高さを考えています
こちらの収納、下を広く取っていますが、これは「コンパクトな玄関なので、 極力物を置きたくない」という奥様のご要望による、かさたてが入るよう設計になっているからなんです。

扉には耐震ラッチを
耐震ラッチとは、地震の揺れを感知すると自動でロックがかかり、しばらく後になると自動にロックが解除されるという、地震国の日本人が開発したとても便利で優れた収納扉用の器具です。

こちらは、避難経路である玄関向かうルートにある収納なので、 万が一、地震の際に中の物が雪崩れて来ないように、この耐震ラッチも完備されています。
玄関のジャロジー窓~奥の勝手口の間を風が通り抜けます
通気性抜群、目隠しにもなってくれる「ジャロジー窓」
ジャロジー窓は通常の窓と違い、 窓ガラスがブラインドのようになっており、角度を 変えることで、外からの視線と風の量を調節できる タイプの窓です。

通常の引き違い窓ですと 全開しても窓の半分の量しか風は通りませんが、 このジャロジー窓は、窓全面で通風ができます。

また、人が通れるような大きな開口部もできませんし、 更に外側には窓格子も設置されていますので、窓を開けていても、防犯性は落ちません。



そして、このジャロジー窓は、建物全体の通風にも大きな役割を担ってくれている窓なのです。

図面のように、窓のの逆側には網戸つきの勝手口があり、そちらも開けることで、 建物全体を一気に風が通ると言うわけです。

Point A様ご家族の今までの生活スタイルを変えないために
A様は、今までもエアコンをほとんど使用せず、自然の風を通してご生活をなさっていました。
リフォーム後も、そのスタイルを変えなくても良いように、風通しはかなり注力したポイントなんです。

建物の前側は廊下水周り収納が配されています
実用性耐震性を考えた間取りです

玄関から居間に抜ける廊下にそって、水周りと収納スペースが配置されました。

Point
耐震性の大幅アップ+お客様の生活スタイルを考えた設計なのです
A様邸では、水周りのスペースを建物の前側に配置いたしました。

この前側のスペースは、リフォームする前、以前お商売をされていた名残でとても広い和室となっておりました。
そのため壁がほとんど無く、それが建物の強度を落とる大きな要因の一つになっていました。 その要因を改善するためにも、細かく仕切るための壁を沢山造れる水周りを、 建物の前側に持ってきたのです。

構造的なことだけではなく、A様ご家族はリフォーム前も、 建物の後ろ半分のお部屋を居間とキッチンにしており、前側はほとんどお使いになっていませんでした。

今までのスタイルを崩さないことを考えると、今まで使用されていなかった位置に 水周りを新設するのがベストであったと言えます。

Point
行き来しやすい廊下にするための工夫
地震に強い建物にする為に、壁を厚くせざるを得なかったため、 通路が以前より若干狭くなってしまいました。少しでも出っ張りが少なくなるよう、 収納扉の取手は掘り込みタイプを採用し、邪魔にならないようにしています。

また、トイレの入り口には引き戸を、洗面室の入り口は、 アコーディオンカーテンを設置しました。

開き扉ですと、廊下を塞いでしまったり、ご家族が廊下にいるのに 内側から気がつかず開けてしまってぶつかる・・・なんて事も起こりえます。

横にスライドさせて開く引き戸やアコーディオンカーテンだったら、廊下のスペースに全く干渉しません。

自然素材
夏やサラリとして冬は暖かく、水漏れにも強いコルクの床
床に使用しているのは、自然のコルクを焼き固めて造った「コルクタイル」です。 コルクは、ワインの栓などにも使われているように、水濡れに強い素材ですから水周りの床に最適です。

更に、夏はサラリとして冬はほんのり暖かく、肌触りがとても気持ちが良いのも特徴。 何かと裸足で歩き回る事が多い日本の家に適した素材なのです。

水周り設備は全て新設です
お風呂と洗面室を新設!
A様邸の今回のリフォームではお風呂と洗面脱衣室が新設されました。

A様邸が建築された65年前当時は、一つ一つのお宅にお風呂はありませんでした。

後から増築されたお宅も多い中、A様ご家族は、近くにある銭湯を楽しく利用されており、 今まで屋内のお風呂を必要とはしていませんでした。

しかし、今後、年齢を重ねられることを考えると、やはりお風呂は必要になるとお考えだったそうです。

採用されたのは、ホーロー浴槽パネルを使っておりお掃除がしやすいと人気の タカラスタンダードさんのシステムバス。ゆったりとした広めのお風呂です。

手すりもついていますので、安心です。
水漏れにも強いコルク板
お風呂と合わせて新設した洗面脱衣室。 床には水濡れに強いコルクタイルを採用しました。
トイレも新しく!

階段下のスペースを利用する形でトイレを設置しました。
手すりも取り付けられています。

奥には、繋がりのある3つの空間、キッチンリビング和室

Point A様ご家族の今までの生活スタイルを変えないために
廊下を抜けると、キッチン、その向こうにリビング、そして和室が配されたA様邸。

人通りの多い道路に面していない、奥まった静かな方を好まれているA様は、 リフォーム前も、手前のお部屋は使っておられなかったとのことでした。

A様のご希望は、「生活スタイルを大きく変えない」という事ですから、 今までとあまり変わらず、奥まっているからこそ落ち着ける場所を、リビング、そして 静かに寛ぐことができる和室にとしました。

キッチンは、以前は一番奥にありましたが、奥様の家事動線を考え、リフォーム後は建物中央に配置しています。
日当たりが悪くなってしまうため、2階の天窓の明かりを利用できるようにユニークな工夫がされています。

窓は無くとも、アイディアで日当たり良く!

A様邸では、立地の都合上、建物の左右に窓を設置することができないため、 こちらキッチンスペースは窓がありません。

でもこちらのキッチン、天井に窓があり、明るい光が入って来ているのが おわかりいただけるでしょうか。

この真上の2階天井には、「天窓」が設置されているのです。

そしてそこから注ぐ光を、1階にも届かせるためのものが、この写真の半透明の天井という訳です。
家事動線を考え、キッチンは1階の真ん中に。

これからの奥様の家事がとっても楽に♪
明るく、動線が大きく改善されたキッチンスペースが実現です!


リフォーム前は、キッチンが一番奥、北側にありました。
昔のお住まいだと、キッチンは北側に配置されることが多かったのです。
綺麗にお使いでしたが、キッチンが一番端っこにありますと、 奥様がお住まいの中を行ったり来たりしなければなりません。

リフォーム後は、水周り、リビング、双方に行きやすい真ん中を キッチンスペースといたしました。

キッチンは壁に向いたタイプを採用。リフォーム前から、 この形のキッチンをお使いだった奥様にとってはこの形が一番落ち着くスタイルです。 そのスタイルは崩さないまま、使いやすいキッチン、そして収納やカウンターを併設することで、 機能的な奥様のお城が出来上がりました。
便利なカウンター&収納

キッチン背面に便利なキッチンカウンターを設けました。
カウンターがあると、お料理中には、食器を置いたり、出来たものを仮り置きしたりと 便利にお使いできます。

カウンターの下は便利な収納棚です。
暮らし方や、季節によってしまうものが変わってくるキッチン周りの収納は 棚板の高さが自由に変えられるようになっていて、どんな時でも柔軟に対応できるようになっています。

奥にはカウンターと一体となった天井までの大きな収納棚が設置されています。 食器が沢山収納できますよ。

尚、天井までの高さで食器を入れる箇所なので、こちらも、もしものときのための「耐震ラッチ」付きです。

再利用!
建築当時からの板を再利用した床下収納!
キッチンの足元には床下収納も設けました。 ここで使用した板は、建築当時からの床下収納で使用していたものを磨き、防水コーティングをした上で再利用したものです。

床下収納自体の位置は、リフォーム前とは変わっていますが、 板のサイズなど微調整し、ピッタリとはまりました。

少し切り込みを入れて、持ち上げられるようにしている形は、昔の床下収納ならではですね。

タカラスタンダードさんのホーローキッチン
弊社では最も採用させていただくことの多い、 タカラスタンダードさんのキッチンです。タカラさんの特徴といえば、何を置いても「ホーロー」です。

ホーローの鍋や食器をお持ちの方はご存知かと思いますが、 ホーローは汚れが落ちやすく長持ちするというすばらしい長所があります。

そのホーローがキッチンになっていますので、とにかくお手入れのしやすさではピカイチ! 油汚れも、焦げ付きも、サッとお掃除できちゃいますよ。

奥様も、このお手入れのしやすさを気に入られ、採用が決定しました。 シンプルな白いキッチン、この落ち着いた空間にとてもマッチしています。

実際にお暮らしになってから拝見させていただきましたが、 奥様がお好みで籠やボックスをそろえられ、 棚の高さも使いやすいようカスタマイズされていました。

「キッチンに立っていても振り向けば、殆どのものがこちらに収納されているから とっても便利」とのお話です。ありがとうございます。
自由にスタイルが変えられる2部屋の団欒スペース

Pointシーンによって柔軟に使うことができるお部屋なんです!

お盆やお正月、お彼岸といった季節の折々に、ご親族様が集まることがよくあるというA様邸。

その際は、キッチンと繋がったリビングと、その奥の和室の間の引き戸をいっぱいに開けることで、 オープンに使うことが出来ます。屋内の段差が全くありませんから、一続きの大きな空間のようになります。

また、こちらのお部屋は、ご親戚の方がお泊りになる際のお部屋にもなる予定です。

寝室として使われる際には、間仕切りを閉じればプライベートにお使いいただけます。
一番落ち着ける場所に、くつろぎの空間



リフォーム前、こちらにはキッチンがありましたが、 家の奥まった場所で、一番落ち着ける位置であることから、 ご家族がテレビを見ながらのんびりできるような和室を配しました。

大切なお仏壇や神棚も、こちらに設置されます。
自然素材 日本の家にぴったりの良質天然素材の空間

A様邸では、使用する材に特にこだわり、自然素材、それも国産のものにこだわりました。

壁紙は手漉きの和紙、畳ももちろん国産ですし、 この和室をはじめ、全ての板の間で使われている無垢フローリングの部分も、国産の杉から作られたものです。

お仏壇を置かれる部分のみ褐色の和紙を張り、建築当時のパーツも再利用することで、 とても上品なアクセントとなり、格調高い印象の空間に仕上がりました。
再利用!
竹の床柱は建築当時のものを使いました
こちらは、お仏壇を置かれる場所です。

風情のある竹の床柱が印象的ですが、こちらは以前、和室の床の間の装飾として使われていたパーツの 再利用です。

解体した際に、大事に取り外して保管しておき、新たに、こちらの場所に設置されました。

壁もこの部分だけ薄い褐色のものを張りましたが、相性ぴったりです。
◀床柱と壁紙の繋ぎ目に注目!

細かいポイントですが、注目したいのは床柱と壁紙とのつなぎ目です。
クロスの職人さんが、床柱のカーブに合わせて丁寧にカットしているんです。 このような箇所に職人技が出るんですね。

上には神棚も設置しています。

便利に使えるアイディア収納スペース
こちらの和室には収納スペースを多く設けました。


注目なのは、こちらの背の高い収納です。
扉を開けると、棚板が少し引っ込んだ形に設置されていますのがおわかりいただけるでしょうか。

これは、丈の長いほうきやはたきなどをしまう際に棚が邪魔にならないようにという工夫です。

奥の棚には細かいものをしまえますし、手前には毎日使うお掃除道具を立てかけておくことができるという訳です。
構造上「抜けない柱」を利用し壁に造りつけの棚を

こちら、壁に直接造りつけた便利な棚。

何故ここを棚にしたかと言いますと、 図面、色の付いている部分の柱が、構造上重要な部分のため、抜くことが出来なかったからなのです。

このような棚があらかじめ設置されていれば、収納棚を後から購入しなくとも良いですし、一石二鳥です。

玄関のジャロジー窓から入った風が通り抜けるお勝手口

こちらの和室に設置された、裏に出れるお勝手口。
このお勝手口、カギをかけたままで窓を上げ下げすることで、網戸にすることができるのです。

こちらを網戸にしておき、更に玄関のジャロジー窓も開けることで 気持ちの良い風が屋内を通り抜けます。

A様ご家族は今までも、極力エアコンを使用することなく、自然の風を屋内に通して お暮らしになっていましたので、そのスタイルを崩さないようにと、 空気の通りを妨げないような設計になっているんです。

更に、建物全体に断熱を行っていますので、リフォーム前に比べて、外気の影響も受けづらくなっており、 エアコンをあまり使わない暮らしでも、快適さアップしています!
点検穴が目立たない工夫
こちら、床下の状態を確認するための点検穴です。

必要なものではありますが、それがあまり目に付いても、気になってしまいますよね。

そこで、点検穴の蓋に注目してみてください。
この蓋は、周りのフローリングの木目に合わせて作られているので 目立つことがありません。
急勾配だった階段が、とてもゆるやかで登りやすく!

こちら、二階へ上がる階段です。
リフォーム前は、昔の家ならではの、かなり急勾配の階段でした。

昔は、居室のスペースを広く取るために、階段は狭くされがちでした。 階段が狭いと、必然的に勾配は急になってしまいます。

しかし、やはり階段が急勾配というのは屋内事故の可能性が高くなり危険です。 今回のリフォームで、踏面(段の幅)広めで、蹴上(段の高さ)も低め、 段数は13段と、かなりゆるやかで上りやすい階段となりました。

その分スペースはとりますが、階段下に収納やトイレを配置することで 空きスペースを有効に使っています。
お召し物がひっかからないタイプの「角丸」手すり
勾配は緩やかになった上に、手すりも取り付けられています。

こちら、手すりの始まりと終わりに工夫があります。
A様のお母様は、普段でもピシッと着物を着ていらっしゃいますが でっぱりがあると、裾がひっかかりがちになってしまいます。

そこでこのように丸い角にすることで、引っかかりを防ぐようになっているのです。

和モダン照明
階段の照明は、電球を交換する時に危険が伴うもの 階段の照明をLEDにし、10年間は電球の交換が必要のない物をお選びしました。

全体的が和の雰囲気なA様邸。 その雰囲気を壊さないよう、LEDの最新の照明器具でなおかつ強化和紙の照明器具を お選びしました。


天然木の優しい足触り
階段の段板も、自然の素材を使用しています。
こちらは天然木である無垢の集成材です。

仕上げも、コーティングしてしまわない、自然オイル塗装ですから、自然の木の良さを十分生かした仕上がりになっています。

夏はサラッとして、冬でもひんやりとしませんよ。
一年中快適に過ごしていただけます。

2階も拝見させていただきます!

2階はご家族の寝室やホビースペースとなるフロアです。
2階では、リフォーム後も今までの間取りをあえて変えてはいません。

A様ご家族は、リフォーム前も、2階は寝室としてお使いでした。 そしてご家族のご要望は、スタイルを変えない、ということ。

ご高齢のお母様も、ご自分だけの個室となる寝室をとても大切にされており、 あまり変化を加えることを望まれていませんでした。

ですから、リフォームをした後も、そのスタイルとお部屋の位置は大きく変わってはいません。

そして、A様邸の2階は特に、建築当時のものを残した箇所が数多くあります。
スタイルを変えず、雰囲気もできるだけ残すことで、 長年住み慣れたお住まいの感覚をそのままに今後もお暮らしいただける空間となりました。


間取りはあまり変わらないまま、 傷みのあった構造や内装を新しくし、残せるところは残しています。

板の間や畳は残念ながら交換せざるを得ませんでしたが、 新しく使う物も、良質の素材にこだわり、落ち着いた雰囲気に仕上がっています。

天窓からの光あふれる2階ホビースペース


階段を上がると最初に目に入るこのオープンで明るい空間。

こちらは、奥様が本を読んだり、書き物をされるためのホビースペースです。

リフォーム前は、窓が無く暗いお部屋となっていましたが、 新たに天窓が設置され、とても明るい爽やかなスペースとなりました。
天窓(トップライト)
このスペースで目を引くのはやはり天窓です。
A様邸では、建物の立地上の都合で、建物の左右に窓を設けることが出来ません。

そこで、今回のリフォームで屋根の葺き替え行うにあたり、合わせて天窓を設け、 採光することにしたのでした。

リフォーム前に比べると見違えるほどに明るいスペースになりましたね。

実際にお住まいになってからのお客様のお話では、夜も天窓からの月明かりで、 おトイレに行く際もあまり電灯をつけなくて良いそうですよ。
Point 天窓の明るさが1階でも共有できるようになっています!

A様邸ではこの2階の明るさを、 同じように左右に窓が無い1階でも共有できるようになっているのが大きな特徴です。
床に半透明の板が嵌め込まれ、明るさが1階まで届くのです。

光を通す半透明の床。和紙風のものを選んでいます。

この板は、ポリカーボネートという半透明の板で、ガラスより強度があります。 和紙風のものを選びましたので、このお住まいの雰囲気にぴったりです。

この真下は、キッチンスペースとなりますが、奥様「明るいので、昼間なら 電気要らずです」とのことです。

天窓設置についてのご注意
リフォームで天窓を設けられる際は、十分な注意が必要です。
まず、屋根に穴を開けて手を入れるので、いい加減な業者に頼んでしまうと 雨漏りの原因になってしまうことがあります。
なるべくなら、屋根の葺き替え時に行うのが無難です。

また、天井から光が入ってくるのはとても明るくて良いのですが、 その分、熱も入ってきます。

屋根の断熱をしっかり行い、取り付ける天窓にも断熱効果のあるものを選ばなければ お部屋の暑さの原因となってしまいます。
大容量収納クローゼット


壁一面に、お洋服を沢山収納できるクローゼットを造作しました。

開けると、クローゼットなので当然パイプが設置されていますが、これも奥様とご相談しながら決定したものです。

ロングコートやワンピースはこのくらい、ジャケットはこのくらい・・・等々 収納される予定の物のスペースの割合を細かく打合せて設置した、ベストバランスのものなんです。
自然素材
「桐たんす」でお馴染みの桐で出来たクローゼット
クローゼットの扉と、内部の化粧板に使用したのは、天然木の「桐」です。
桐といえば箪笥を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

桐は虫が付きにくく、調湿性に優れ、重さも軽量という特徴があり、 その為に、昔から箪笥の造作に多く使われてきたのです。

その桐を贅沢に使用した、こちらのクローゼットなんです。
桐は軽いので開閉も本当にラクラクですよ。
リフォーム前の面影を一番色濃く残すお母様の寝室

こちらの4.5畳の和室は、
お母様の寝室となるスペースです。
Point長年住み慣れたお部屋ですから、印象はできる限り変えずに
リフォーム前、どのようなお住まいにされたいかお伺いしたところ、
「私はここがあればいいのよ」とおっしゃったお母様。

長年大切に使ってきたお部屋に対する想いのようなものを感じました。

そこで、リフォームを経たとしても、出来るだけ前のものを残すことで お部屋の印象を変えないようにいたしました。
再利用!
欄間(らんま)
建築当時の欄間です。
欄間とは、天井板と鴨居の間の空間、そしてそこを装飾する板のことを言います。

この欄間、解体の際に一度取り外してアク洗いを行い、 リフォーム前とあまり変わらないような位置に再設置しました。
リフォーム前と同じように、味わいのある影を作ってくれています。

欄間は、このように、影を楽しむ為のものでもあるんです。
再利用!
雪見障子(ゆきみしょうじ)
雪見障子とは、上半分と下半分に分かれていて、 更に下が、障子とガラスの2枚重ねになっている障子のことです。

下の障子を上げ下げすることで、全面を障子にできたり、 半分だけをガラスにすることができます。

冬、雪が降る日に下半分をガラスにし、雪が積もるのを眺めたのでしょうか。 とても風情がありますね。

こういった粋な建具も今となっては貴重なものになっているのですが、 立替やリフォームの際に、破棄されてしまう事も多いのです。

A様邸では、この雪見障子も再利用です。
再利用するにあたっては、新しくなった枠にぴったり嵌めるための微調整が必要です。

丁寧に削ってサイズを調整し、再び取り付けられました。
再利用! 古い柱や建具のレールも出来る限り残しました

木は、長持ちしないと思われる方が多いかもしれませんが、 雨漏り等でシロアリに侵食されない限り、大変長持ちする建材です。
日本が誇る世界最古の木造建築「法隆寺」は1400年も前の建築物です!

A様邸は、建築当時に使われた木材が大変質の良いものであったこと、 そして、大切に手入れをしながら暮らしていらっしゃったこともあり、 まだまだ使える立派な材が残っていました。

そういった経年した材には、今の住宅にはない味わいがあります。
今回のA様邸のリフォームは、建築当時からの意匠を出来る限り残していますので、 建築当時の柱や、建具の枠も、何とか残せるところは残すことにしました。

残すのは取り替えるより難しい!こんな加工も行っているのです。
A様邸では、リフォーム前に傾きが生じていたのを真っ直ぐにしたため、 柱の高さにズレが生じてしまいました。

※詳しくは工事の様子で解説しています。

そこで、同じ木材を使って、ズレの分を少しだけ継ぎ足し、微調整。 柱を撤去することなく、上手く生かすことができました。

こちらも、以前の柱では微妙に足りなかったので、このように微調整。

そして再利用の建具を設置すると、しっくりはまります。
新しい木材でも悪くは無い仕上がりになったかと思われますが、 建具と同じく経年した木材を合わせると、より映えます。
再利用! 床の間の装飾

リフォーム前、床の間を飾ってくれていた細工の部分もこのように残しました。
こちらも一度取り外して、再度設置しています。
再利用!
本物の桜の枝を使用した貴重な「竿縁天井」を再利用
竿縁とは、写真の天井の、木で出来た黒い竿のような装飾のことです。
この竿で、板を押さえて施工するという、伝統的な和室の天井のスタイルを「竿縁天井」と呼びます。

近年は、桜の木の皮を巻いて形成するものが多くなりましたが、本来は、本物の枝を使用していました。
A様邸の竿縁は、その、本物の枝を使用した竿縁であり、今となっては大変貴重なものでした。

写真の竿縁は、リフォーム前は1階の和室で使用されていたものです。 今回のリフォームで、そちらの1階の和室は無くしてしまった為、 この貴重な竿縁の部分だけ取り外して残しておき、2階のこちらのお母様のお部屋で、 再度活躍してもらうことになりました。
ご夫妻の寝室である和室も、長年のスタイルを崩しません


こちらも、長年のスタイルを崩さないために、 リフォーム前とほぼ同じ配置にし、以前と同じように和室としました。
再利用! 奥様お気に入りの風情ある飾り窓
こちらのお部屋で目を引くのは、小さな障子が付いているこの飾り窓です。

リフォーム前から、この階段との境の壁に設置されていたものです。
現在の住宅では、こういった風情のある造作はなかなかお目にかかることはありません。

貴重なものなので、破棄してしまうのは大変惜しく、再利用することになりました。

解体の際、一度取り外して保管して洗浄を行い、障子紙も張替え、また元の場所に戻しました。

壁自体は新しくなっていますので、新たにこの室内窓用の枠を設け、 窓左右の塗り壁も改めて塗り直しました。

リフォーム後の奥様のお気に入りポイントだそうです。
耐震性能を上げるために窓のサイズを変更。でも「天窓」の効果で、明るさ確保!
こちらのお部屋の南側の窓は、以前は全面が窓になっていました。
明るさは確保できますが、一面が全部、開口部になってしまっているという状態は、 不安がありました。

そこを改善するため今回のリフォームで、耐力壁を造ったため、窓が縮小されてしまいましたが、 同時に、お隣のホビースペースに天窓を設けておりますので、その明るさを共有できることになり、 暗くなるという心配はありません。
風情のある手すり
外壁の紹介の箇所でも触れましたが、こちら2階の窓の外の手すりを新しくされました。

以前も風情ある木の手すりでしたが、窓のサイズが変わること、そして、 手すり自体も傷んできていた為、惜しいですが新しく交換することになったのです。

でも、新しい手すりも以前のものに似せて、造作しましたよ。

おうちの顔である外壁正面の、目立つ箇所に設置されたこの手すり。外から見てもとても素敵です。

残した部分と新しい部分が上手く融合した空間
A様邸の2階は特に、新しいものと、昔からのものが上手く融合した空間となりました。

これが、同じリフォームでも、ピカピカに仕上げたお住まいとなってしまうと 残した部分がやたら浮いてしまうという事態になりかねません。

でも、A様邸は、新しくする箇所も落ち着いた和テイストでまとめ、 使用する素材も、質の良い自然素材の木材や和紙を使用していますので、 残した部分が浮かず、上手く融合した空間が実現したのです。
ベランダ側は窓の位置を高くする
こちら、2階ベランダ側の窓です。

今回、この窓の高さを拡張いたしました。
構造的に可能であったことから、今までより40cmほど高い位置から設置し直しています。 窓が高い位置から設置されたことで、太陽の光が建物の内部まで届くようになりました。

ゆったりと広いトイレ洗濯機置き場&ベランダ
夜間の階段の上り降りは負担ですから、 寝室のある2階にもトイレがあると、安心です。

A様邸はもともと2階にも和式のトイレがありました。

今回のリフォームで洋式にするご希望でしたが、 従来の場所ではスペースがとても狭く、洋式のトイレを設置すると とても使いづらいスペースとなってしまいます。

そこで、今回のリフォームで位置を変更することにしました。

トイレは、以前あまり使用されていなかった収納スペースがあった箇所に移動。
そして、トイレのあった箇所には、洗濯機置き場を設置いたします。 以前は屋内に洗濯機置き場が無かったので、奥様大助かりです!
Point2階に洗濯機置き場があれば、濡れた洗濯物を持って階段を上がる負担がありません


A様邸では、洗濯機置き場を2階に配置いたしました。

洗面室から離れたところに??と思ってしまうかもしれませんが、 A様邸は、都心に建つお住まいのため、お庭が無く、 洗濯物は2階のベランダに干されます。

もし洗濯機が1階にあった場合、濡れて重くなった洗濯物を抱えて階段を上らなければなりません。 であれば、乾いていて軽い状態である方が負担は少なくなるのです。
A様、ありがとうございました!ご家族の想いが詰まった大切お住まいをお任せくださったことに感謝いたします。 これからも末永くよろしくお願いいたします。

ありがとうございました!

【リフォームアドバイザー・塩谷理枝より】
A様には、お問合せから、お打合せ、工事、完成と長い間、 大変お世話になり心から感謝いたしております。

仮住まいをしていただいたことや、お打合せなどにお時間を頂戴し、 ご家族のご負担も大きかったことと思います。
その中でも沢山のお心遣いをいただき、そして沢山の事を教えていただいたように感じております。
本当の意味で『豊な暮らし、丁寧な暮らし』とは何かいう事をA様から学ばせていただいたように思います。

素晴しいご縁をいただきましたことに感謝すると共にこれからも、このご縁を大切にさせていただきます。
ありがとうございました。

【インテリアコーディネーター・千葉容子より】
A様ご家族は、本当に家を大切にされていました。
お話をしている中でも、その想いが沢山伝わってきましたので、 今の雰囲気を壊さずに、さらに生かせるようご提案させて いただきました。

お暮らしぶりを拝見していると、本当の豊かさというものは、 最新の物が沢山ある暮らしではなく、A様ご家族のような暮らし方のことを言うのだなあと感じ、 教えていただくことが沢山ありました。

お打ち合わせで毎週お会いしていたので、お引き渡しの日は何だか寂しい気持ちになって しまったことを覚えています。 A様とご縁をいただきましたこと、心から感謝申し上げます。

これからも、お付き合い頂きますようお願い致します。

【一級建築士・塩谷敏雄より】
中央区という、商業地域にありながら、こちらのお住まいは、 昔ながらの東京の面影を残す貴重な建物で、お客様ご自身のお住まいへの想いも強い建物でした。

かなり厳しい状態で、困難が予想されましたが、それでもリフォームを決断したからには、 必ずご満足いただけるようにしなければと覚悟しての着工でした。

6メートルで25センチの傾斜が生じてしまっていた建物は、私の今までの経験の中でも、 かなり難しい工事となりましたが、 何人もの職方さんたち、そしてコーディネーターの千葉に助けてもらい、 建築当時の職人の仕事を今に伝えるような仕上がりとすることができました。

何よりもお客様に喜んでいただくことができて、本当に良かったと思っています。 ありがとうございました。
耐震助成金の申請について詳しくご紹介します
担当コーディネーターの千葉です。
今回プランさせて頂いたA様邸の耐震補強計画は 中央区の耐震助成金対象の補強工事でした。
その為、区役所に申請書類を作成し、提出しました。

その期によって、区から出る補助金の額は異なりますが、 300万円の耐震補強助成金の対象工事となりました。
A様がお住まいの「東京都中央区」の耐震助成金について

A様がお住まいの東京都中央区による耐震助成金を利用します
耐震助成金は、
・昭和56年以前の建物であること、また、
・中央区に存在する建物であること
という条件を満たせば、申請を行う事が出来ます。

中央区では、2種類の耐震助成があります。
①耐震補強工事の助成 耐震工事にかかる費用の1/2 上限300万
②簡易補強工事の助成 耐震工事にかかる費用の1/2 上限150万
①の耐震補強工事は、建物全体の耐震性を高める工事 ※国が定める基準まで耐震性能を向上させる工事のことです。 具体できには、『構造評点』というものがありまして、少し難しい言葉ですが、 この『構造評点』を1階2階とも1.0以上に上げる工事です。

②の簡易補強工事は一部屋でも耐震性を高める工事 ※国が定める基準まではいかなくても現在より耐震性能が向上する工事のことです。

A様邸は、建物全体を改修する工事であり、 0.09の構造評点を1.0まで上げる計画です。 簡単な工事ではありませんが、不可能ではありません。

そのため、①の300万円の助成を申請することになりました。
耐震助成金取得の流れ
耐震助成金の流れを図にすると、このようになります。
自治体からお金をいただく訳ですから、条件さえ満たせば取得できる訳ではなく、 このような段階を踏む必要があります。
書類一式を揃えて、区役所へ提出
現在のA様邸の耐震診断の書類と、 これから行う予定の計画をまとめた書類を揃え、区役所に提出いたしました。

これは工事の契約をする前に申請しなければならない書類なので、 この時点では、A様とは正式なご契約はまだ結んでおりません。

今回、区役所に提出された書類は、区の中では審査されません。 区の方から、別の第三者機関に提出してからチェックを行うのです。

そのため、申請の承諾が出るまでに1ヵ月半の期間を要しました。
このように、助成金は結構時間がかかりますので、早めに準備が必要なのです
今回のA様邸の助成金申請も、申請から承諾までには1ヵ月半の期間がかかっています。
しかも、耐震助成金の申請の場合、承諾が出る前には、 工事契約を行ってはいけないという決まりがあります。

契約を行っていないと、私ども業者としても、資材や人手の手配が出来ませんので、 承諾が出るまでは、しばらく待たされることとなります。

そのことで、お客様のご予定よりも工事の時期がずれ込んで住まう可能性も充分ありますので、 助成金をお考えの方は、早め早めの準備が必要になってくるんです。

助成金の決定通知が届き、正式な工事のご契約となります。
決定通知の到着
耐震工事の申請を行ってから約1ヶ月半後、決定通知が届きました。 決定通知は、お施主様にハガキで届きます。

正式なリフォーム工事のご契約
決定通知が到着して、はじめてリフォーム工事の正式なご契約となります。
区が助成金の承諾をしてくれる前に契約をしてしまうと、 助成金を受けることができなくなってしまうからです。

リフォームの耐震工事は、解体してみて、予想できない構造の劣化等が 見つかった場合、追加の費用が発生してしまう事を、お客様にご説明のうえ、 ご契約を頂きました。ありがとうございます。

着工前の写真撮影
手配や発注、A様ご自身は仮住まいへの引越しをなさり、いよいよ着工ですが その前に、今回の工事で耐震補強を施していく箇所の撮影を行います。
助成金を受けるために必要な「耐震補強完了報告書」には、 区役所に提出した、耐震補強計画に沿った、

★補強前
★補強中
★補強後


の写真が必要だからなんです。

普段から工事の記録や写真はしっかりと取っておりますが、 今回はいつもに増して丁寧な、正式な資料として提出する事を前提とした記録写真を、 ポイントポイントで撮影しいたしました。

耐震補強工事
区役所に提出した計画に基づいた補強工事を行います。
合わせて、建物を実際に解体することで初めて明らかになった問題点も、改善いたします。

区による中間検査
工事中は、区の担当の方が、いらっしゃって、 筋交いや耐震金物が設置された状態の検査を行います。

壁を閉じてしまうと、補強したかどうかの確認ができませんので、その前に 提出した図面通りに補強してあるかどうか、細かくチェックするのです。

建物が上に乗った状態での基礎の補強、壁の補強後の様子を区の担当の方に確認頂き、 「これだけ丈夫にしっかりと補強をかけているのであれば問題ないです」 とのお墨付きを頂きました。

補強工事完了時点で写真撮影
リフォーム工事自体はまだまだ進行中ですが、補強の工事の区切りがついた時点で、 提出用の丁寧な写真撮影を行います。

リフォーム工事完成・区による完了検査
工事が完了した状態で、再度、区の担当者が確認に来られ、確認を行いました。

報告書の提出
A様邸の工事が完成しました!完成した時点で、最後の報告書を提出しなければなりません。
担当のコーディネーターである私、千葉が資料を作成し、提出いたしました。

完了報告書の内容は以下のようなものになります。

【1】最終の耐震補強後の耐震診断書

【2】補強箇所の写真と報告書
A様邸では基礎・壁・梁・屋根を補強しましたので、
それぞれの補強前・補強中・完成の写真を提出

【3】区指定の完了報告書の書類


完了報告書の書類をまとめるとファイル一冊分ほどの量になります。

そして、A様邸の耐震改修の助成金300万円が下りることが正式に決定いたしました。 お客様には、完成と同時の嬉しいお知らせとなり、大変お喜びです!
無事、耐震助成金が交付されました!