TOP > リフォーム事例 > スケルトンリフォーム > 築90年の長屋住宅。設計の妙が光る7坪リフォーム!:工事の様子

長屋のスケルトンリフォーム!3ヶ月に渡った工事の様子をご紹介します!

このページでは、I様邸のリフォーム工事の様子をお伝えいたします。

90年前のお住まいを、現代の家のレベルまで上げるまでの過程や、長屋だからこそ必要だったことなど、織り交ぜながら紹介します。

I様邸と似たようなご事情を抱えたお住まいの方のご参考になれば幸いです。

着工&解体です!

着工前の様子です。解体が始まってしまう前に、思い出のあるお住まいの姿をしっかりと写真に納めました。

いよいよリフォーム着工です。壁や天井、床がどんどん剥がされてゆきます。

90年前の建物ということで、現代のような基礎はありません。こちら、これからの工事で新しく打設することとなります。

立派な梁が現れました。こちらは建築当時からのものだと思われます。年月を経て、深い色合いに変わってきていますが、立派で、まだまだ使えるものです。これは、再利用することになります。

この部分の梁はお隣と共有しているものです。このような箇所があるのも、長屋ならではですね。 こちらも抜く訳にはいきませんので、そのまま使用します。

こちら三階。増築したので、もともとあった屋根の名残が残っていました。


解体してわかる問題点もあります。例えばこちらの柱は、梁や桁と繋がっておらず、これでは柱の役割を果たしていませんでした。

また、こちら玄関周りはシロアリの被害が見られました。このようなダメージを受けた箇所は、交換することとなります。

こちら外。I様邸は住宅が密集している地域にあり、ご近隣にご迷惑がかかる為、足場にホコリ対策の為のシートを使用しました。

現代の基準に合わせた、強い基礎の新設を行います!

昔の家の足元は、今のような基礎ではなく、沓石と呼ばれるものの上に柱を乗せていました。I様邸では長い年月の間に土がかなり入り込んでしまっていたようで、沓石が埋まってきてしまっていました。この状態から、現代の家のレベルの基礎を施工し、足元の強度を上げます。

まずは基礎を打設するため、防湿シートを敷き、その上に鉄筋を配します。

近年の住宅に見られるコンクリートの基礎の中には、このような鉄筋が骨のように入っており、そう簡単に割れたりはしないようになっているのです。 鉄筋の太さや配する際の間隔は、建築基準法でちゃんと決まっており、その通りに施工しています。

コンクリートを流し込みます。素早く丁寧に、平らにならしてゆきます。

夏の現場でしたので1日ほどで乾いてしまいました。

土台です。黒い材は、もともとのものを活かした箇所、白い部分は新しくした箇所です。しっかりと柱と繋がり、家の足元を支えます。

柱や梁、筋交いの補強を行い、建物を支えます

基礎工事をしながらも、補強も進められます。
こちら、構造と構造の結合部に、今までは無かった金物が取り付けられています。 昔の建物では無かった「耐震金物」です。
こちら、構造と構造の結合部が地震の衝撃などで抜けてしまうことを防ぐものです。

こちらは、柱と土台を固定する金物。
度重なる地震を経て、こういった、有効な補強金具がどんどん開発されてきており、木材の傷みが無い状態であれば、既存のものに設置することで強度が上がります。

こちら「羽子板ボルト」という金物で、「レンコン」のような形になっている金物と結合して取り付けられています。
羽子板ボルトとは、桁と梁を結合する為のもので、そこにレンコン金物を結合することで、外壁に穴をあけることなく取り付ける事ができる、というものです。
長屋のような、外壁工事ができない建物でよく使用されるものです。

こちらは、建物の隅角部にかかる力に対抗するための「火打ち金物」です。床と天井の隅に取り付けられました。

こちらは新しく入れた筋交いです。
筋交いは地震の際の水平力に抵抗し、建物の倒壊や変形を防いでくれる重要な部材です。筋交いと柱が離れてしまうことを防ぐために、耐震補強金物も取り付けています。

こちらは既存の柱に、新規の柱を噛ませて補強を行った箇所です。
可能な箇所は柱の交換を行ったのですが、こちらは、むやみに撤去すると、一気にバランスが崩れる恐れのある柱なので、抜くことができません。
こういった柱で補強が必要な場合は、このように新しい柱を噛ませる場合があります。

こちらは1階天井の今までは梁が無かった箇所なのですが、2階にトイレと洗濯機置き場を新設することになった為、支えになる梁が必要になり、新しく梁が追加されています。
水周り設備は、結構な重さがあります。この太い梁がしっかりと支えます。

屋内、かなりしっかりしてきました!補強の様子は、I様にもしっかりとご確認いただきました。

夏の暑さや冬の寒さを解消する断熱の工事!

断熱材施工前の様子です。今までは断熱材が全く入っていなかった為、I様は「冬はしんしんと寒いんです」とおっしゃっていました。
今回のリフォームで、床、壁、天井に断熱施工をします。断熱をすることで、家の中が外気の影響を受けにくくなりますので、空調が非常に効きやすくなり、過ごしやすい家になるのです。 冬の寒さ、そして夏の暑さも軽減です。

こちらの、綿布団のような断熱材は「パーフェクトバリア」。ペットボトルを再生して造られたフワフワの断熱材で、湿気を含みにくい為、年月が経っても長持ちする優秀素材です。こちらを天井と壁に使用します。
>>パーフェクトバリアについて

こちら、銀色のシートは、ラミパックという遮熱材です。
I様邸は長屋で、お隣と共有した壁面に張るのは、パーフェクトバリアのような綿のような断熱材は厚みがありすぎるので、こちらを断熱材の代用として使用することとしました。
これでも、外気の影響を受けない効果をもたせることが出来ますよ。
>>ラミパックについて

パーフェクトバリアとラミパックで、まさに「包み込まれた」ようになった屋内。今後は、1年を通して過ごしやすくなりますよ。

昔ながらの木造の家にお住まいの方は、1階で床下から上がってくる冷気にお悩みの方が非常に多くいらっしゃいますが、その冷気をシャットアウトしてくれる、床専用の断熱材を施工しました。

壁を共有する長屋の場合は必須!の遮熱材

東側はお隣と壁を隔てて繋がり、西側は壁は共有していないものの、ほとんど隙間無く建っているため、やはり、毎日の生活音が聞こえてしまいやすく、気になってしまうところです。
そこで、使用したのがこちらの遮音シート。こちら、上で紹介しました遮音材の上に施工します。 これ一枚で、普段の生活音をかなりシャットアウトしてくれます。

こちらは、水道管に巻きつける形で施工した遮音材です。
水を流す音が聞こえにくくなり、夜遅い時間も気を遣わなくてすみます。

適した箇所に張ることで「面で支える」壁が出来る構造用合板

上項でご紹介した、遮音材の上から、大工さんが何やら厚い板を施工しています。こちらの板は「構造用合板」です。

構造用合板は、基準法で定められた厚さと強度を持つ合板で、これを張ることで耐力壁の強度を持たせることが出来ます。 長屋の場合、左右に窓が無いので、この「構造用合板」を左右の面いっぱいに張ることが可能で、かなりの強さを持たせることが出来ます。こちらは、長屋ならではの利点と言えるかもしれません。

建築基準法で決められた強度を満たしたことを表すJASマークです。
>>構造用合板について

軽量で丈夫な屋根へ葺き替え。通気性&暑さ防止の効果も!

以前一度新しくしたというトタン屋根ですが、傷みが目立っていましたので、この機会に葺き替えです。
写真は既存の屋根を撤去しているところです。

下地に使われていた黒色の断熱・遮音シートは、まだ使用できるものなので、そのまま活かし、その上から断熱性能を高めるため断熱材「バウビオ」を施工しました。

バウビオの上には野地板と呼ばれる下地材を貼っていきます。

そして通気が出来る防水シート「イーストルーフ通気メタル」を施工しました。 このイーストルーフ通気メタルは、通気を確保することで、野地面のカビの発生を抑え腐れにくくしてくれます。
このことは屋根の長寿命化にもつながります。 また、通気することで熱がこもりにくくなるので、小屋裏の温度を低減できます。

軒先には、「イーストルーフ通気メタル」とセットになっている給気のための部材をはめています。

仕上げはガルバリウム鋼板の屋根としました。メタリックなものがお好きなI様のお好みです。ガルバリウムは金属なので、断熱と防音をしっかりやっておかないと後が大変な素材ですが、バウビオ、イーストルーフ通気メタルと強力に断熱していますので、安心です。

こちらは、2階屋根です。I様邸は35年ほど前に3階に小さなお部屋を増築されていますので、2階と3階にそれぞれ屋根があるのです。
こちらも3階屋根と同じように、遮熱の処理を行いますが、3階と違うのは、天窓を設ける点です。
天窓設置は、ご覧のように屋根に穴を開ける工事になりますので、屋根の葺き替えなど、全体に手を入れ工事をする際に併せてやってしまうのがおすすめです。

電気・水道の設備も全て新しく!

構造の工事と平行して、電気の配線や、水道設備の工事も進みます。

大工さん、電気屋さん、水道屋さん、ガス屋さん、など様々な職人さんが出入りし、 皆で協力しながら1つの建物を造り上げてゆきます。

在来工法のお風呂を設置する

I様邸は、スペースに限りがあるお住まいのため、お風呂の形状が変則的なものになります。そのため、既製品のユニットバスが入らず、現場で大工さんが造る在来工法のお風呂にすることになりました。
こちら、水道屋さんが給排水管を整えているところです。

こちらは浴槽になります。タカラスタンダードさんのホーロー浴槽を選ばれました。タカラさんのキッチンではおなじみのホーロー。お風呂に使っても、非常に高い保温力を発揮してくれる優秀素材です。
在来工法ですので、追い炊きのための穴を大工さんが空けているところです。
浴槽の周りの黄色いボコボコしたものは、浴槽の断熱材です。

お風呂周りで一番怖いのは水漏れです。防湿シートを隙間無く張ります。

そしてこちら、「デラクリート」と呼ばれるセメント板を貼ります。
デラクリートは防火性、耐水性、耐久性に優れた下地材で、これがタイルの下地となります。

更にタイルも張られました。大判のおしゃれなタイルですね。さきほどの浴槽も設置されています。

床も、今風の大判タイルが貼られ、完成間近!

内部造作・内装工事が進みます

基礎工事や耐震補強や断熱、新しい間取り組みといった、ベースになる工事が終わると、内部の造作がどんどん出来上がってゆきます。 こちらは無垢のフローリングが張られたところ。
無垢は季節によって収縮する素材なので、収縮しても大丈夫なように、ほんの少しだけ隙間を作る為に、紙を挟みながら貼っているんです。

もちろん階段も架け替え。ゆるやかな勾配の、安全性の高い階段になりました。

収納造作の様子です。I様のご希望のひとつが、家具をあまり置かない住まいにしたいというものでした。各所に、仕舞うものをしっかり計画した収納を造作し、今後は市販の家具を購入しなくても良くなります。

大工さんが造作する傍らでは、キッチンの設置も進んでいます。

クロス(オガファーザー)の下地ボードが張られました。ボードとボードの張り合わせ部分にに少しだけ凹凸が出来てしまうのですが、そのまま上にクロスを張ると凹凸がわかってしまい、綺麗ではありません。そのため、写真のようにパテを使い、凹凸を埋める作業を行います。

クロスが貼られました。

家の外側も新築のように!

I様邸は、下半分と裏の壁面をモルタル仕上げにする予定です。 モルタルは、まず下地、そして仕上げという2工程が必要です。

そして下地は必ず「二度塗り」を行います。仕上げをしてしまうと見えなくなる下地ですが、そこを丁寧に行うか行わないかで、最終的な美しさが違ってくるんです。左写真(←)が下地が終わったところです。

そして最終的に、右写真(→)のような美しい仕上がりになりました。

「セラスキン」と呼ばれる、陶器の骨材が入った吹き付け材です。






完成の様子をこちらで詳しくご紹介させていただいております!


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