リフォーム前は千葉県にお住まいだったN様。
ご両親から譲り受けた文京区のお家をリフォームして、東京でご夫婦の新生活を始めたいとご相談いただきました。
ご夫婦お二人が、安心快適に暮らせる家を目指して、リフォーム計画のスタートです。
ハウスデータ
築年数 | 42年 |
床面積 | 1階47m2・2階40m2 |
構造 | 木造2階建て住宅 |
内容 | 1階・2階のフルスケルトンリフォーム |
地域 | 東京都文京区 |
文京区 エリア情報
N様邸は下町の魅力あふれる谷根千(谷中・根津・千駄木)からほど近い、閑静な住宅街にあります。
「文京」の名の通り、東京大学、お茶の水女子大学をはじめとした教育機関が多い文京区。順天堂大学病院や東京医科歯科大学病院など大きな病院も近く、安心して暮らせる街です。
現地調査・ご要望のヒアリング
現地調査
まずは現地調査です。
現在の建物の状態は、プラン作成にも大きく関わってきます。敷地の形状や周囲の道路も、リフォームをする際の制約になることがあるため、しっかり調査させていただきます。
リフォームを予定されている文京区のお宅は、築40年の建物ですが、大事に住まわれていた様子が感じられます。
周囲を調査した結果、敷地に特殊な傾斜があることがわかりました。
以前は洋裁店を営まれていたということで、道路のある南側に面した玄関スペースが通常より広いのが特徴です。
また、玄関までの階段が急なうえ、室内にも段差がありました。
お部屋の明るさや収納の量を確認しました。
塀までの距離や柱の太さを測ってチェック。
ご要望のヒアリング
作成したプランをご覧いただきながら、N様ご夫婦のご要望を詳しくうかがいました。
ご夫婦それぞれのご要望を実現できるように手直しして、プラン完成に近づけていきます。
N様ご夫婦のご要望
1安心して暮らせる家
- 段差をなくしてバリアフリー化したい。
- 玄関の他に、もう一つの避難経路として勝手口を設けたい。
- キッチンはコンパクトで動きやすいものがいい。
- 階段はゆるやかにする。
- もちろん耐震もしっかりと。
2家族がそれぞれ快適に過ごせる家
- 窓の配置を工夫して、風通しをよくしたい。
- 食後などはご夫婦別々に過ごすことも多いので、それぞれの部屋がほしい。
- 息子さんご家族や娘さんご家族が帰省したとき、泊まれるようにしたい。
3南向きスペースの有効活用
- 一番明るい南側に、家族が集まるリビングダイニングを設けたい。
- リビングに階段からの光を取り込みたい。
- 窓の位置は変えずに部屋の明るさを保ち、収納は窓がない方向に配置したい。
- 広い玄関スペースを有効に活用したい。
リフォームプラン決定
リフォームプラン 1F
お庭の緑が映える広々とした空間で、ゆったりとお過ごしいただけます。
- キッチン
- キッチンは位置を変え、お庭を眺めながら料理ができる対面式に。IHクッキングヒーターで安全性もアップしました。
- 水まわり
- 水まわりは北側に集めて配置。施錠したまま通風できる勝手口から、キッチンへ風が抜けていきます。
- リビング・ダイニング
- お庭に面したリビング・ダイニングには、高い窓から自然の光がさんさんと入ります。床にはカバ桜の無垢フローリングを採用。
- 階段
- 今まで急だった階段はゆるやかに。中ほどに設けた窓から光と風を取り込みます。
- 玄関
- 玄関の位置を変えることで、道路から玄関までの上りがゆるやかに。間仕切りがないので、明るさと広がりを感じられます。
- 書斎
- 玄関だった明るいスペースは書斎に大変身!日差しが降り注ぐ窓に向かってカウンターを造りつけます。
リフォーム前の1階はこのようになっていました。
洋室と和室の間に仕切りがあり、南からの光が部屋の奥まで届きにくくなっています。
キッチンもやや暗く、北側にあるお風呂は寒かったとのこと。
リフォームプラン 2F
寝室として、第2のリビングとして、フレキシブルに使えます。
- 和室
- モダンな内装の和室には、北側と西側に窓を設けました。寝室としても書斎としても使える落ち着いたお部屋です。
- 納戸・トイレ
- 3畳分の広さがある納戸には、季節物などを収納してスッキリと。2階のトイレは寝室から近いので夜も安心です。
- 洋室
- 大きな収納のある洋室には光と風がたっぷり届きます。普段は扉を開けて開放的に。お休みになる時は扉を閉め、寝室として使えます。
- 第2のリビング
- 階段の吹き抜けにつながる、明るく開放的な空間です。
第2のリビングとしてくつろいだり、家事をしたり。息子さん・娘さんご家族を迎えるお部屋にもなる、多目的スペースです。
2階の間取りはこのようになっていました。
ベランダに通じる明るいスペースが階段室になっており、少しもったいない感じです。
和室の窓からはあまり採光が期待できないため、こちらも暗い印象でした。
住宅模型でよりわかりやすく
N様邸は大規模なスケルトンリフォームでしたので、完成の姿をイメージしやすいよう、住宅模型を製作することになりました。
一部の外壁を除いて真っ白な住宅模型です。敷地に高低差があることもわかりやすいですね。N様にもわかりやすいと好評でした。
※住宅模型は住宅白模型屋テコさんに製作していただいたものです。 住宅白模型屋テコ
耐震・断熱プラン
耐震補強計画
リフォーム前の評点は約0.26。「一応倒壊しない」とされる評点1.0を大きく下回っていました。
窓や扉などの開口部は、壁と異なり、地震に耐える力がほとんどありません。特に建物の南側は窓が大きく取られていたこともあり、弱い状態でした。
そこで外壁に耐震金具の取り付けなどの補強を行い、1・2階あわせて20本以上の柱を追加する工事計画で、評点1.8を達成。
「倒壊しない」とされる評点1.5を上回り、地震に強い家に生まれ変わります!
N様ご夫婦のご要望に合わせてご提案したプランですが、このプランを実現するには数々の柱の撤去、梁の補強が必要でした。
実際に工事をしてみると、想定したプランと現場の状況が異なることもあります。梁を架け替える際も、現場で大工と相談しながら、無理がなく十分な補強となるように施工しました。
これまで数々のリフォームを手がけてきた経験があるからこそ、現場の状況に合わせて臨機応変な対応ができると自負しています。
施工責任者/一級建築士 塩谷敏雄
屋根の葺き替え
屋根瓦を下ろし、軽量なアスファルトシングルに吹き替えます。屋根を軽くすることで揺れに強くなり、耐震性能が向上します。
また、二重屋根構造にして、屋根の内部に空気の通り道を設けます。夏の太陽に熱せられた空気や湿気が抜けていくことで、遮熱・断熱効果が高まるのです。
リフォーム後も安心してお暮らしいただけるよう、あわせて屋根下地の点検と補修も行います。
アスファルトシングルについて
断熱計画
天井・壁にはパーフェクトバリアを採用。
ペットボトルから再生されたエコな断熱材で、長期に渡って高い断熱性を発揮します。
パーフェクトバリアについて
1階床下の冷気はフクフォームecoでシャットアウト。
こちらも古紙などから再生されたエコな床用断熱材。
長持ちするうえ、CO2削減にも貢献します。
フクフォームecoについて
玄関ドア・窓サッシはペアガラス(複層ガラス)に交換します。
ペアガラスは断熱効果が高いため冷暖房効率が良くなるほか、結露対策にもなります。
ペアガラスについて
この後、いくつかの小さな変更を経て、リフォームプラン決定となりました。
N様ご夫婦も、お決めいただくことがたくさんあり、お時間がかかったことと思います。
ありがとうございました!
リフォーム工事:解体・基礎工事・補強工事
家に残されていた物をきれいに片づけていただき、いよいよN様邸スケルトンリフォームの工事が始まります!
まずは、建物を解体して基礎を造りなおし、補強工事を行います。
解体
工事のために撤去する玄関前の木。建築士の塩谷がお清めをして、伐採しました。
解体工事が始まりました。大工が丁寧に解体していきます。
1階にはしっかりした太い梁がかかっていました。
2階は光がたっぷりの明るいスペースです。
2階の階段を上がったところ。きれいに組まれた屋根裏と柱、梁が見えています。
屋根裏に幣串を発見
解体して現れたのが「幣串(へいぐし)」。棟上式の後に家内安全を祈念して屋根裏に納められるものです。
40年以上もこの家を守ってきてくれたんですね。
基礎工事
土の上に、湿気を遮るための防湿シートを敷き詰め、鉄筋を並べていきます。
並べた鉄筋を一定間隔でつなぎ、配筋が完了です。
配筋の上に、ポンプで生コンを流し込みます。
流し込んだ生コンをならして、基礎が綺麗に仕上がりました。
シロアリ被害が見つかりました
お風呂の壁や玄関の柱、土台の一部などにシロアリ被害が見つかりました。
シロアリ被害のあった部分は強度がほとんど無いので、交換または補強する必要があります。玄関部分は柱の入れ替えを行い、新築同様の状態に。
体に害のない薬液でしっかり防蟻処理も行いましたので、ご安心ください。
補強工事
柱を抜く部分に梁をかけ、別の柱で支えられるように補強します。
梁と柱をしっかりつなぐのが「レンコン金物」。リフォーム専用の金物です。
かなり丈夫になってきましたよ。
柱や梁が「あらわし」となります
木造住宅で、柱や梁が見える状態で仕上げることを「あらわし」と言います。
N様邸でも柱や梁があらわしとなるため、補強の柱と梁の配置計画には特に気を配りました。
1階には、地震の横揺れに強い「火打ち金物」を設置。
1階床は置き床工法。冷気が上がらないよう、断熱材を貼ってあります。
基礎と断熱材の間を風が通るので、湿気がたまりません。
2階の床下地も劣化していたので、交換して新しくしました。
リフォーム工事:屋根・外壁・ベランダ
屋根や外壁など、建物外側の工事の様子をご紹介します。
屋根工事
リフォーム前はセメント瓦でした。こちらは降ろしていきます。
既存の防水紙も撤去して、新しい防水紙を貼りなおします。
防水紙の上に空気層を作り、下地材を貼っていきます。
アスファルトシングルの屋根材を貼って仕上げます。
屋根の上についているのが棟換気口。空気の通り道になります。
外壁工事
補強した箇所の外壁はこんな感じ。ほとんど新築のようです。
お隣と近い方の外壁には下塗り材を塗ります。狭い場所で慎重に作業します。
外壁が仕上がりました。一部を淡い黄色にしてアクセントにしています。
こちらの面は塗り壁に。すごくいい雰囲気になりました。
雨どいは金属製なので、劣化して割れることはありません。
ベランダ工事
かなり劣化していたベランダにも補強を加え、透湿・防水シートを貼ります。
ベランダを上から見たところ。床の下地も新しくして、防水加工します。
ベランダ壁面です。透湿・防水シートの上に耐水性の下地を貼っています。
下地ができたら、外壁と同じ塗料で塗装します。
壁の上には笠木(かさぎ)を設置。N様邸にぴったり合わせて造りました。
リフォーム工事:断熱・内装工事
室内の断熱工事の様子と、仕上げに向けた内装工事のご紹介です。
内部ができてくると、完成形が見えてきて楽しみですね。
断熱工事
壁の間に断熱材(パーフェクトバリア)を貼っていきます。
断熱材をしっかり貼ってから、構造用合板で壁を閉じました。
天井にも断熱材を貼っていきます。
1階の天井に断熱材が入りました。ふかふかの布団みたいですね。
2階の壁・天井もしっかり断熱。部屋全体が断熱材でくるまれているイメージです。
1F内装工事
床は無垢のカバ桜です。夏場は無垢材が膨張するので、間に紙を挟んでいます。
あらわしになる柱を綺麗に磨いているところです。
キッチンのカウンターを造っていきます。
キッチンの背面収納まで完成しました。
階段下の収納も造っていきます。右側は格子になる部分です。
玄関の収納と、書斎スペースのカウンターもできました。
書斎のカウンターには蜜蝋ワックスを
書斎のカウンターはパインの集成材で造りました。
オイルを染み込ませてしっとりとさせた後、蜜蝋ワックスを塗ります。
オイルもワックスも自然な素材のため天然木との相性がよく、何より手触りがツルツルになるのです。
ワックスを塗ると汚れがつきにくい効果もありますよ。
2F内装工事
2階洋室にある、あらわしの梁。お部屋に馴染むように塗装します。
第2のリビングもできてきました。収納とお仏壇のスペースです。
畳が入る前の和室の様子。窓から柔らかな光が射しこみます。
クロスを貼る準備中。石膏ボードの表面を平らにならしていきます。
クロスもきれいに貼れました。こちらは天然素材のクロス、オガファーザーです。
床にはオイルを塗って完成。とっても綺麗な木目です。
階段に巾木をつけます
階段部分につける巾木(はばき)。14段ある踏み板の左右に、1枚1枚ぴったりにして収めます。
それほど目につくところではありませんが、細かな細工が必要な箇所です。
リフォーム中のご対応
ショールームへご一緒したり、工事の進捗をご確認いただいたり、追加で決めることがあったり。リフォーム工事中は、N様ご家族に何度もご足労いただき、ありがとうございました!
ご対応時の様子を少しだけご紹介いたします。
コーディネーターが同行してショールームへ
ユニットバスを決めるためTOTOへ。ミニチュアサンプルで色を選べます。
「エアインシャワー」を体感。使い心地そのままで35%節水とは驚きですね。
キッチンを選ぶためLIXILへ。キッチン収納も格段に使いやすくなりますよ。
収納の高さを実際に見てチェック中。
IHの機能やシンクの大きさなどもご確認いただきました。
お打ち合わせの様子
建築士の塩谷が解体後の建物の状態をご説明しています。
こちらは補強の様子をご説明しているところ。
見えなくなる前に、中の様子をしっかりご確認いただきます。
外壁やタイルの色なども決めていただきました。
内装もできてきたところで、収納をご確認いただいています。
電気もついて完成間近です!
お客様ブログも活用
工事の経過やお打ち合わせの様子は、N様専用のお客様ブログ(パスワード制)でご報告しています。
解体前の様子をご紹介した記事には、海外在住の息子さんからも
「小さい頃からの思い出が沢山詰まった家ですので、本当に胸が一杯になっています」
とコメントをいただきました。海外からも見守っていただけるとは心強いですね。
N様も、ちょっとした疑問や感想などをお気軽にコメントくださって、大いに活用されていました。ご活用いただき、どうもありがとうございます。
文京区のお家をリフォームして、東京での新生活を始めるN様ご夫婦。
お二人で安心快適に暮らせる家が完成しました!
1階の様子
まずは1階の様子を順にご紹介いたします。
1階は玄関から水まわりまで、ずっとバリアフリーになっています。ご主人様待望の書斎スペースも魅力的!
お庭の緑が映える広々としたリビング・ダイニングで、ご夫婦お二人、ゆったりとお過ごしいただけます。
玄関 ~明るさと広がりを感じて~
玄関は位置を変えて、以前より少しコンパクトになりました。
とは言え、余計な間仕切りがないので、明るさと広がりは十分に感じられます。
造り付けの玄関収納は大容量。息子さん・娘さんご家族が帰省された際も便利にお使いいただけます。
あると安心なタモ材の手すりが、玄関のナチュラルな雰囲気に合っていますね。
玄関収納はオーダーメイドです
収納は、設置する位置や収納したい物に合わせて、オーダーメイドでお造りします。こちらの玄関収納には傘をかけるスペースを設けました。
書斎 ~ご主人様の特等席~
ご主人様が希望されていた、日差しが降り注ぐ明るい書斎です。蜜蝋ワックスを塗ったカウンターはツルツルの手触りで、ゆったりリラックスできる空間になりました。
書斎でPCをお使いになれるよう、コンセントも十分に設置してあります。
玄関横のスペースなので、来客時など、使う時だけ引き出せるハンガーフックも便利ですね。
BEFORE
この明るい空間は、ちょっともったいないほど広めの玄関でした。
階段 ~光と風を取り込み、安全に~
ゆるやかになった階段は壁際に移動。
安全に上り下りできるようになりました。
階段中ほどの窓と、階段下の上げ下げの窓から、光と風を取り込むことができます。
リビング・ダイニング ~無垢が映える明るい空間~
壁紙はオガファーザーを採用
オガファーザーは紙と木のチップからできた自然素材の壁紙で、静電気を防止し、調湿機能があるのが特徴です。無塗装で仕上げましたが、天然塗料デュブロンで好きな色に塗り替えることも可能ですよ。
オガファーザーについて
デュブロンについて
お庭に面したリビング・ダイニングには、高い窓から自然の光がさんさんと入ります。
天井の梁はあえて見せる仕様(あらわし)にして、天井までの高さを確保。お部屋がより広く感じられます。
床にはカバ桜の無垢フローリングを採用。無垢フローリングは、一度暖まると冷めにくい蓄熱効果、湿度を一定に保つ調湿効果の2つを併せ持っています。
階段との間には格子を造作。半透明の扉は国産杉の建具です。外からの光を遮らない、明るいリビングになりました。
BEFORE
洋室と和室が仕切られていたために光が届きにくく、少し暗い印象でした。
キッチン ~お庭を眺めながらお料理!~
玄関からバリアフリーです
敷地が複雑な斜面になっていることもあり、以前は室内にも段差があったN様邸。リフォームを機に、玄関からリビング、キッチン、水まわりまで、段差をなくしてバリアフリーにしました。
室内でつまずいて転ぶ危険もなく、これから年を重ねても、安全にお暮らしいただけます。
キッチンは位置を変え、対面式になりました。リビング越しにお庭を眺めながらお料理ができます。
お隣との距離が近いため、大きな窓は設けませんでしたが、縦長の窓を採用。ここからさわやかな風と光が入ります。
IHクッキングヒーターを採用して安全性もアップ。キッチンの収納に加えて、背面には造りつけの収納も設置しました。食品のストックなどもたくさんしまえますね。
BEFORE
東側の壁沿いにあったキッチン。広さはありますが収納が少なめでした。
水まわり ~あたたかく、お手入れ簡単に~
通風も考えられています
水まわりやキッチンに湿気がこもってしまうことがないよう、家全体の通風も考えられています。
施錠したまま通風できる勝手口から、洗面室、キッチンを通ってリビング、玄関まで風が抜けていきます。
北側に配置したお風呂ですが、TOTOの魔法瓶浴槽でお湯も冷めにくく、お手入れも簡単に。トイレも最新式の節水タイプになりました。汚れがつきにくい機能もついています。
洗面室とトイレの床はコルクタイル。保温性が高いので、素足でも冷たさを感じません。
以前はなかった洗面室もできました。大容量のオープン棚にたくさん収納できますよ。
トイレのドアは折れるタイプ。通路をふさがないので、コンパクトな水まわりにぴったりです。
BEFORE
トイレもお風呂も味わいのあるタイル貼りでしたが、特に冬場は寒かったそうです。
2階の様子
続いて2階の様子をご紹介いたします。
自由におくつろぎいただける、ご夫婦それぞれのお部屋。第2のリビングは、状況に合わせて扉を明けたり閉じたり、フレキシブルに使えます。明るいベランダや大きな納戸など、機能面も充実している2階です。
和室 ~ご主人様のお部屋~
白い壁でモダンな内装の和室は、ご主人様のお部屋です。
北側と西側の窓から柔らかな光が差し込む、明るく落ち着いた空間となりました。
お布団がしまえる大きな収納もついています。夜は畳の上でゆっくりお休みいただけますよ。
BEFORE
以前は洋室でした。光は入るものの、濃い色の壁で暗く見えます。
洋室 ~奥様のお部屋~
洋室は奥様のお部屋。天井を高くするため、断熱や照明計画に気を遣いましたが、光と風がたっぷり届く開放的な空間になりました。
こちらも1Fリビング同様、既存の梁を塗装して見せる状態(あらわし)にしました。白い壁に梁が映えて、インテリアのアクセントになっています。
収納には、お洋服やお客様用の寝具をたっぷりしまえますよ。
BEFORE
窓が大きく明るいお部屋でしたが、収納がありませんでした。
第2のリビング ~明るく開放的な多目的スペース~
洋室の隣にあるのは、階段の吹き抜けにつながる、明るく開放的な多目的スペースです。
普段は第2のリビングとして、家事をしたり、テレビを観たり、くつろいでお過ごしください。
帰省した息子さん・娘さんご家族を迎えるときは、カーテンで仕切ることも可能です。
BEFORE
こちらは階段室でした。階段の位置を変えたので、スペースを有効利用できますね。
扉を開けて開放的に。扉を閉めてプライベートに。
洋室と第2のリビングの間には、3枚の引き込み戸を設けました。
日中は扉を開けて、開放的な空間に。お休みになる時は扉を閉めて、落ち着いた空間に。扉を開け閉めして、フレキシブルに使えます。
間仕切り扉はソフトクローズなので、大きな音がしたり、指を挟む心配もありません。ぜひ動画でご覧ください。
ベランダ ~安心して使えるようになりました~
大きなベランダはしっかり防水を施し、安心してお使いいただけるようになりました。
視線をさえぎる格子は、娘さんが選んでくださった木製のもの。外観もステキに仕上がりました。
天気のいい日はベランダに洗濯物を干せますが、雨の日は「ホスクリーン」で室内干しもできますよ。
BEFORE
だいぶ傷んでいたベランダ。雨漏りの原因にもなっていました。
納戸・トイレ ~広い納戸と、便利な2階のトイレ~
北側には3畳分の広さがある納戸を設けました。季節物などを収納してスッキリと暮らせます。
さらに寝室のある2階にもトイレを設置。夜中でもすぐにトイレに行けるので安心ですね。
BEFORE
ここは和室でした。北側にあるので冬場は少し寒かったようです。
外構の様子
建物のリフォームが完成した後に、外構(塀や門、庭など、建物の周り)の工事も行いました。
外構工事の様子と、出来上がりの状態を少しだけご紹介いたします。
外構工事
既存の塀を解体していきます。
下地と鉄筋を設置後、あらためてブロックを積み上げました。
左官さんがブロック塀に下地のモルタルを施工していきます。
ブロック塀の上に木の塀を造り、屋外用の塗料を塗りました。
ブロック部分は建物の外壁と同じジョリパット(塗り壁材)仕上げ。
門扉から玄関にかけて、きれいにタイルを貼って完成です!
外構 ~安全・安心と美しさを両立~
ブロック塀の上に設置した木の塀は、ベランダの格子と合わせた仕上げにしました。
木の色合いが白い外壁とぴったりの、スッキリとした外観です。
門扉を引き戸にして、自転車置場への出入りがスムーズに。
建物の周りの凹凸がある箇所なども、構造的に無理なく、しっかり補強しました。
玄関の位置を変更し、門扉から玄関までの距離を長く、段差もゆるやかに変更。
安全でゆったりとしたアプローチになりました。
当初の外構イメージ
プラン作成当初の外構イメージはこんな感じでした。できあがりとはちょっと違いますね。
リフォームが進むにつれ、外構のイメージも変わってきます。何度もお打ち合わせを行ったうえで、N様のご要望に合わせて変更しました。
N様のご感想&エコリフォームより
ご両親から譲り受けた文京区のお家をリフォームして、東京でご夫婦の新生活を始めたいとご相談いただいたN様。
春にご相談をいただいてから、初夏にプランニングを行い、夏の暑い時期に3ヶ月余りの工事、最終的なお引渡しは秋となりました。
本当に長い間ありがとうございました。
N様ご家族のご協力もあり、ご要望いただいた3つのポイントがすべて満たされたリフォームとなりました!
ハウスデータ
築年数 | 42年 |
床面積 | 1階47m2・2階40m2 |
構造 | 木造2階建て住宅 |
内容 | 1階・2階のフルスケルトンリフォーム |
地域 | 東京都文京区 |
ご要望が実現しました
1安心して暮らせる家
- 玄関から水まわりまで、すべてバリアフリーになりました!
- 避難経路としても使える勝手口を設けました!
- 使いやすく安全なIHクッキングヒーターになりました!
- アプローチ・階段はゆるやかで、安全に上り下りできます!
- しっかり耐震補強をして、評点1.8と地震に強い家になりました!
2家族がそれぞれ快適に過ごせる家
- 勝手口から、リビング、玄関まで風が抜けるようになりました!
- ご主人様、奥様それぞれのお部屋で自由にお過ごしいただけます!
- 息子さん・娘さんご家族が帰省したときは、第2のリビングを活用できます!
3南向きスペースの有効活用
- たっぷり日差しの届く明るいリビングダイニングができました!
- 階段との間には格子と半透明の扉を設置。外からの光を遮りません!
- 水まわりや収納を北側に置き、どのお部屋も明るくなりました!
- 玄関横の明るいスペースは書斎に生まれ変わりました!
N様より ~ブログにいただいたご感想~
おかげさまで、以前の家と比べると、隅から隅まで使いやすく、想像していた以上に暮らしやすい家となりました。
ずいぶん前から暮らしていたような気がするくらいに、馴染んでおります。
これからも、メンテナンス等でお世話になるかと思いますが、その際はよろしくお願いいたします。このブログも、ありがとうございました。
閑静な住宅街にあるこちらのお宅。何度かお邪魔していろいろとご希望を伺ううちに、新しい生活のイメージがわいてきました。
イメージを実現するためには柱や梁を架けかえる必要があり、その施工には様々な困難が予想されました。
現場でコーディネーターや大工さんたちの意見を聞きながら、そんな問題を一つ一つ解決していくのは、大変ですが楽しい作業でした。
こちらの明るい家で、ご夫婦が健やかに、いつまでも仲良くお暮らしくださるよう願っております。
今回はたいへんお世話になり、ありがとうございました。
施工責任者/一級建築士 塩谷敏雄
N様に初めてお会いしたのは、私共が定期的に開催している耐震セミナーにお越しいただいた時です。ご実家の耐震性に少し不安があるとのことでした。その半年後に再度リフォームをご希望とのご連絡をいただき、とても嬉しく思いました。
ご両親様が大切にされてきたお家を、これからも大事にして暮していきたいというご要望に合わせ、家の構造を補強し室内環境を良くする工事をご提案したところ、工事をご依頼いただくこととなりました。
N様は遠くにお住まいだったのに、リフォーム中には何度も現地へ足を運んでくださり、ありがとうございました。カフェでのお打ち合わせも楽しくて、ついつい時間を忘れてお話をしてしまったことを思い出します。
また、N様専用の工事ブログを、ご家族みなさんでご覧いただけたのが、とっても嬉しかったです。
これからもご両親様が大切にされてきたこちらの空間で、N様ご家族みなさまが長く快適に暮らしていただくことが私たちの願いです。
何かございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。
コーディネーター 千葉容子
N様、長期間ありがとうございました!
リフォームしたおうちで、安心快適な生活をお楽しみくださいね。