TOP > リフォーム事例 > ワンフロアのリフォーム > 築52年・今の趣を活かして、安心で心地よい住まいへ

築52年・今の趣を活かして、安心で心地よい住まいへ

築52年・今の趣を活かして
安心で心地よい住まいへ

エコリフォームが開催している耐震セミナーにお越しいただいたS様。 「今の住まいはとても気に入っているけれど、地震が心配なのと、夏の暑さ・冬の寒さが気になる」とのことで、リフォームを決意されました。

S様邸は、腕のいい職人さんによって、確かな材料を使って丁寧に造られた建物です。 建具職人だったというお祖父様が造った建具も、雰囲気に華を添えています。

そこで、今の建物の趣を残したまま、地震に強く安心で、しかも一年中ずっと心地よい家を実現することになりました。

ハウスデータ

築年数52年
広さ25坪
構造木造2階建て住宅
内容1階のスケルトンリフォーム・2階の内装リフォーム
地域東京都荒川区

エリア情報「荒川区」

日暮里、南千住などでは再開発も進んでいますが、S様邸は木造住宅が密集しているエリアにあります。 昔ながらのご近所付き合いも盛んで、路地の合間を都電荒川線が走る、いわゆる下町らしいイメージの、住みやすい街です。

しかし、古い木造住宅がくっつくように建っていることから、大きな地震の際には危険度が高いと言われています。 また、こうした住宅密集地は大火にも弱いため、東京都から不燃化特区として指定されています。 不燃化特区では、防火と耐震を兼ねたリフォームが推奨されており、区の支援事業を利用して助成金を取得することも可能です。

荒川区のリフォーム事例一覧

リフォームプラン作成

S様との出会いは、エコリフォームが開催している耐震セミナーです。 「耐震の基礎から教えてくださって、わかりやすかった」とセミナーの内容を評価いただき、ぜひ耐震リフォームを行いたいとご依頼いただきました。
(なお、耐震セミナーは営利目的ではないので、耐震のお話だけ聞きたいという方のご参加も大歓迎です!)

耐震リフォームをするにあたって、まずは、お住まいの現在の状況を知ることが大切です。
耐震診断と現地調査のためにS様邸を何度か訪問し、腕の良い職人さんによって建てられたいい家だということがわかりました。

しかし、耐震診断の結果は【倒壊する可能性が高い】という厳しいものでした。

耐震診断のためにS様邸を訪問。あちこち寸法を測って、耐力を計算します。

屋根裏の状態も確認しました。質の良い材料が使われています。

耐震診断の後、さらに詳しくお話を伺ったところ、S様のリフォームへのご要望がだんだん明確になってきました。

耐震を基礎から見直したい

耐震診断の結果が良くなかったこともあり、なんと言っても1番の目的は耐震補強ですね。
築50年を越える家なので、シロアリの被害もあるんじゃないかと心配です。
土台の部分からしっかり確認して、安心できる強い家にしたいです。

断熱で暑さ寒さを防ぎたい

夏の暑さと冬の寒さに悩まされています。
断熱することで、一年中過ごしやすい住まいになればいいなと思います。
窓サッシも新しいものにして、すきま風や音の問題を解消できればうれしいですね。

大切な家の雰囲気を残したい

これまで大切に暮らしてきた、思い出のある住まいです。
ところどころに祖父の造った建具が使われていて、経年で美しい色に変わってきました。
ピカピカの新築みたいにするのではなく、この雰囲気を残せるだけ残したいと思っています。

S様のご要望を受けて、こんなリフォームプランが完成しました!

1階

スケルトンリフォームで「耐震+断熱」

  • カバ桜

  • ヒノキ

  • コルクタイル

  • リビングダイニング

    2つのお部屋を合わせて広いDKに。ナチュラルな雰囲気の、無垢のカバ桜フローリングです。

  • 洋室

    組子の建具を再利用し、リフォーム前の趣を残します。こちらも床はカバ桜で、シンプルなイメージの空間です。

  • 廊下

    和のテイストの廊下には、ヒノキの無垢フローリングをご提案。ヒノキは上品な色合いの高級材です。

  • 水まわり

    冬場は寒さを感じていたお風呂は、暖かいシステムバスに。洗面の床は足にやさしいコルクタイルです。

  • 1階の壁には、やわらかい風合いの和紙壁紙を。長く過ごす場所に、飽きの来ない本物の素材をご提案しました。

2階

お住まいの雰囲気そのまま、内装リフォーム

  • カバ桜

  • コルクタイル

  • 国産畳

  • 洋室

    和室から洋室に内装を変更。カバ桜フローリングは落ち着いた木目で、お隣の和室との相性も◎です。

  • 和室(小)

    こちらの和室はほぼそのまま残し、必要に応じて補強します。

  • 和室(大)

    和の雰囲気をそのままに、床の間や襖を活かしてサッシを交換し、断熱性を上げます。

  • 洋室と和室(小)には、1階と同じ和紙壁紙を。こだわりの和室(大)は、設えに合わせて塗り壁をご提案しました。

※計画時の図面のため、実際の施工内容とは一部異なります。

耐震補強プラン

※計画時の図面のため、実際の施工内容とは一部異なります。

基礎の補強

1階はスケルトンリフォームなので、床も壁もいったん壊して、地震に強い素材でがっちりと耐震補強します。

基礎は、建物が重くならないよう、元々の基礎をアラミド繊維で補強します。 アラミド繊維は高速道路やビルなどにも使われている、施工が比較的容易な補強材です。

リフォーム自然素材:アラミド繊維

壁の補強

壁は日本農林規格 (JAS) で定められている構造用合板で補強します。 強度を保つため、構造用合板を施工する時は、使用する釘や、釘を打つ間隔も決められています。

壁や柱は、強ければ強いほどいい、というわけではありません。 基礎の強度とのバランスが重要なので、慎重に計算して、補強する箇所を選定しました。

リフォーム自然素材:構造用合板

写真のように、構造用合板にはJASマークがついています。

釘は、頭に「50」と書いてあるN50釘を使用します。

2階と屋根の補強

2階は元の雰囲気を活かすため、押し入れの中などの見えない部分を補強します。 また、大きな窓は小さめに造り直すことで開口部を狭くして、地震への強度を上げます。

屋根は、瓦からアスファルトシングルに葺き替えます。 アスファルトシングルは瓦に比べて軽いので、地震の揺れを軽減できるのです。

リフォーム自然素材:屋根材いろいろ

耐震レベル(評点)

リフォーム前に行った耐震診断の評点と、耐震補強工事後の状態の評点を比較すると、下記のようになりました。

耐震工事前

耐震工事後

耐震工事前の構造評点は、0.108「倒壊する可能性が高い」建物でした。

耐震工事後の構造評点は、1.259まで上がり、「一応倒壊しない」レベルになります!

※構造評点は階・方向毎に算出され、最少の点が建物全体の結果となります。

断熱プラン

パーフェクトバリア

1階壁、1階天井

パーフェクトバリアはリサイクルペット樹脂から造られたエコな断熱材で、「赤ちゃんがくるまっても大丈夫」と言われるくらい安全です。

壁に施工してもズレ落ちるようなことはなく、長期間、高い断熱性を発揮します。

リフォーム自然素材:パーフェクトバリア

フクフォームEco

1階床

フクフォームEcoも古紙、再生プラスチック、コーンスターチから造られるエコな断熱材です。

一般的な断熱材は発泡剤としてガスが使われますが、フクフォームEcoの発泡剤は水! だから燃焼時に有毒ガスが出ることもありません。

リフォーム自然素材:フクフォームEco

セルローズファイバー

2階壁、屋根裏

セルローズファイバーは、ホースで吹き込んで隙間なく施工できる断熱材です。

セルローズファイバーは古紙を原料とした天然の木質繊維。湿度を調節する機能もあるため、結露やカビの予防にも役立ちます。

リフォーム自然素材:セルローズファイバー

S様の一番のご要望は耐震補強でしたが、それと同じぐらい、今の建物の雰囲気を大切にすることをお望みでした。 他のリフォーム会社さんに相談しても、建物の雰囲気を残しながら耐震補強をしてくれるところがなかなか見つからなかったそうです。

S様はそんな時に耐震セミナーに参加してくださり、これがご縁で工事をご依頼いただきました。 「新しくしたいのではなく、この建物の良さを分かってくれて、残してくれる業者さんを探しています」と仰ったS様の思いに、できる限り応えたいと思いました。

間取りは大きく変更せず、使っていなかったお部屋を有効活用できるように工夫しました。 また、時間の経過と共に味わい深くなった素材に馴染むよう、室内に使う床材や扉材には、無垢素材をたくさん使用しています。

味わいのある建物に、今回ご提案した素材が合わさって、S様にも喜んでいただけるプランになったのではないかと思います。

コーディネーター 阿部容子

リフォーム工事

残せるものは残して、今の趣を活かすリフォーム工事の始まりです!

実はこうした工事は、骨組み以外はすべて造り直すスケルトンリフォームよりも、ずっと手間も時間もかかる大変な工事なのだそうです。 熟練の職人さんたちが、「愛着のある家の雰囲気をそのまま保ちたい」というS様のご要望に応えて、奮闘してくれました。

そんなリフォーム工事の様子を、詳しくご紹介します。

着工~解体

ショールームで設備を選び、いよいよ着工です。 まずはコーディネーターがショールームに同行して、設備選びのお手伝い。お清めの後、慎重に解体を進めていきます。

タカラスタンダードさんのショールームへ。コーディネーター阿部がご一緒して、キッチン選びをお手伝いしました。

お風呂はいろいろ見比べて、落ち着いたデザインのものに決定。洗面台も決まりました。

S様は仮住まいへお引越しされて、いよいよ着工です。建築士塩谷が解体前のお清めをします。

キッチンの解体が終わり、内部の構造や建物の状態がわかるようになってきました。

床下はきれいで、シロアリ被害もありません。築年数を考えると、比較的いい状態です。

こちらは内装をリフォームする2階です。断熱材を入れるため、壁だけを壊しました。

古い羽子板ボルトが見つかりました。

S様邸が建てられた50年以上前は、建築時に金物を使用する規定はありませんでした。

しかし、1階部分を解体したところ、梁の部分に金物が入っているのを発見! これは梁につける「羽子板ボルト」と呼ばれる金物だそうです。

当時の大工さんが安全面も考えて丁寧に造った家だということがわかりますね。

S様とお母様に、工事の途中経過をご確認いただきました。建築士塩谷が詳しくご説明しています。

2階の窓や屋根裏なども、いい仕事がされているそうです。

S様より

塩谷さんから色々詳しくご説明いただき、家の内部構造が良くわかりました。 なかでも、なかなか普段目に見えない、梁の太さに大変驚きました。

50年前に作った建物で金物が入っていたことも、びっくりです!!

基礎の補強

基礎の補強にはアラミド繊維を採用し、地震に強い家を実現します。 アラミド繊維での補強は、専門の業者さんに依頼しました。なかなか見られない基礎補強の様子をご覧ください。

まずは事前調査。基礎の横を掘って、フーチングがあるかどうか確認しています。

フーチングとは、基礎を支えている底部分です。古い建物ではフーチングがない場合もあるとか。

S様邸はしっかりとしたフーチングが見つかりました! 土の中にうっすら見えているのがフーチングです。

特殊な機械で基礎の中に鉄筋が入っているかを調べたところ、鉄筋は入っていないことが判明しました。

いよいよ作業開始です。土に埋まっている基礎を掘り出すのに、半日くらいかかりました。

まず、基礎の表面をブラシできれいにならしてから、下地材を塗っていきます。

次に、アラミド繊維を寸法に合わせてカットします。丈夫な素材なので、切るのも一苦労です。

カットしたアラミド繊維を基礎に張り付けていきます。

金属のローラーで空気を抜き、アラミド繊維を基礎に密着させます。これがとても大事なんだそうです。

上塗材を塗ったら完成です! アラミド繊維で補強して、地震に負けない強い基礎になりました。

S様より

お客様ブログで)このように詳しく写真付きで説明していただけて、助かりました。ありがとうございます。

フーチングもあって良かったです!

実際の作業の様子です!

窓と屋根の改修

窓を改修して開口部を小さくすることで、耐震性をアップさせます。 あわせて、軽い屋根に葺き替えることで、地震による揺れを軽減します。 どちらも地震に強い家にするための重要な工事です。

ここは窓を閉じて壁にするところです。内側には後から断熱材を入れます。

同じ壁の外側には、地震に強い下地材を張りました。この上に外壁を施工します。

こちらの窓は、下半分を壁にして小さくします。新しい窓枠を造っているところです。

新しい窓をはめ込んだ状態がこちらです。

ここは全面が窓になっていました。左右に壁を造り、窓の幅を半分くらいにしました。

次は屋根の葺き替えです。青い瓦屋根は綺麗に見えますが、細かいヒビが入って劣化が始まっていました。

いいお天気の日に屋根瓦を下ろしました。機械を使って、5人がかりでの作業です。

防水紙の上にシングルルーフを張り、てっぺんに棟換気を取り付けます。

雪が滑り落ちるのを防ぐ雪止め金具をつけて、屋根が完成です。これで屋根が軽くなりました。

S様より

屋根を上から見るとこうなっていたんですねぇ...!

青いグラデーションが美しく、改めて50年間雨漏り無かった瓦に感謝です。

新しい屋根も濃淡ブラウン色がとても雰囲気良くて素敵です。

屋根裏と2階の断熱工事

屋根裏と2階の壁に断熱材を入れていく工事です。さらにサッシも交換して、断熱性も大幅にアップします。 夏は涼しく冬は暖かい、一年中快適なお部屋になります。

この袋に詰まっているのがセルローズファイバーです。長いホースを使って屋根裏へ送り込みます。

屋根裏はこんな感じになりました。ふわふわのセルローズファイバーがしっかり断熱してくれます。

2階の壁断熱にもセルローズファイバーを使います。不織布で壁に空気層を作って...。

そこへセルローズファイバーをたっぷり吹き込みました。パンパンに詰まっています!

内側から断熱できない箇所は、外側から断熱材を入れていきます。

断熱材を入れた壁に防水紙を張りました。この上に、後でしっかりした外壁を施工します。

ハイスペックサッシで断熱!

サッシも断熱性が高いものに交換します。三協アルミさんのハイスペックサッシ「アルジオ」を採用しました。

アルジオは室内側が樹脂、室外側はアルミで造られています。 樹脂の断熱性とアルミの耐久性、2つのメリットを合わせ持った、アルミ樹脂複合サッシです。

サッシの色が選べるのもポイント。機能面だけでなく、デザイン面も優秀なサッシなのです。

リフォーム自然素材:窓・サッシ

ガラスは複層ガラスです。2枚のガラスに挟まれた空気層がこんなに厚くなっています!

これは施工前のサッシ。横から見ると、ナチュラルカラーとアースブラウンの2色です。

断熱したところが見えなくなってしまう前に、S様とご家族にもご覧いただきました。

S様より

断熱材を入れる様子が、とても不思議な光景ですね...。

冬の寒さが、サッシと断熱材で和らぐのがとても楽しみです。 断熱材で暖かくなった家での生活が待ち遠しいです!

1階の断熱と外壁工事

2階に続いて、1階の床・壁・天井にも、ぐるりと断熱材を施工します。 左官職人さんが外壁を仕上げる様子もご紹介します。

1階床の工事です。まず、床下の湿気が上がってこないように、防湿シートを敷きました。

下地を組んでから、床用の断熱材、フクフォームEcoを施工します。その名の通りとってもエコな断熱材です。

1階壁には、お布団のような断熱材、パーフェクトバリアを詰め込みました。

1階天井の下地を新しく組み直しました。リフォーム前より少~し天井が高くなります!

ここにもパーフェクトバリアを入れました。断熱性だけでなく、防音性もアップしますよ。

壊せない窓のため、計画変更。

こちらの洗面室の窓も交換する予定でしたが、周りがブロックのため、壊すのが難しいことが判明しました。 そこで、既存の窓はそのまま、室内側に壁を造って、内窓を設置することにしました。

リフォーム工事では、このように途中で計画の変更を余儀なくされることもしばしばです。 施工責任者の塩谷敏雄と職人さんたちが、より良い形になるよう、現場で知恵を絞っています。

既存の窓はそのまま、室内側に新しく壁を造っていきます。

壁には断熱材も入れました。冬でも暖かい洗面室になりますね!

こちらは外壁工事。新しく壁を造った箇所は、つなぎ目にコーキングをして、既存の壁と同じくらいまでモルタルを塗ります。

モルタルを塗った部分に網を張り、網の上から、さらにモルタルを塗っていきます。

左官工事が完了しました。職人技できれいに仕上がりました。乾いたら塗装して完成です。

S様より

1階と2階の間にも、あんなに沢山の断熱材が入るんですね...! 以前は2階で歩くだけでもドシドシっと音が響いていましたが、これで静かになりますね。

洗面所も、お風呂に入る際、寒さが無く安心して着替えられると思うと、嬉しいです。

左官工事の進み方も、とてもわかりやすかったです。順調に進んでいるようで良かったです。 外壁の仕上がりも楽しみにしています。いつもありがとうございます。

仕上げ工事

仕上げ工事として、床に無垢フローリングを施工し、壁にクロスを張って、必要な設備を設置します。 もとの雰囲気を大事にしつつ、ところどころにこだわりも感じられる、素敵なお住まいの完成です!

リビングダイニングに、カバ桜の無垢フローリングを張ります。緑の紙は隙間を調整するためのものです。

これはリビングダイニングの扉の枠です。株式会社イマガワさんの、杉無垢材の扉が入ります。

キッチンも設置完了。キッチンパネルの柄がちょうどいい場所に来るように、職人さんが工夫してくれました。

木部はオイルで仕上げます。

窓枠などの木の部分には、オイルを塗って仕上げます。今回は自然素材のオイル「キヌカ」を使いました。

キヌカはお米から作られた安心・安全な自然塗料で、溶剤を一切使用していないので換気の必要はなく、発火することもありません。

木部にオイルを馴染ませると、木目がはっきりして美しく見えます。さらに、キヌカは汚れが付きにくくなる効果もあるのです。

リフォーム自然素材:キヌカ

建築士塩谷が窓枠にキヌカを塗っているところです。

次はクロス工事。凹んでいるところをパテで埋め、機械でノリをつけたクロスを張っていきます。

クロスが綺麗に仕上がりました。和紙壁紙の風合いが素敵です。

再利用する建具を設置し、新しい襖も入って、いよいよリフォームが完成です!

S様より

フローリングの細かい作業、気の遠くなる作業ですね...。自然素材は微妙な調整が大切なのですね。

キッチンのアクセントパネルも絵柄が全て入っていて、素晴らしいです。小窓の雰囲気にピッタリですね。 完成を拝見するのが楽しみです。

S様とは、耐震セミナーに参加していただいたのがご縁でした。 お話を伺うと、現在のお住まいをとても大切に使っていらっしゃることがよくわかりました。

私たちは、経年した住宅をマイナスの状態からプラスの状態にしていくことは得意です。 しかし、今回の工事は、プラスともマイナスとも言えない現状を活かしながら、その雰囲気を壊さずに性能を上げていくという工事になりました。 大変な部分もありましたが、とてもやりがいのある工事でした。

お祖父様とお祖母様が遺された家を、お孫さんの代まで引き継いでいくという大事なリフォームです。 一つひとつの作業を丁寧に、精一杯の力で行わせていただきました。

一級建築士 塩谷敏雄

リフォーム完成しました!

実は、元の雰囲気をそのまま残すリフォームは、丸ごと造り変えてしまうより難易度が高いのです。 ベテラン職人さんたちの力で実現した、「今の趣を活かすリフォーム」完成の様子をご覧ください。

完成の様子を動画でもご覧いただけます。

1階

趣ある住まいに安心と快適を

玄関

最もリフォーム前の雰囲気を残しているのがこちらの玄関です。 扉や収納は新しくなったものの、飾り窓や那智石の床はそのまま。 建具職人だったというお祖父様も喜んでくださっていることでしょう。

そして、なんと言っても目を引くのがこちらの飾り窓です! 綺麗にして再利用しました。

玄関からの光を、暗くなりがちな階段や廊下へと、柔らかく通してくれる窓です。

この飾り窓、表は八角形ですが、裏から見ると四角形になっているんです。とても風情のある意匠ですね。

玄関脇の壁にある、ナナメに入った稲妻のようなラインがとってもおしゃれ。ここも雰囲気そのままに修復しました。

収納は和歌山の杉の集成材で造作しました。使い込むうちに素敵な色に変わっていきますよ。

趣ポイント

玄関の床は、那智石が埋め込まれているもの。こういう玄関、昔はよく見られましたね。 お祖母様のこだわりの玄関だったそうですが、石が一つなくなってしまっていました。

まったく同じ形の石は見つからないので、左官屋さんが炭を混ぜたモルタルで補修してくれました。

長年使い込まれた、愛着のある玄関。これからも味わいを増していきそうです。

こちらは工事中の写真。テープの下が修復部分です。

完成後は、どこを修復したのがわからないくらいです。

玄関の趣はリフォーム前とあまり変わりませんが、壁や床には経年の劣化が見られますね。

廊下

玄関に近い側の廊下は、柱や天井の和のテイストに合わせて、ヒノキの無垢フローリングにしました。

ヒノキの上品な木目が美しい廊下に仕上がっています。経年して味わいが出てくるのも楽しみですね。

落ち着いた色の廊下ですが、長年の間にすっかりすり減っています。

階段下の引き戸を開けると、使い勝手のいいサイズの収納があります。しまう物に合わせて、小ぶりの棚を造作しました。

この、廊下の角のところをご覧ください! 職人技で綺麗に仕上がっています。こんな風にピッタリと組み合わせるのは難しいんだそうです。

奥にある広めのスペースは、洋室と同じカバ桜の無垢フローリングで、一体感が感じられる空間になっています。

ここにはお持ちのタンスを置いて、収納に使われるそうです。これだけのスペースがあれば、便利にお使いいただけますね。

左側には窓がありましたが、耐震性アップのため壁にしました。

リビングダイニング

一方、こちらは一番大きく変わったお部屋。2部屋をつなげた、大きなリビングダイニングです。

耐震と断熱のために窓を減らしましたが、暗い感じはありません。 和紙のクロスとカバ桜の無垢フローリングで、明るくすっきりとしたお部屋に生まれ変わりました。

手前のお部屋は和室でした。ずいぶん印象が違いますね。

以前は窓が多かったことがわかります。

キッチンはタカラスタンダードさんのホーローキッチン「エーデル」です。 淡いピンクのキッチンに、可愛いイラスト入りのキッチンパネルがよく似合っていますね。

キッチンからパネルまでホーローなので、汚れもつきにくく、丈夫で長持ちするキッチンです。

キッチン横の勝手口も無くなり、雰囲気がずいぶん変わりました。

小さめですが、奥行きと高さのある収納もついています。ハンガーパイプ付きです。

扉はイマガワさんの引き戸です。実はこれ、エコリフォームの扉と同じなんです。

扉の向こうがうっすら透けて見えるので、ご家族の気配が感じられるのがいいですね。

吊り戸なので、床にレールはなく、つまづいて転ぶ心配もありません。バリアフリーです。

洋室

以前は作業場として使われていたという1階の洋室です。掃出し窓の幅を縮めて耐震性をアップしました。

趣ポイント

お部屋に入るとパッと目に入る素晴らしい組子の建具。これは、お祖父様が作られたものだそうです。 きれいに洗ってから、同じ窓に再利用しました。思い出の詰まった建具が甦ったことに、S様もとてもお喜びでした。

この窓には、断熱性、防犯性を考慮して、サッシと面格子も設置しました。これからも安心して長くお使いいただけますね。

高断熱のサッシで、すきま風の心配もありません。

今ではなかなか見られない、素晴らしい細工の飾り窓です。

上の小窓も素敵でしたが、耐震を考えて再利用は断念しました。

こちらの洋室もリビングダイニングと同じ、和紙のクロスとカバ桜の無垢フローリングの組み合わせです。

壁と床が変わると、こんなに雰囲気が違って見えるんですね。

水まわり

お風呂はタカラスタンダードさんのシステムバスになりました。ぴったりサイズが選べるのでリフォームに最適なのです。

お風呂の白いパネルに合わせて、窓枠はホワイトにしました。細かいところにもこだわっています!

可愛いタイルのお風呂でしたが、冬場はとても寒かったそうです。

コンパクトな洗面台もタカラスタンダードさんの製品。天井はミントグリーンのアクセントクロスで、さわやかな印象です。

壊せなかったため、内窓を設置したのがこの洗面所です。苦肉の策でしたが、いいインテリアのアクセントになりました。

リフォーム前は洗面台の位置が違っていました。洗面も寒かったそうですよ。

トイレには棚と手すりをつけました。安心して広々使えますね。

洗面とトイレの床は、冬場でもひやっとしないコルクタイルになっています。これからは、ヒートショックの心配もありません。

2階

内装リフォームで快適性もUP!

和室(大)

耐震のために開口部は小さくなりましたが、リフォーム前の雰囲気を色濃く残しているのが、この大きな和室です。

床の間に広縁付きの伝統的な造りの和室で、リフォーム前は寒かったそうです。今回、窓や壁などをしっかり断熱したので、これからは快適にお過ごしいただけます。

ガラス窓が多いため、地震が心配なだけではなく、すきま風にも悩まされていたそうです。

趣のある床の間はそのまま活かしました。

襖はすべて新しくなりました。淡いグリーンがお部屋の雰囲気にぴったりで、モダンな印象になりました。

リフォーム前は山が描かれた純和風なイメージの襖でした。

趣ポイント

こちらは、長年大事に使われてきて、とてもいい味わいになった、惚れ惚れするような建具です。

建具のガラスを和紙風のポリカに替えて、再利用することにしました。

複層サッシの内側に取り付けて、障子のように使えます。サッシの色も、お部屋に合うナチュラルカラーを選びました。

広縁の大きな掃出し窓も魅力的でしたが、耐震性を考慮して、小さめの窓に造り変えました。

和室(小)・洋室

続きの間になっている、小さめの和室と洋室をまとめてご紹介します。

素敵な建具が使われていますが、ちょっと暗い印象でした。

ここはもともと二間続きの和室でした。手前のお部屋は和室のままで内装を整え、窓を半分くらいの大きさにリフォームしました。

和室の照明は、キッチンで使われていたものを再利用しました。やさしい灯りがお部屋を照らしてくれます。

奥のお部屋も、カバ桜の無垢フローリングを張って洋室にしました。和風な意匠を残した洋室なので、2つのお部屋が違和感なく調和している印象です。

壁は昔ながらの繊維壁でした。窓も大きく取られています。

洋室は押入れを残しました。淡い植物柄の襖は、洋室にも合いますね。

こちらの窓も耐震性を考慮して小さくしましたが、壁が明るい色なので広がりを感じますね。

趣ポイント

この2つのお部屋の間にある、ちょっとモダンな感じの欄間。これも再利用しました。 まわりは繊維壁だったので、繊維を落としてからパテでならし、白いクロスを張って完成です。

明るくなったお部屋に、欄間がグンと引き立ちます! 洋室にも和室にもよく似合う、素敵な欄間ですね。

こちらは洋室からの眺めです。

こちらは和室から。どちらにもマッチしています。

暗く目立たなかった欄間が、見事に蘇りました。

水まわり

2階の水まわりはトイレのみです。壁のタイルはそのまま、クロスはかわいいツタ柄に張り替えて、ちょこっと遊び心を加えました。

リフォーム工事中、お祖父様が使っていたという木曽ヒノキを発見! いい材料だったので、窓を小さくした分、空いてしまったスペースに使いました。これも新しい思い出になりますね。

冬場はひんやりしていたトイレの床も、コルクタイルになったので安心です。

住宅ストック循環支援事業の補助金を取得しました

住宅ストック循環支援事業は、国土交通省が2017年度に行っていた事業です。 S様邸のリフォームでは、3つの事業のうち、持ち家の省エネ性能を向上させる「エコリフォーム」に対する補助金を取得しました。
事前に書類を提出したり、工事の様子を記録するなどの手間はかかりますが、こうした制度を利用することで、耐震改修や断熱改修をする際の金銭的な負担が軽くなるのはうれしいですね。

エコリフォームでは、お客様のご要望に応じて、助成金・補助金取得のお手伝いをさせていただいております。

※住宅ストック循環支援事業は現在終了しています。

リフォームを終えて

今回、S様邸のリフォームを通して、今あるものを大事にして丁寧に暮らすことの大切さを再認識させていただきました。

お祖父様、お祖母様が大切にされてきた建物を引継ぎ、これからも大事にされたいというお気持ちが、とても素敵だなと思います。
少しでもお役に立てればと思いながら、お打ち合わせをさせていただきました。

S様とお会いする時には、リフォームと関係のないお話をすることも多く、毎回楽しかったです。 S様、本当にありがとうございました。

S様ご家族とご縁をいただいたことに感謝します。そしてこれからも、どうぞ宜しくお願い致します。

コーディネーター 阿部容子

S様邸のリフォーム工事は、とても難易度の高い工事でした。

実は、地震に強い家であることを示す構造強度を上げるだけなら、さほど大変なことではありません。 しかし、今の雰囲気を壊さず、内部の造作もそのままで地震に強い家に...となると話は別です。 さらに、断熱や調湿などの温熱性能まで向上させていくのは、至難の業でした。

S様はエコリフォームをとても信用してくださっていて、その気持ちに応えなければ!と一生懸命に考えたリフォームでした。

今回、強く感じたのは、「家に対する想い」です。 家を大事にして、愛着を持って暮らしてきたという、その大切な想いを引き継ぐお手伝いができたことを、本当にうれしく思います。

私たちを信用して任せていただき、感謝しております。 これからも家を大切に、どうぞ健やかにお暮らしください。ありがとうございました。

一級建築士 塩谷敏雄

S様より

外壁と玄関が見違えました。とても落ち着いていていいな~と思います。 1階、2階ともに仕上がりが美しく、別の家のようです(笑)。
玄関の石、モルタルで補修していただき、ありがとうございました。 祖母がこだわっていた玄関床を残せて、とても嬉しいです...。 また、祖父が残していた材木まで使用していただき、細かな心遣い、本当にありがとうございます。
祖母や祖父の思い出の家を面影を残しながらリフォームしていただけたことが嬉しいです。 これからも大切にしていきたいと思います。

全体的にお部屋の雰囲気が明るくなり、素晴らしく蘇りました。 近所の方々にも「外観がシンプルで素晴らしい」とか、「仕事が丁寧で素晴らしい」と褒められました。
3ヶ月間、色々とご相談にのって頂き、本当にきめ細かなご対応で、祖父母が大切にしていた面影が随所に残る、素晴らしいお家になりました。 また、これからは快適に過ごせると思うと、とても嬉しいです。 本当に素晴らしいリフォームをありがとうございます。

エコリフォームさんと出会えたことに感謝しています! これからも末長くよろしくお願いします。

※ご感想は、お客様ブログにいただいたS様とお姉様のコメントから抜粋させていただきました。

S様、大事なお住いのリフォームをおまかせいただき
本当にありがとうございました!