技術と伝統を受け継ぐ清澄の家

技術と伝統を受け継ぐ清澄の家

地震を制する家

繰り返しの揺れにも強い最新の制震技術を採用しました。地震の揺れを吸収し、建物へのダメージを最小限に抑えることができます。

一年中快適な高機能住宅

冬は暖かく、夏は涼しく。一年を通して健康で快適に過ごせるように、断熱・遮熱効果や空調設備にもこだわりました。

日本の上質な自然素材

構造体だけでなく、内外の仕上げにも国産の自然素材を採用しました。日本の気候風土に合う、これからも受け継いでいきたい優れた素材です。

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外観

白い塗り壁に、木製サッシや木の外壁が映える外観です。日当たりの良い場所のため、断熱性を考え窓は少なくしています。

二世帯住宅のため、玄関はふたつ。左が親世帯用、右が子世帯用の玄関です。
子世帯用の玄関扉は青森の杉で作られた無垢の扉を採用しました。

外壁に使った木の板は、無垢材で唯一準耐火仕様を取得している「火バリ」。雨による腐食を防ぐため、上から液体ガラスを塗布しています。
液体ガラスは雨や紫外線で劣化することなく効果は半永久的。無垢材の風合いを活かしたまま耐久性をアップさせることができます。


液体ガラス施工中の様子

1階

1階は親世帯の生活スペースとして、動線がコンパクトにまとまるようにしています。ナラの無垢フローリングのダイニングスペースに、3畳の畳コーナーを設けました。


ひとり暮らし用のコンパクトな玄関です。

玄関を入るとすぐにお部屋になっているワンルームタイプの間取りにキッチンやお風呂を備え付け、1日の生活が1階だけで完結します。

子世帯の玄関と行き来できるので、「ただいま」や「おかえり」が言い合える距離感です。


子世帯の玄関は階段の向かいに玄関収納を造り付けました。


天井までの収納には傘を収納するスペースも。


階段は紀州杉の節のない部分を切り出した板で製作しました。

2階

2階は子世帯のLDK。伸縮できるタモ材の大きなダイニングテーブルを置くため、フローリングはタモと同じ樹種であるスペリオルアッシュの無垢フローリングを張りました。

仲間が集まる空間として「オープンなキッチン・大きなテーブル」をコンセプトに、将来は小さなワークショップや料理教室もできるようにしています。

空調には、天井のエアコンと壁の輻射熱パネルが連動するecowinHYBRIDを採用しました。輻射熱の冷暖房は空気を汚さず湿度も保ってくれるため、夏も冬も快適に過ごすことができます。

キッチンの後ろにはBOSCHの食洗機を組み込んだオリジナルの造作カウンターを作りました。洗った食器をそのまま隣の引き出しにしまうことができます。

キッチンは見やすい、しまいやすい、取り出しやすい収納がカギ。見せる収納と隠す収納をそれぞれ作って使い勝手良く仕上げました。カウンターの壁面は傷つきにくく熱や水にも強い大谷石を張っています。


青森の杉で作られた木製サッシ。断熱性に優れ、2種類の開き方をするドレーキップ窓です。


換気に適した縦開き。


ハンドルを横にすると内側に大きく開きます。

2階のトイレは古い建材を再利用して趣のある雰囲気に仕上げました。壁には土佐和紙と大谷石を張っています。

3階・屋上

3階はプライベートなスペースとして、寝室と水まわりを設けました。ホテルの客室のように入浴や就寝、身支度が一つの空間で完結します。


床も階段も同じ無垢の紀州杉ですが、木目の出方が違うと印象も大分変ります。

浴室と階段室の建具は障子にして和の雰囲気を出しました。

三角の形になったクローゼットは、扉を開けて一目で全体を見渡すことができます。

コンパクトにまとまった水まわり。フラットな洗面台は壁一面の鏡とオープンな棚でシンプルなデザインにしました。

広い屋上は耐久性のある金属防水を施しました。階段室には洗濯用品の収納や室内干しができるようになっています。

こちらの住宅は実際に見学可能です。
内覧ご希望の方は下記よりお問い合わせください。

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設計について

1F

2F

3F

RF

HOUSE DATA

工事内容:新築/敷地面積:48.12m2(14.56坪)/建築面積:37.51m2(11.35坪)/延床面積:113.99m2/構造:木造3階建て/地域:東京都江東区

<施主・設計>

塩谷 敏雄

一級建築士
耐震設計士

生まれ育った地元での自宅建設

妻とともに立ち上げた工務店からリフォーム業に舵を切り、16年前にエコリフォームを立ち上げてからは改修工事をメインに行ってきましたが、スタッフの自宅建設なども重なり、久しぶりに新築の工事を続けて手掛けました。

父から大工の技術を教わり、妻と工務店を立ち上げた時は、数々の新しい工法を試し、いろいろな素材を日本各地から取り寄せ色々な場所を訪問しました。生まれ育った深川の地での自宅の建設は、その基本を思い出し、あらためて建築を考えるきっかけになりました。

共同設計者の丸谷博男氏との打合せ風景

完全分離の二世帯住宅

基本設計は、以前からデザインや設計でお世話になっている丸谷博男氏へ依頼しました。「デザインは環境の中から出てくるもの」という丸谷氏の教えをもとに、周りの環境を考慮した設計となっています。

今回の計画は約11坪の建物の1階に母が暮らし、2,3階に夫婦ふたりが暮らす完全分離の二世帯住宅です。年老いた母が一人で安心して暮らすことができ、私たちも母に目を配りつつ、互いの暮らしが干渉しすぎないような家にしたかったのです。

2階は友人や知人を沢山呼ぶため広いリビングに。料理教室もできるような対面のキッチンを据えました。寝室やクローゼット、水回りといったプライベートな設備は3階にまとめ、就寝や身支度がワンフロアで完結するホテルライクな空間を目指しました。

土地の制限を最大限に活用する

この土地は準防火地域にある角地ということで、様々な制限がありましたが、木の良さを生かした建物にするために、使用する建材には吟味を重ねました。
視認性の良い角地ということで外観は特にこだわり、準耐火仕様を取得している木の外壁や木製の窓で木の温かみを出しながら、ステンレスのガラリや水切りでシャープな印象を加えています。

角地で大きく隅切りされた土地の形状、そして柱のない大空間を設けた間取りは、単純な四角形の建物に比べて難しい構造計画が必要でした。そこで、構造計画は木造建築での建築賞受賞経験のある日本でも有数の構造設計家 津田大二郎氏に依頼しました。
それに加えて更に耐震性能を上げるため、木造住宅ではまだ採用しているところが少ない「制震」の技術を取り入れました。地震に強いだけでなく、揺れを抑える構造にしています。
以前住んでいた家は4階でちょっとした地震や交通振動にも悩まされていましたが、この家では全くと言っていいほど揺れず、大きな効果を感じています。

安心・安全へのこだわり

最新の制震技術

[MER SYSTEM Cross Type]

[制震テープ]

耐震補強された建物はある程度の地震に耐えられるよう強度が保たれていますが、何度も繰り返し力が加わると、負荷が蓄積され、どうしても強度が落ちてきてしまいます。この建物では揺れの力を逃して建物への負荷を減らす制震ダンパーMER SYSTEMを取り付けました。
また、粘性のあるテープで建物自体にダンパーのような役割をもたせ、揺れによる釘の抜けや破損を防ぐ制震テープも併用し、地震に強いだけではなく「揺れない家」を目指しました。

高断熱・高"遮熱"住宅

[遮熱シート]

[MADOBA]

いまや高断熱は新築住宅の常識となっています。しかし、昨今の夏の暑さは一昔前よりも明らかに厳しくなってきているため、夏場は断熱材が外部からの熱をため込んでしまっている場合も。外壁や屋上には通気層を設け、遮熱シートで熱が内部に伝わらないようにしました。

窓にはLow-Eガラスを使用し、断熱・気密性に優れた木製サッシ「MADOBA」を採用。熱の流出入を抑えて快適な温熱環境を作ります。

目に見えない空気も快適に

[セルローズファイバー]

[ecowinHYBRID]

室内の仕上げとして使用している和紙の壁紙や無垢材、内部に使用した断熱材セルローズファイバーなど、調湿作用のある自然素材を使うことで部屋の中の空気はいつも快適に。外壁の塗り壁との間に適度な空気層をとることで、内部結露の心配もなくなりました。
更に空調には空気を汚さない輻射式冷暖房とエアコンを併用したecowinHYBRIDを採用。この冷暖房を活かすために、計画換気には室温を損なわずに換気できる熱交換型の換気システムを導入しました。

伝統ある国産の素材

構造体や室内外の仕上げには日本各地の自然素材を使い、本物の質感を味わえる上質な空間が出来上がりました。

和歌山・紀州杉

構造材や階段、窓枠、寝室の床には山長商店の紀州杉を使いました。
階段に使用したのは「幅はぎ材」と呼ばれる節が無く木目のきれいな部分。建具もこの階段の目に合わせた杉の柾目にしています。

青森・十和田杉

日本製の木製サッシを探して巡り合ったのが日本の窓の十和田杉を使った窓。子世帯の玄関ドアも同じく十和田杉で作られたものを採用しました。

奈良・吉野ヒノキ

浴室の壁は奈良県産のヒノキを使用しています。水に強く殺菌作用のあるヒノキは、その香りで血圧や自律神経を整えたり、免疫力を向上させるなど様々なリラックス効果をもたらしてくれる素材です。

秋田・十和田石

十和田石は古くから温泉場・浴場で活用されてきた石です。青とも緑ともつかないその色合いは水に濡れるとさまざまに表情を変えてバスタイムに安らぎを与えてくれます。

栃木・大谷石

キッチンのバックカウンターと2階のトイレの壁には大谷石を張りました。水や火に強く、軽くて加工しやすいことから建築用の内外装材として親しまれています。

福井・玉紙(和紙壁紙)

室内の壁紙には福井で作られている和紙の壁紙玉紙を採用しました。和紙でありながら汚れにくく、水まわりにも使える特殊な加工が施されています。

岐阜・火バリ(外壁用木板)

無垢材でありながら、日本で唯一準耐火仕様を取得している火バリは、岐阜の林業組合で開発されたもの。水に強いガラス塗料を塗って雨による腐食を防ぎます。

工事中の様子

工事の様子はブログにて公開中

工事中の現場の様子は写真や動画に撮り、定期的にブログでレポートしていました。

上棟の様子や、壁の中に隠れてしまう断熱材の施工の様子、家具の製作過程など、工事中でしか見られない「建物の中身」をご紹介します。

暮らし始めて思うこと

<施主>

塩谷 理枝

リフォームアドバイザー

今までたくさんの住まいづくりをさせていただき、お客様には「今だけではなく10年後20年後の生活を想像してください」とお伝えしてきましたが、いざ自分の事となると難しい......。今回の自宅建設は、これからの自分たちの生活を改めて考える貴重な機会となりました。

以前住んでいた家では高齢の母に階段で苦労させてしまっていたので、この家では一日の生活がワンフロアで完結するようにしました。キッチンやお風呂を使うタイミングも私たちに気を使わずに自分のペースで暮らせるようになり、ご満悦の様子です。
出掛ける時と帰宅の時には顔を見て、テレビを観ながら大きな声で笑ったりくしゃみをしたりは聞こえてくるため、程よい距離になりました。友人が来ても『お母さんお邪魔します』と声を掛けてくれて、互いにそれぞれの暮らしを感じることのできる設計です。

これまでお客様のお宅が完成するたびにスタッフみんなで「いい空間だね。こんな家に住みたいね」と言っていましたが、今回は本当に住めるのか......と不思議な気持ちになりました。
実際に住まう側になってみて気づいたところや改善点もあります、この経験をこれからのお客様の家づくりに大いに活かしていきたいと思っています。

サラリーマンの娘が工務店にお嫁に来て30年余りが経ちました、ここまで続けてこられたのは、スタッフとたくさんの方のお陰があってこそです。こうして自分の家を建てる事が出来本当に嬉しく、関わって下さった方たちに心から感謝いたします。
手前みそではありますが、ものづくりを先代の父から叩き込まれた主人は、実直にお客様の家を造ってまいりました、その仕事ぶりを私は誇りに思います。
おそらく、私の人生の中で主人からの一番大きな贈物です、大切に住み続けてまいります。


<施主・設計>

塩谷 敏雄

一級建築士
耐震設計士

自宅の建設を考え始めたのは、ちょうど一年前ぐらい。住み慣れた自宅を出ることになり、生まれ育った深川の地へ戻ってこようと思いました。
自分の家を建築することは、40年以上建築で食べさせてもらって考えたこともありませんでした。ただ、住まい始めて感じたことは、40年経ったからこそできることがあるのだなあということです。

今年は偶然、妻とともに還暦を迎えることとなった節目の年でもあります。
恥ずかしい話ですが、経験値や思考だけではなく、今までの生き様のようなものが家というものにはあるんだということが、60才にもなってようやくわかりました。

25年ほど前ですが、妻の実家を新築して、義理の父母が本当に大事に喜んで住んでくれました。その時なりに最新の工法やその時考えられる部材をふんだんに使用しました。
時は流れ、父母もだいぶ年を取り、家とともに過ごした日々は本当に幸せそうでした。

今回の建設には、さまざまな人たちの協力がありました。
土地探しから始まり、設計にもいろいろな方が協力してくれました。建築でも初めての業者さんにも協力してもらい、ようやく完成しました。
今まで、普段の仕事でも協力してくれている業者さんや社員さんたちも本当に感謝しています。

何より、この家を作ってこれほど喜ぶとは思わなかった妻や母にも本当に感謝しています。ありがとうございました。これから大事に住んでいきます。