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リフォーム計画から完成までの様子

完全に取り壊せない「リフォーム」だからこそ、新築するよりも難しい!






エコさんのお蔭で以前の生活よりも快適、爽やかに日々を過ごすことが出来ています。

やはり建築の際に、双方の考え方などを提案しあいながら造り上げることができたからしょうか、エコリフォームさんの基本コンセプト『安らぎのある住空間』・『自然素材の健康住宅』にぴったりのリフォーム住宅に仕上げて頂きまして、100点満点で120点あげたい感じです。
担当の千葉さんをはじめ、皆様には大変お世話になりました。

インタビューにご協力いただきました

ハウスデータ
■築年数50年以上
■住宅仕様2階建て木造住宅
■広さ1階+2階:約19坪(63㎡)
■ リフォーム
  内容
  • 1階・2階全体のフルスケルトンリフォーム
  • 外部全面改修
■ 地域江戸川区


事例紹介のダイジェスト版フォトムービーも公開させていただいております。 よろしければ是非ご覧ください!


お客様との出会い

ホームページをご覧になりお問い合わせくださったK様。
リフォームをお考えの建物は、奥様のご実家である築50年のお住まいでした。

このたび、ご夫妻と、ご高齢のお母様が3人でこちらに移り住まれるために、 スケルトンリフォームをされることになったのです。

こちらの建物は、1階建から2階建に増築を行っている経緯があり、また、経年の傷みの問題もありましたので、 かなり大掛かりな工事となることが予想され、新築をするのと変わらない、もしくは新築よりも 大きな費用がかかる可能性もありました。

その為、建て直しという選択肢もありましたが、立地の関係上、建て直しだと家が狭くなってしまう為、 K様は、あえて、住宅再生とも言えるようなリフォームを選択されたのでした。

K様のご要望は

お客様はこのようなご要望をお持ちでした

築50年が経過し、二度の増築を経た建物はかなり傷みが進んでおり、床の一部が沈んでいたり、雨漏りも見られました。
設備もかなり傷んでいて、交換が必要です。

全体的に構造・間取り共に大きく見直す工事となることが予測されたので、今の住まい悩みを解消するというよりは、新築をするのと同じように「これから新しく暮らすにあたって、こんな住まいにしたい!」というご要望を沢山いただきました。

【1】耐震をしっかり。これからの20年は安心できる住まい。

一番大きなご希望はやはり耐震です。
K様ご家族は、これから、こちらの建物で20年、30年と長くお住まいになるご予定です。
ずっと安心してお暮らしになるには、耐震は一番大事なところです。

【2】限られたスペースでも暮らしやすい住まい。

こちらのお住まいは、都内の住宅密集地に建つ戸建て住宅の為、1階2階合わせて19坪ほどの建物ですが、その中で3人のご家族が快適に安心して暮らせるお住まいをお望みです。

【3】バリアフリーで介護がしやすい住まい。

ご高齢のお母様がお住まいになるので、介護を考えた住まい造りも重要です。
K様ご夫妻の将来のためにも、屋内事故の無い、安全なバリアフリー住宅をご希望でした。

【4】程よく住み分けができる住まい。

K様はお仕事をされていてお忙しく、K様ご夫妻とお母様の生活時間帯が異なるため、完全な二世帯ではないけれど、お互いを気にせずに暮らせるお住まいをお考えです。

【5】快適で使いやすい設備機器のある住まい。

お風呂や洗面はゆったり広く、キッチンは対面をご希望です。

【6】自然素材を使った、和の雰囲気のある住まい。

時折、緑豊かな郊外へと旅に出られることもあるという、自然を愛するK様ご夫妻は、書道や俳句もたしなまれており、和風の落ち着いた雰囲気をお好みでした。
そんなお二人ですから、ピカピカの今時の住まいというよりは、自然の木に囲まれた、温もりのある住まいをお望みでした。

そして、K様邸のプランが出来上がりました!

最初に建築されたのが50年前、増築されてからも既に30年以上の年月が経過しておりますので、 全体的に傷みが進んでおり、床の陥没や雨漏りもありました。

段差があったり、階段が急勾配であったりと、最近のバリアフリーの住まいに比べると心配ポイントも多いです。

1階だった建物をあとから増築されていたり、お風呂を後付けしているので あまり暮らしやすい間取りではありませんでした。

再生リフォームで、これから20年30年と安心してお暮らしいただける住まいへ!





プランの詳細をご紹介!

●二世帯ではないけれど、世代の違うご家族が程よく生活を分けられます。

こちらのお宅は、K様ご夫妻と、ご高齢のお母様が暮らすための新しい住まいです。

限られたスペースながら、ご家族の居間、皆さんでお使いになる水まわり、お母様の居室と、その動線をきちんと確保し、日当たりの良い居間、対面キッチン、広いお風呂など、ご要望を最大限に反映させた間取りです。

お仕事をされているK様とお母様では生活サイクルが違うため、お互いがほど良くプライベートを保てるように、K様ご夫妻がお休みになる2階にもトイレやミニキッチンを設けました。

●ご高齢のお母様と、介護をされる奥様の負担を軽減します。

奥様は家事をされながらお母様の介護もなさいますので、リビングダイニングキッチンのすぐ隣にお母様の寝室を設けました。

お風呂やトイレの水周りスペースも、寝室・キッチン双方から行きやすいようになっています。

●バリアフリーなお住まいです。

床は全てフラットに。段差の無い住まいとなります。
また、玄関や階段、水周りなど、大きな動作を行う箇所には手すりを取り付けています。

住む人の身体に負担がかからない、住む人に優しい住まい。屋内事故の危険性は大きく軽減されます。

●限られたスペースの中でもゆったり暮らせるように、細かく計画を立てます。

1階2階合わせて15坪という限られたスペースの中で、ゆったり暮らせるように様々な工夫を盛り込みました。

建具には引き戸を多用し、最大限にスペースを有効活用できるようにしています。
収納も「吊り押入れ」や、床下収納など、上手く空間を活用できるような形式のものを設置します。

何をどこに置くのかという事も、あらかじめお客様とよく話し合い、家電や家具を置くスペースを予め設けておくことで、暮らし始めてからデッドスペースができてしまうのを防ぎます。

●設備もご希望を活かしたものに。

キッチンは、奥様念願の「対面キッチン」が実現です。

ご主人様の念願だったのは「広いお風呂」。お風呂のスペースには1坪の広さを取りました。
お風呂に入る時間が家族内でずれていてもお湯が冷めにくく、省エネな高断熱浴槽をご提案しました。

●雰囲気は「明るい和モダン」です。

1階、2階とも和室スペースをゆったりと取り、建具には襖を多用して、明るい和モダンの雰囲気でまとめました。

また、洋室やホールの床や、細かい造作には天然の木を使用。
フローリングでも、天然木の風合いはあまり洋風になりすぎませんので、和室の畳との相性も良く、上手く調和してくれます。

お客様が最も気にかけていらっしゃった耐震は...

安心して暮らせる住まいにするために、最も大事なものはやはり耐震です。
建物をよく拝見し、慎重な計画が立てられました。

実際にリフォームが始まる前なので、解体してチェックすることはできません。

しかし、お客様から伺ったお話と、拝見させていただいた設計図、そして、建物自体も 非破壊(壊さないで見ることが可能な箇所のみ)ではありますが、よく拝見させていただいた結果、 以下のような事が予測されました。

そこで、問題点に対応した耐震計画を立てました。

こちらの建物は2階を増築されていますが、基礎は、平家だった頃のままである為、 今の耐震基準から考えると、かなり脆弱であると予測されました。また、事前に壊して確認することはできませんが、建築された時期を考えると、無筋である事が予想されます。

更に、1階の架構部分(梁や桁などの木構造部分)も平屋の構造のまま、 上に2階を増築したと予測されます。

外周部の柱は、通し柱としての機能を一部持たせていましたが、 基礎と連結していないため、本来の通し柱としての意味をなしていないようです。

耐震上有効な筋交いや火打材が、入っていないようです。

増築により2階を後から載せている為、階段の位置なども構造上適したものでは無いようです。適した位置に変更する必要があります。





このような補強工事を行います

解体後の状況によって、補強内容には変更が生じることがあります

こちらのプランは、建築士が、解体せずに確認できる箇所を拝見させていただき、そこである程度の予想をして、計画したものです。

耐震に関しては、着工前に外からチェックしただけでは、完璧な計画を立てることはできません。 解体後の状況によって、補強内容には変更が生じることがあります。
特に、経年していたり、増築をしているお住まいなら、尚更です。
その場合、最適と考えられる方法をご提案し、ご相談をさせて頂きながらながら進めることとなります。

実際のK様邸の工事でも、解体してから更に改良を加えた箇所が多く生じた為、最終的な耐震の計画は上記の図面とは異なるものとなりました。
その流れは、後半の「住宅再生工事の様子」で詳しくご紹介させていただいております。

今回のリフォームで、土地の境界についても、明らかにされました
最初に建築されたのが50年前、増築されてからも既に30年以上の年月が経過しておりますので、 全体的に傷みが進んでおり、床の陥没や雨漏りもありました。

段差があったり、階段が急勾配であったりと、最近のバリアフリーの住まいに比べると心配ポイントも多いです。

1階だった建物をあとから増築されていたり、お風呂を後付けしているので あまり暮らしやすい間取りではありませんでした。

いよいよリフォームが始まります!

K様から最初のお問い合わせをいただいてから、正式なご契約までには、5ヶ月ほどの期間を要しました。

土地の境界をはっきりさせる事や、ローンの取得など、リフォームの範囲には収まらないけれど、 リフォームを実行するためにクリアしなければならない大事な要素が絡まっていたからです。

お客様ご自身も準備のためにあちこち走り回られておりましたが、弊社でも測量士さんを交えて ご相談させていただいたり、ローン会社への手続きなど、出来る限りのサポートをさせていただきました。

その上で、お客様のご要望を盛り込んだリフォーム計画が出来上がり、ついに、リフォームが現実に 動き出すこととなりました。

何しろ大掛かりなリフォームですから、実際に工事が始まる前から、やらなければならないことが既にいっぱい! お客様ご自身も、準備のために忙しくなってまいります。

●ショールームで設備の仕様決定。

家はずっと暮らすわけですから「もっとこうすれば良かった」という事はあってはならないことです。
そのためにも、実際にご覧いただいてから決定した方が良い設備って沢山あります。

水周りの設備や、建具、玄関、窓などは、やはり見ていただきたいものです。
K様ご夫妻にも、ショールームへご足労いだたき、実際にご覧いただいてご説明しながら、細かい仕様を決定しました。

●介護保険の手続き。

今回の工事の、手すりの設置といった、バリアフリー工事の一部を 介護保険でまかなうことができるため、手続きのサポートをさせていただきました。

●お家の中も綺麗に片付けて、工事に備えます。

リフォームを機に処分されるお荷物もありましたので、撤去作業をさせていただきました。

奥様のご実家であるこの建物には、沢山の思い出が詰まっています。今まで、ありがとうございましたという感謝の気持ちを込めながら、片付けをさせていただきました。

K様邸のリフォーム工事の様子をご紹介させていただきます!
完全に取り壊せない「リフォーム」だからこそ、新築するよりも難しい!


築50年になるK様邸の工事は、 あと20年、30年と安心して暮らすお住まいにするための 大掛かりな住宅再生リフォームとなりました。

建物の足元である基礎部分から、ほとんど新しくやり直す工事を経て 新築の住宅に負けない、耐震性を持つお住まいに生まれ変わりました。

ここまでの工事を実行するとなると、新築をするよりも 多くの工夫と技が必要になってきます。

リフォームであるが故に、左の写真のように「上に建物が乗ったままの状態」で、大掛かりな工事を 行う必要があるからです。

費用も、新築をするよりも大きくかかってくるというケースが珍しくありません。

それでも、「新築をすると、家が狭くなる」「思い出のある家なので」と、 様々な理由から、住宅再生のようなリフォームを選択したいとお考えの方は多くいらっしゃるかと思います。

こちらのぺージでは、「新築のようにする為の住宅再生リフォーム」とは どのような事をするのか??工事が始まる前の計画から工事の様子に至るまで、 詳しくご紹介させていただきます。

耐震計画のプロセス
【着工前】建築士が建物をチェックし、第一次の耐震計画を立てる
リフォームの計画を立てる時点では、まだ契約を結ばせていただいておりませんので、 私どもで建物を壊すことは出来ません。

こちらの建物のように、構造から大きく見直す住宅再生で一番大切なのは「建物の現状の状態を正確に把握する」ということですが、 今、どのくらいの劣化が建物にあって、どのくらいの構造評点なのか、ということは、 建物を実際に解体するまでは分かりません。

その為、建物を建ててからの経緯を詳しくヒアリングするというのも大切なポイントです。

解体するまでは、こちらの建物の全てを把握することはまだできませんが、 確認できる範囲で、建築士が厳しくチェックを行い、今までの経験からの予測を立てた上で、 ある程度の耐震リフォーム計画を立てました。

解体前にチェックして予測できたことは...

こちらの建物は2階を増築されていますが、基礎は、平家だった頃のままである為、 今の耐震基準から考えると、かなり脆弱であると予測されました。また、事前に壊して確認することはできませんが、建築された時期を考えると、無筋である事が予想されます。

更に、1階の架構部分(梁や桁などの木構造部分)も平屋の構造のまま、 上に2階を増築したと予測されます。  

外周部の柱は、通し柱としての機能を一部持たせていましたが、 基礎と連結していないため、本来の通し柱としての意味をなしていないようです。 

耐震上有効な筋交いや火打材が、入っていないようです。

増築により2階を後から載せている為、階段の位置なども構造上適したものでは無いようです。適した位置に変更する必要があります。


建築士のチェックを元に以下のような耐震計画を立てました


【着工!】実際に解体し、露になった内部を全てチェック!

前項でも述べましたが、壊さない状態でもできる限りのチェックを建築士が行い、 耐震の計画を立てた上での着工です。

解体する前より、状態があまり良くないであろうということは予測しておりましたので、 かなり慎重に仮補強をしながらの解体作業となりました。

そして、実際に解体して、建物の足元、柱や梁といった構造部を全てチェックできる状態にした上で、 明らかになった問題点をクリアできるように、初期に立てた計画を改良するというプロセスを辿ることになります。


増築した2階部分の柱の方が太くなってしまっていた

平屋で建てられた建物なので、上に2階の重さが乗っていると想定した強度は持っていません。
そこを二階建てにしている上、増築した部分である2階の方が、重量のある構造材を使っており、今はまだ何とか支えてくれていますが、将来的に支えきれなくなる恐れがありました。
1階の柱は全て取り替える必要があります。

重要な柱を抜いている箇所があった

増築した際、建物を支える柱の一部を抜いてしまっていました。2階が重い上に、1階の強度が落ちているという大変心配な状況です。

梁の接続部分に強度不足が見られた

屋根の重量を支えきれない構造だった

床下の地面が、外側よりも低くなっていた

床下にも大きな問題がありました。
外から見ると問題が無いように見えるのですが、床を外してみると、床下の地面が外側よりも低かったのです。

その為、床下に水が溜まってしまい、いつも湿気があるという状態を招き、土台の多くがシロアリの被害を受け、畳まで腐ってしまっていました。

【計画を強化する】様々な問題を解消するべく、以下のように耐震計画を強化しました


柱ですが、解体前の計画では、何本か残す予定でおりましたが、解体したところ、2階に1階より太い柱が使われていることがわかりましたので、結局、1本だけ補強をして残し、後は全て交換を行うことになりました。

基礎も、解体したころ、予測した以上に強度不足であることがわかり、全て新しく、現在の基準に合ったものにすることになりました。

よって、基礎や壁、柱はほとんど新しくなり、新築同然となります。そのため、当初計画していた、外部に1層新しい壁と基礎を造って、既存のものを補強をするという計画は変更となりました。

さらに...瓦屋根が乗ったままでの耐震補強

住宅再生リフォームは、構造から大きく見直す工事となりますので、一度、解体をする必要があります。
解体をする事で、建物の強度が下がりますので、できれば瓦屋根は下ろしてしまいたいところです。

※建物に限らず、上に重いものが乗っていればバランスが悪くなり、倒れやすくなる...というのは 想像していただけるかと思います。

しかし、K様邸では3年前に屋根の葺き替えを行ったばかりで、まだ新しい為 屋根が乗っている状態での工事を行うこととなりましたので、上の重量を考慮しながら作業をする必要があります。

【お客様にご説明】お客様にもみていただきながら、これから行う工事についてご説明
今回のK様邸のように、解体してみて、現状をみて変更しなければ事が、 築年数の長いお住まいでは特に多くあるものです。

こちらのK様邸も、解体してからわかった問題点があり、 耐震リフォーム計画に変更を加えることになりました。

そうなると、やはりどうしても「追加」の費用がかかってきてしまいます。

お客様には、計画の段階で、追加の可能性はお話してからご契約をいただいておりますが、 やはりご不安はつきまとうものです。

ですから、必ず詳細な資料を作成し、実際に現場の状況を見ていただきながら どういった工事を行うのか、そのことによって費用はどうなるのか・・・という事を 建築士の塩谷より直接解説いただくことにしております。

K様も、ご不安がおありであったかとは思いますが「お任せします」とおっしゃってくださいました。 ありがとうございます。


実際の住宅再生工事の様子をご覧ください!

計画に基づき、K様邸を蘇らせる工事が始まりました!

練り直した計画に基づき、K様邸を蘇らせる工事が始まりました。
ほとんどの部分の構造を見直す工事であるため、新築に負けない性能を持ったお住まいになります!

しかし、新築と違い、「上に既存の建物」「屋根」が乗った状態での工事は、まっさらで何も無い状態から造る新築よりも、難しい工事です。一歩間違えば、工事中に倒壊することもありえます。

K様邸の住宅再生工事の工事期間は2011年の5月から8月。
構造に関わる工事は5月~6月の間に主に行われましたが、その頃は3月に発生した震災の余震がまだまだ収まらない時期でした。

万が一という事が起こらないよう、慎重に慎重を重ねながらの工事となりました。


上に建物が乗った状態で、基礎を新しくする

住宅再生リフォームですから、基礎から全て見直しをいたします。

その基礎ですが、当初は、既存の石の基礎の横に、新たな基礎を沿わせて補強するという形の工事をする予定でした。

しかし、解体してわかったことですが、既存の基礎は、基礎というよりもコンクリートの石を並べたというものであり、建物を支える足元としてはかなり心もとないものでした。

予測以上に状態の悪い基礎であり、既存のものを、新しい基礎の一部として使用するには不安がありました。

建物内部には基礎や土台自体が極端に不足しており、さらに、床付け面が低いために、外からの水が全て内部に入っている状態でした。

既存の基礎は撤去した上で、全く新しい強固な基礎を形成することになりました。

基礎を新しくする為、既存基礎を解体し、土台を撤去しました。柱はジャッキアップしました。

既存の基礎が道路面より低い為、砕石を敷きつめ高さを確保します。

砕石の上に床上に湿気が上がらないよう、防湿フィルムを敷き、配筋していきます。

内部には、鉄筋(D:13)を寸法通りに施工します。

耐圧盤に生コンを流し込みます。

基礎立ち上がり部分の型枠を組みます。

補強をかけながら、慎重に型枠をはすしていきます。ジャッキは柱を抜き去る時に切断します。

アンカーボルトは通常の倍の数量が入っています。


上に建物が乗った状態で、土台を交換する

基礎と同じく、土台もかなり傷んでおり、量も不足していました。

新しくする必要がありましたが、上に建物が載っていますので、簡単に交換という訳にはいきませんでした。

そこで、ブロックのように、少しづつ土台を設置するという方法を取りました。

2階と屋根がのっている状態での補強工事の為、土台をホゾで細かくつなぎ合わせて交換していきます。

土台用の木材をこのようなブロック状にしての施工です。接合部のこの形は「腰掛蟻継ぎ」と言って、そうそう簡単には外れない形です。大工さんが丁寧に加工したものです。

更に、金物でも留めます。

基礎は、アンカーボルトで固定されました。

床下の湿気を外に逃がすパッキンを、基礎と土台の間に挟み込みました。


上に建物が乗った状態で、を交換する

解体して判明したのですが、増築した部分の2階で使われている柱が、1階の柱より太いものでした。

つまり、建物を支えるために最も重要な1階部分が、かなり弱い、ということです。

50年の年月の間に、雨水の侵入もあったようで、シロアリの被害を受けた柱も目立ちました。

K様邸は増築している経緯があるため、既存の柱を補強するという予定は当初よりありましたが、結局、そのまま使用するのは危険であると判断し、取替えが可能な柱は全てとりかえることになりました。


交換できる柱は全て105角の柱に交換します。

新しい柱になる木材がやってきました。全て、充分な太さを持つ105角の柱に交換します。

1本ずつジャッキアップしながら交換していきます。

交換した旧柱です。今までお世話になりました。


の補強と交換

太さが足りなかった梁は、新しい材を補強することにより強度を上げました。

間取りの変更に伴い新しく梁を入れる箇所もあります。強度のある梁を入れさせていただきました。

梁は、10パーセント~20パーセント、大きさを上げて入れてあります、元の建物からすると今以上にするためには何割か耐力を上げる必要があります。

それは、私の父である親方より教わったことです。「計算で梁の大きさを出したなら一割五分は上げておけ」といつも言われた事を覚えています。

一見、無駄なことのように思われる方もいるかもしれませんが、父の建てた建物は何十年経っても、建具など皆ピシッとしています。

いざという時や何十年経ったときに初めて分かるものなのだと思っています。


耐震・耐震金物

以前は、筋交いが全く入っていませんでした。

今回の工事では、強度の無かった壁は撤去し、構造用合板を使って新しい壁を形成します。
適所には筋交いを入れました。

地震の揺れの衝撃で、構造部分の接合部が「抜けて」しまうのを防いでくれる金物です。
以前は、ほとんど入って今いませんでした。

今回の耐震リフォーム工事で、適所へ金物をしっかり設置いたしました。


2階の補強

1階が安心な状態になったら、今度は2階です。2階も柱をや梁を交換し、バランスよく耐力壁を配します。

交換できる梁や柱は、すべて交換しました。

ジャッキアップを行い交換した柱にも、筋交いを取り付けました。

2階根太も、全て新しく交換しました。


構造部分の工事がやっと終了です。一時は仮補強無しでは建っていられないほどの状況でしたが、もう大丈夫です。
色々な職人さんに助けられ、ほぼ一ヶ月で建前の状態まで行く事ができました。

基礎屋さんに「塩谷さん、度胸がいいねぇ」と褒められ?大工さんにはあきれられながらも、ほぼ付きっ切りでなんとか形になりました。

おそらく、今まで構造から見直す改修を行った工事の中でも最も難易度の高い工事だったと思われます。
今の状態で、新築とほぼ同等の耐力が出ているのではないでしょうか。まさに住宅再生リフォームといったところです。
地盤に関しては改良はできませんが、基礎から上に関しては充分な耐力は出たと思います。

構造の部分は、長く安心して住める建物にするためには、最も大事な箇所です。

ですから、お客様にも、当然全てを隠さずしっかりご報告しなければならない、最も大事な部分です。

毎週、定期的なご報告と今後の打ち合わせを行いました。
構造的な部分に関しては、必ず建築士の塩谷も同席し、今の状態をわかりやすくご説明させていただきました。

もちろん、毎回の打ち合わせは内容は記録に残しています。

また、口頭での説明だけでは、お客様もご不安です。
解体した時の状態と、工事の記録をまとめた資料も作成し、お手元に残していただくこととしました。

耐震リフォームについて詳しくはこちらから



電気配線・水道配管を新しくする

住宅再生ですから、設備の部分も、もちろん全てやりかえとなります。

電気配線や水道の配管、ガスの配管は、建築当時の50年前ものや、30年以上前に増築した際のものがそのままでした。

電気は、現代の生活を考えると昔のものではとても容量をカバーしきれません。
そして、今回のリフォームで、K様邸はオール電化仕様になりますので、 電気配線は全て新しくいたしました。

既存のガスは、プロパンガスをお使いでしたが、設備やガス管は全て撤去いたしました。

水道配管も、経年してしまうと水漏れを起こす危険がありますし、水周りの位置も大きく変わりますので、古いものは全て撤去し、新しくします。

電気屋さんが新しい配線を通してくれています。

コンセントの位置はどこが最適か...等々、電気屋さんと担当コーディネーターの千葉で細部まで確認しながらの作業です。

こちらが新しい水道配管です!


断熱工事

K様は長くマンションのお住まいだったので、断熱、特に冬の寒さは心配されているところでした。
今回の住宅再生リフォーム前のお住まいは、50年前の建物でしたので、断熱材は全く入っていない状態でした。
当時は断熱材を入れるという技術はまた確立していなかったのです。
今回の工事で、その断熱機能も最新の住宅の基準と同じになります。
断熱材も様々なものがあって、現在使われているものでも、安価で品質のあまりよくないものは、経年でへたってしまって下に落ちてきてしまい、せっかくの断熱効果が失われてしまう場合があります。
そういった事が無いよう、私達がいつも使わせていただいている断熱材は「パーフェクトバリア」という、ペットボトルの再生で造られた優秀なものです。
再生で造られているのでエコですし、経年によるへたりが無く、長く快適なお住まいを保ってくれます。

床にはフクフォームECOを採用しました。
紙とコーンスターチの再生で造られたエコな床断熱材で、性能が長持ちする上に、人体に害が無いという優れた素材です。

パーフェクトバリア施工中です。

上まで白い綿のようなパーフェクトバリアで覆われています。見るからに、外気温から守ってくれそうな感じがしますね!

こちらは床。フクフォームecoを施工中です。

窓は外気の影響を最も受ける箇所です。
ですから、窓の断熱性を高めることは、快適なお住まいのためには重要なポイントです。

K様邸で新しい窓として採用したのは、2枚のガラスを合わせることで、空気層を間に挟んだタイプの「ダブルサッシ」です。
1枚ガラスのサッシに比べ、断熱性は飛躍的に上がります。

写真は、リビングになるお部屋をお客様がご覧になっているところです。新しい窓がついて、嬉しそうなお二人です!


外壁工事

以前は、昔ながらのトタンだった外壁も、全て新しくします。
下地には構造用合板を張り、防湿シート+空気層の上からサイディングを張りました。


内装工事

耐震リフォーム工事、配線・配管、断熱工事が終わり、建物の性能は飛躍的にアップしました。
あとは、内部がどんどん作られていきます。

今回、キッチンが対面になりますので、キッチンカウンターを造作しています。

タカラさんのホーローキッチンが搬入されました。

2階の新しいミニキッチンです。

押入れ部分を造作しています。

床の無垢フローリングが丁寧に張られます。

階段部分の施工中。階段は位置が変わり、傾斜もずっと緩やかになります。

ご主人様念願のほりごたつの造作中。大工さんが丁寧に寸法ぴったりに仕上げてくれました。

どんどん完成に近い形になってきました!

無垢フローリングは、木が反ったり割れたりしないように、仕上げの塗装を行う必要があります。天然オイルを丁寧に塗っています。

外壁は優しい印象のサイディングで仕上げました。

構造部分の工事が終わり、内装や設備の工事に入ってきますと、お客さまとご相談して決めることが特に多くなってまいります。
内装に使うクロスの最終決定や、コンセントの位置、収納棚の高さ、棚の数など、もちろん、プランを立てる際に事前に決めてはおりますが、最終決定はやはり、出来上がってきた中に実際に身を置いていただき、よく確認しながら丁寧に決めていきます。

コーディネーターの私、千葉とお客さまで、二人三脚で進めさせていただきました。
お客さまも、沢山お決めになる事があって大変だったと思います。まことにありがとうございました。

クロス(壁紙)を最終決定しています。

かなり出来上がってきたので、このように実際に壁に当てながらお決めいただくこともできます。いくつかの候補のうち、どれにしましょう?

照明などの細かい設備を決めています。空間が出来上がってくるとイメージもしやすくなりますね。

玄関周りも実際にお客さまに見ていただきながら細かく決めました、写真では、手すりの位置を決めています。

設置された設備機器の確認をなさっています。

お客さまとご相談し決めた事柄を元に、私、千葉が電気屋さんと細かく相談しているところです。





K様邸のリフォームが完成しました!


エコさんのお蔭で以前の生活よりも快適、爽やかに日々を過ごすことが出来ています。

やはり建築の際に、双方の考え方などを提案しあいながら造り上げることができたからしょうか、エコリフォームさんの基本コンセプト『安らぎのある住空間』・『自然素材の健康住宅』にぴったりのリフォーム住宅に仕上げて頂きまして、100点満点で120点あげたい感じです。
担当の千葉さんをはじめ、皆様には大変お世話になりました。

インタビューにご協力いただきました

ハウスデータ
■築年数50年以上
■住宅仕様2階建て木造住宅
■広さ1階+2階:約19坪(63㎡)
■ リフォーム
  内容
  • 1階・2階全体のフルスケルトンリフォーム
  • 外部全面改修
■ 地域江戸川区


まずは図面のBEFORE→AFTERからご覧ください

最初に建築されたのが50年前、増築されてからも既に30年以上の年月が経過しておりますので、全体的に傷みが進んでおり、床の陥没や雨漏りもありました。

段差があったり、階段が急勾配であったりと、最近のバリアフリーの住まいに比べると、心配なポイントも多くあります。

1階だった建物をあとから2階建に増築されていたり、他にも増築部分があり、耐震面も非常に不安な建物でした。

再生リフォームで、これから20年30年と安心してお暮らしいただける住まいへ!



それでは、完成の様子をご覧ください!

動線がスムーズでバリアフリー!安全を重視した住む人に優しい空間です

こちらのお住まいには、K様ご夫妻と、ご高齢のお母様がお住まいになられます。

1階は、ご家族団らんのスペースと水周り、そして、お母様の生活の為のスペースとしました。

お母様はまだまだお元気ではありますが、ご高齢ですので、なるべく階段を使うことなく、1階だけで生活できるようにという配慮です。

また、できるだけ体に負担がかからないように、部屋同士の動線は極力スムーズに。
そして、大きな動作をする箇所や、お母様が移動する時にお使いになる経路に手すりを設置しています。

床には段差が一切ありません。住む人の負担を極力減らす仕様になっています。

限られた空間ですので、あえて廊下を造らないレイアウトになっているのも特徴です。必要な時には、引き戸を閉めれば独立した空間が出来ますよ。

三枚タイプの大きな引き戸ですから、昼間は開けて広々使えば一つの大きな空間のようになりますし、逆に夜は引き戸を閉めれば、寝室やリビングが独立し、落ち着いた空間になります。

●奥様が家事をされながら、お母様の様子に目を配れる配置です

お母様はまだまだお元気でいらっしゃいますが、お手伝いを必要とされる場面もあり、奥様もご心配です。
そこで、お母様のお部屋は、1階のリビングダイニングキッチンと繋がるような形で配置しました。

水周りも近いので、奥様が家事をなさりながら、いつでもお母様の様子に目を配ることが出来ます。

●お母様のお部屋から、トイレやお風呂に移動しやすくなっています

トイレや洗面、お風呂への移動もとてもスムーズです。

トイレに行く動線には、手すりが設置されており、身体の負担を和らげます。

●「引き戸」の建具は、スペースがゆったり取れて、開閉に負担がかかりません

間仕切りの建具は、ドアではなく、スライドするタイプの引き戸を使いました。
引き戸は軽い力で開閉が出来ますし、すぐにバタンと閉まってしまう恐れもありません。

開閉ドアの場合、ドアを開く為のスペースが必要になってきますが、 引き戸だと、お部屋のスペースを100%有効に使用する事が出来ます。

コスト面で見ると、引き戸の方が開閉ドアに比べて、だいぶ割高になります。 何故かと言いますと、いわゆる「戸袋(戸をスライドさせた時に、引き込む為のスペース)」や、レールの取り付けが 必要になること、また、建具自体も引き戸の方が少し割高であるという理由からです。

それでも、暮らしてみてからの使い勝手の良さを考え、私たちはなるべく引き戸をお勧めしています。 特に、ご高齢の方がいらっしゃる場合は尚更です。

※トイレのドアのみ、スペースの関係上引き戸にできませんでしたが、 軽い力で開閉できるスライドドアを採用しています。 こちらも、省スペースで使い勝手の良い優れものです。

全てがバリアフリーで安心快適!

●床の段差はゼロ

昔の家は当たり前のように段差がありました。 「別の部屋はちゃんと仕切る」という意識が昔は高かったのかもしれません。

でも、この段差で足をひっかけて転ぶという事故、結構多いのです。
特に、ご高齢の方がいらっしゃるお住まいでは、少し転んだだけでも大怪我に繋がる可能性があり とても危険です。

今回のリフォームで、床は全てフラットになりました。 水周りであるトイレやお風呂に入る箇所にも段差は全くありません。

●手すりを必要な箇所へ設置

必要と思われる箇所には手すりを設置し、 大きな動作をする際に生じる負担を軽減します。

【手すり設置箇所】
・玄関から廊下へ
・階段
・お風呂
・お母様の寝室からトイレへ向かう通り道

POINT:手すりに洋服が引っかからないように、角に丸い金具を設置しました

洋服の袖の部分が手すりにひっかかってしまわないように、写真のような丸いカバーを付けてより使いやすくしています。

K様には小さなお孫さんがいらっしゃいますが、手すりの位置というのは丁度、お子さんが頭をぶつけやすい位置です。
カバーをつけることで、お子さんのケガを防いでくれるという効果もあります。

●部屋によって気温差が生じない家に

バリアフリーは、段差や手すりのことだけではありません。目に見えない「空気」もバリアフリーな住まい、というのが理想です。
室温をバリアフリーにすることによって 「ヒートショック」の恐れを解消することができるのです。

ヒートショックを起こす原因は屋内の温度差です。暖房をしている部屋と、していない廊下やトイレ、洗面脱衣室では、 6~10度の温度差があるといわれています。
その温度差によって、血圧の変動や脈拍の変動を起こして、心臓により多くの負担をかけてしまい、身体に異変を引き起こしてしまうのです。

気温差を解消するためには、家全体で考えた断熱計画が必要です。 断熱されることによって、家は外気温の影響を受けにくくなり、建物の中で 大きな気温差が生じることがなくなります。

K様邸では今回のリフォームで壁・床・天井・窓を大きく改善していますので 断熱性が上がり、空気もバリアフリーのお住まいが実現しました。

リフォーム前は...

断熱材がほとんど入っていなかったので、外気の影響を受けやすい状態でした。 この状態では、家全体を暖めることは難しく、夏や冬は、お部屋ごとに冷暖房をしていたことと思います。

空調の無いトイレや廊下、浴室、玄関などは、居室と比べると、大きな気温差が生じてしまっていたことでしょう。

住む人に優しい自然素材を使った快適な住まい

自然の木や草花をこよなく愛されるK様ご夫妻は、新築のようににピカピカにするというよりは、自然素材を使った優しい印象のお住まいをご希望でした。

●快適をもたらしてくれる、天然の木に囲まれた住まい

K様邸で採用した「無垢フローリング」は、 夏は湿度を調整してくれて、冬は蓄熱してくれるという効果があり、 見た目の優しさだけではない、快適な暮らしをもたらしてくれます。
無垢の味わいのある風合いは、新しいのに温かみがあって、何だかホッとします。

こちらのお住まいは奥様にとってはご実家であり、お母様にとっては長く暮らされた 愛着のあるお住まいです。
今回のリフォームで、印象がガラリと変わることになりましたが、新建材をたくさん使ったピカピカな空間にするのではなく、住む人を包み込んでくれるような優しい印象に仕上がりました。

●減農薬の国産イグサで作った、安心のエコ畳

和室に採用したのは、減農薬で丁寧に栽培された、国産のイグサを使った「エコ畳」です。

近年、農薬を多量に使った外国産のイグサを使った安価な畳が出回っており、それがシックハウスなどの原因になっているというケースが少なくありません。

エコリフォームでは、和室には必ず国産のエコ畳を採用するようにしております。



ご家族団らんのリビングです!

日当たりの良いスペースに配したリビングダイニングです

大きく間取りが変わったK様邸。ご家族が団欒されるリビングダイニングキッチンを、日当たりの良い位置に配しました。

ご主人様の念願だったほりごたつに座って、ご家族でのんびりおくつろぎいただける空間です。

リフォーム前は、台所とお部屋が別々であり、畳や壁、天井もかなり傷みが進んでいました。 見違えるような空間になりましたね!

●明るい印象の、無垢の樺桜

明るいインテリアをご希望だったご夫妻。 床の無垢フローリングは、明るくて軽快な印象の「樺桜フローリング」です。

●梁の一部を見せて、インテリアのアクセントに

こちらのリビングダイニングは、梁を見せるスタイルとしました。
床に採用した無垢のフローリングも天然の木なので、木の梁との相性ピッタリです!

梁を見せるスタイルにすることで、天井を少し高くできました。
視覚的に空間を広く感じることができます。

奥様の念願、対面キッチン

築50年のお住まいのK様邸。
昭和の頃の家は、キッチン(台所)が、食事を取るお部屋と分離しているというスタイルが主流でした。 台所はあくまでも作業場、といったような扱いであったことの名残です。

更に、建築当初はお風呂が無かったものと思われますが、 台所のスペース内に後からお風呂を設置されていたため、 かなり狭い台所スペースとなってしまっていました。

現代の生活スタイルでは、リビングと一体となったキッチン、特に対面キッチンが人気です。
それが、奥様の大きなご希望でした。

対面キッチンは、お食事の支度をしながら、ご家族と会話も弾みますよ!

●コンパクトサイズながら、とても使いやすいキッチンスペース!

K様邸のキッチンは幅180cmと、ややコンパクトサイズではありますが、背面には冷蔵庫と家電収納を置ける広さのスペースを用意してあります。

後ろを振り向けば必要なものに手が届き、とても使いやすいスタイルです。

更に、床下収納もお作りしました。

●お手入れ簡単、長く綺麗に使える「ホーローキッチン」です

弊社の行うリフォームではおなじみのホーロー。
シンプルなデザインの為どんな空間にもマッチして、汚れに強く、いつまでも綺麗に使えるタカラスタンダードさんのキッチンは、やはり一番のオススメなんです。

>リフォームQ&A:タカラスタンダードのキッチンについて

K様も、ショールームでホーローを実際にご覧になって気に入ってくださいました。

●使いやすさを考えて、カウンターは少し広めに

対面キッチンに合わせて造作するカウンターは、幅を25センチと広めにしました。

お食事の支度の際の仮置きなど、便利にお使いいただけます。

寛ぎのリビングダイニングには、ご主人さま念願のほりごたつを設置!

ダイニングスペースには、ほりごたつを設置しました。

寒い時期は日のあたるダイニングで、ほりごたつでのんびりしたいという、ご主人様のたってのご希望で、造作させていただきました。
こたつで使うので、もちろん天板もセットで造作しています♪

こちらのほりごたつ、様々なシーンに対応できるようにこだわって造作した優れもの!
ほりごたつがあるからといって、いつでも必ずほりごたつの形式で過ごすわけではありませんので、 普通の座卓にもできるようになっています。

座卓自体を使わないときには、下に格納することもできます。

簡単に設置&収納できるんです!


座卓の無い、フラットな状態


フタを空けて・・・


座卓を取り出します


天板を載せてほりごたつ形式に!


普通の座卓にする時は、下を塞げばOK


寛げますよ~

水周りは、ご高齢のお母様のお部屋とリビングに直結!

お風呂&洗面&トイレ&洗濯機置き場を使いやすく一つにまとめました。

お母様のお部屋からも、ご家族のリビングからもこの水周りスペースに直結。 余計な動きをしなくても済むスムーズな動線です。

限られたスペースではありますが、狭さを感じたり使い勝手の悪さを感じることの無いよう、 細かい工夫が盛り込まれた空間となっています。

●トイレは最も負担がかからない位置に

トイレは、お母様のお部屋から最も入りやすい箇所に設置しました。
リビングのすぐお隣がトイレというレイアウトなので、間の壁には遮音材をバッチリ施工し、トイレの音が漏れないように注意を払っています。

便器は省エネ仕様。お手入れしやすいタイプの設備を選びました。

●省スペースで軽いスライディングドア

トイレの建具は位置の関係上引き戸にできませんでしたが、ドアですと、開閉する際に場所を取り、邪魔になります。
そこで採用したのがこの「スライディングドア」です。

このドアは、ドアの半分がトイレ内に入りこむようになっているタイプなので、 場所を取りません。
力を入れずに軽く開閉できる上、ちょっとした拍子で閉まってしまう事もありません。 普通のドアよりも、ずっと使いやすいスタイルです。

●使いやすい手すりを設置

トイレの中には動作に合わせた手すりを設置。
また、お母様のお部屋からトイレへの動線にも手すりを取り付けました。

●お風呂は広くゆったりと

「一日の疲れを癒すお風呂だから、可能なら広くしたい!」というのが、ご主人様の大きなご希望の一つでした。

足を伸ばしてゆったりお浸かり頂ける、1坪サイズの浴室が実現しました。

●お湯が冷めにくい高断熱浴槽

高断熱仕様ですので、ご家族でお風呂を使われる時間帯がずれた場合でも、お湯が冷めにくくなっています。

●洗面台は省スペースな薄型を

お風呂を広くしたことで脱衣室が狭苦しくなってしまっては、使い勝手が良くありません。
脱衣スペースを出来るだけ広く確保するため、 薄型の洗面台をお選びしました。

●造りつけの棚を設置

洗面台と洗濯機置き場の上部分には、高さを自由に調整できる造りつけの棚を設置しました。

上の棚に水周りの小物やタオルのストックなど、こまごました物を仕舞えば、後から収納ラックなどを入れたりする必要も無く、スペースをスッキリ使うことができます。

洗濯機置き場はお風呂のすぐ横なので、 残り湯を洗濯に使う際も、セットが楽です。

お母様のお部屋は、落ち着いた雰囲気の和室です

ご高齢のお母様のお部屋は、階段の上り下りをしなくても良いように 1階にいたしました。

奥様が家事をなさるリビングの隣であり、引き戸を開ければ1つの空間のようにもなりますので 奥様はいつもお母様の様子に目を配ることができます。
お母様も、いつも人の気配を感じることが出来て、安心です。

更に、水周りスペースへ直結できる出入り口も設けています。 お部屋を出るとすぐにトイレです。
玄関からも近く、お出かけをする時も、負担無くスッと移動できてラクです。

新しい畳は、丁寧に減農薬で栽培された、国産のい草(九州地方産)を使った安心な畳を使用しています。

エコ畳は、どこの農家さんで栽培されたのか、出所もはっきりわかる証明書が付きますので、より安心ですよ。

●収納たっぷり

K様は、家具は、極力持ち込まないおつもりで、 収納を多くとりたいとご希望です。
こちらの和室には大きな収納スペースを設けました。中棚も設置して便利に使えます!

●三枚タイプの引き戸は、大きく開けられます

リビングとの境になる引き戸は、三枚一組になっているものを採用しました。 三枚にする事で、いっぱいに開けた時には引き戸二枚分の広さの開口部になります。

奥様が家事をしながらお母様との会話を楽しんだり、常にお母様に目を配って差し上げるには、仕切りが広く開く方が何かと便利ですし、空間が広く感じられますよね。

逆にお客さまがいらっしゃったり、お母様が静かにお休みになりたい時は、引き戸を閉めればプライベートスペースにできます。

和風モダンな玄関&玄関ホール

リフォーム前は、玄関のすぐ横にトイレが配置されていましたが 今回のリフォームで水周りをまとめたため、奥に移動しました。 その分広くなり、収納スペースもできた玄関です。

和風の木格子と黒い玄関タイルが印象的な、和風モダンな印象に仕上がりました。

かっこいい木格子はご主人様のアイディア。玄関の雰囲気がぐっとおしゃれになりました!
玄関引き戸には、防犯ガラス入りのものを採用しましたので、 外の光が入って明るい玄関となっています!

●ご主人様の趣味の「坪庭」スペース

ご主人様は、小さな坪庭を造りたいとお考えでした。 そこで、玄関横のこのスペースを、坪庭として計画しました。

実用的な面では、お母様のお出かけ用の車椅子などを収納することもできます。

●ゆったり玄関収納

靴だけでなく、玄関周りのこまごましたものを一気にしまうことができるように、 背の高い玄関収納スペースを造作しました。
棚板は自由に移動できるので、収納するもので高さを変えることができます。

上の方の棚が少し奥まっているのがおわかりになるでしょうか。
何故かと言いますと、この部分は手前に壁があるため、棚があまり手前まで出ていると、出し入れが難しくなってしまうのです。
そこで、このように工夫し、出し入れの負担を軽減しています。

●玄関の上り下りをサポートする手すり

玄関は、上り下りをしたり、靴を履いたり脱いだりと、比較的大きな動作を、ほぼ毎日、何回も行う箇所です。 このように手すりを設置すると、身体への負担がずっと楽になります。

天然木で出来た手すりなので、優しい握り心地で手がヒヤッとしません。

上り下りの負担を軽減する、傾斜のゆるやかな階段

昔のお住まいは、階段の傾斜が急な場合が多いです。 K様邸の階段もかなり傾斜がありました。

今回、階段の位置を変え、とてもゆるやかな傾斜の階段となりました。 もちろん、ゆるやかなだけでなく、手すりもしっかり付いています。
K様ご夫妻の寝室は2階にありますが、 毎日の上り下りも、ここまでゆるやかならば安心です。

●天然木の集成材を使った階段は、足さわりも気持ちいい!

階段には天然木の集成材を使っています。集成材は無垢と同じ天然木ですが、小さくカットした木材を成型したものです。

床に使った樺桜のフローリングと、同じような明るい色合いものをを選びましたので、相性バッチリです。 そして、足さわりがとても気持ちが良いんですよ。
段の端の部分には滑り止めの溝も付いていますので、安心です。



2階の様子も拝見いたします

日当たりの良いスペースに配したリビングダイニングです

2階は主に、K様ご夫妻のご生活スペースとなります。

K様はお仕事をされておられ、夜遅くなることも多い為、 主に1階で生活をされるお母様がゆっくりできないだろうとのお考えで、 お互いの生活時間帯の差にも対応できる様な住まいをご希望でした。

そこで、二世帯住宅仕様とまではいきませんが、ほどよく生活空間を分けられるようにしています。
限られた空間の中で、2階で一通りの生活が出来るような設備の設置を致しました。

2階も全面がバリアフリーです

2階も1階と同じく、床には段差が無く、必要な箇所には手すりが設置されています。

ミニキッチンを備えた、K様ご夫婦のリビングダイニング

メインのキッチンは1階となりますが、 ご主人のお帰りが遅くなった時などは、こちらで簡単な食事の用意ができるような ミニキッチンを備えたリビングです。

1階はお母様がご生活されますので、来客があった場合なども こちらの2階で対応できます。

●1階と同じ無垢の樺桜フローリングを使った優しい空間です

1階で使っている無垢の樺桜フローリングを2階でも採用しています。

無垢の中でも軽快な印象の色合いが特徴の樺桜。 日当たりの良いお部屋が益々明るく、爽やかに感じられます。

無垢は手触りも優しく、裸足で歩いてもとっても快適ですよ。

アイディア収納で、スペースをゆったり使える和室

●「吊り押入れ」で省スペースを実現!

2階はベランダがある分、お部屋はコンパクトになってしまいます。こちらの和室も4.5帖ほどのスペースです。

4.5帖で寝室にするとなると、収納スペースを設ける余裕は無さそうな感じがしますが、こちらのお部屋では写真のような「吊り押入れ」を収納にすることにしました。

吊り押入れにすることで、2間の収納を確保しつつ、下に有効な空間をつくる事できました。
お布団を敷いたときに、収納下の空間を足側にすれば、ゆったりとお休みになることができるという訳です。

K様のお孫さんが遊びに来られることもあるそうですが、このスタイルなら、お孫さんも一緒にお休みになることができそうです♪

●ハンガーパイプを設置して、洋服も収納できます

吊り押入れの中には、お布団だけでなく、洋服なども収納出来るように ハンガーパイプを取り付けました!

パイプは左右で高さを変えていますので、高いほうにはロングコート、低い方にはシャツなど、使い分けて便利に収納いただけます。

●2階和室にもエコ畳

1階と同じく、こちらも国産のイグサを使ったエコ畳を採用しました。

輸入のイグサは、農薬が多く使われており、シックハウスの原因となるケースも報告されています。 国産のものは、減農薬で丁寧に栽培されたイグサですし、栽培した農家さんの名前もはっきりしておりますから、安心です。

畳は直接座ったり寝転がったりするものですから、安心なものを選びたいですね。

2階踊り場にはトイレと階段上のスペースを利用した収納

●2階トイレ

2階にも手すりのついたトイレを設置しています。

●階段上の空間を活用して収納に

デッドスペースになりがちな階段上部の空間を、収納にすることで有効活用しました。

●寝室からトイレへ向かう動線に手すりを設置

基本的には1階で生活されるご高齢のお母様ですが、2階をお使いになる場合もたまにはあるかもしれません。
そのとき、必要な箇所に手すりが無いと困ってしまいます。

1階と同じように、2階にも、寝室からトイレへ向かう動線になる廊下に手すりを取り付けました。 写真のように、体を支えてくれます。

お孫さんのために広~くした、光あふれるベランダ

K様には、小さなお孫さんがいらっしゃいます。お孫さんはお二人を尋ねて、頻繁に遊びに来られるそうです。
そこで、お孫さんがいらっしゃった時に、屋内でも遊べるスペースを、とお考えになり、 この広いベランダを設置されることになりました。
夏はプールなんかも設置したいとお考えだそうです!

普段でも、この広さがあるベランダであれば、お布団を思いっきり干せて気持ち良いですね。



外観も大きく変わりました!

外観は、落ち着いたサイディング仕上げです

外観は、サイディング仕上げの落ち着いた印象です。 こちらはご主人様が気に入られてお選びになったお色です。素敵ですね。

ベランダやフェンスも全て新しくなって、新築をしたお住まいのような仕上がりとなりました。

●裏側には、半透明のフェンスを取りつけました

リビングの窓がある側は、すぐ外が駐車場になっています。そこで、 人目をさえぎる為の囲いを設置しました。

囲いを取り付けることで、せっかく日当たりの良いベランダに影ができてしまっては、残念ですよね。
そこで採用したのがこの、光を通してくれる半透明タイプのフェンスです。 光を通すだけでなく、スリットも入っていて、風も遮られません。

フェンスの向こうは、小さなお庭とリビングの窓があります。 この目隠しがあるので、人目を気にせずにカーテンを開けて、お庭を眺めながらゆっくりくつろぐことができます。



省エネルギー住宅を実現

ランニングコストのかからない省エネ優れた住まいです

●断熱で冷暖房のランニングコストを削減

暑い夏、そして寒い冬、もっとも電気代がかかってしまうのが、エアコンなどの空調設備ですよね。

リフォーム前のK様邸は、築年数が長いということあり、断熱材はほとんど入っていませんでしたが、 今回、壁、天井、床、窓に、しっかりと断熱を行いました。

家全体をしっかりと断熱したお住まいは、外気の影響を受けにくくなります。ですから、エアコンをゆるくかけるだけで快適な気温が実現でき、冷暖房のランニングコストが格段に下がるのです。

さらに、内装に無垢をはじめとした「調湿効果に優れた天然木」を使うことで、室内の空気が更に快適に保たれやすくなっています。

●省エネに有効な「エコキュート」

電力消費の少ない真夜中にお湯を沸かしておいてくれて、 キッチンやお風呂の給湯に使えるというシステム「エコキュート」を採用いたしました。

このエコキュートで、更に節電できます!




エコリフォームより

お問い合わせをいただいてから、約8ヵ月半ほど後の完成・お引渡しとなりました。
実際に工事に入るまでの様々な手続きや打ち合わせ、そして実際に工事に入ってからも、かなりの回数の打ち合わせがあり、お仕事もお忙しい中、まことにありがとうございました。

築50年以上のお住まいを新築のようにしてしまうという、 お客さまにとっては一生に一度あるか無いかという規模のリフォーム工事でしたので、やはりご不安なお気持ちもおありだったかもしれませんが、いつも私どもをご信頼いただき、大切なお住まいをお任せくださって感謝申し上げます。

新しいお住まいで、K様ご夫妻とお母様が、これからも長く快適にお住まいいただければ、何よりも幸いです。
これからも何かございましたら、どんな小さなことでもいつでもお声がけください。

今後ともよろしくお願い申し上げます。